【民芸館】全国郷土玩具バーチャルミュージアム


島根県篇・(2)-2

----SIMANE----



長浜人形(2)■
 初代の本地屋治平が万治年間(1658〜61)、朝鮮の陶工のもたらした技法を習得して陶器を作り始め、その後、明和年間(1764〜72)に、本地屋六代目城佐(本名、城佐世(すけよ)、本地屋の養子)が、陶器作りの合間に土人形を作ったのが「長浜人形」の始まりとされています。
 化政年間(1804〜30)、本地屋は姓を永見とし、房造(本地屋八代目)が初代となり、五代目房造(亀吉)に至る130年余にわたり、代々の房造により造形、彩色ともに優れた土人形を作り続けました。
 江戸末期から明治初期にかけてを最盛期にして、次第に土人形の売れ行きがかげり、明治3.40年頃に廃業となりました。
 戦後、長浜人形株式会社ができ一時復活されましたが、それも長くは続きせんでした。その後、そこで働いてていた人達が、当時の型をもとに別々に長浜人形を作るようになります。
 現在の制作者、岩本竹山(2代目)の父・初代竹山、日下(ひのした)義明さんらもその一人で、これらの人達により長浜人形の伝統は受け継がれています。

制作者:日下義明「日下義明商店」:浜田市長浜町1419..TEL:0855-27-0233

制作者:岩本竹山「神楽面岩本竹山陶房」:浜田市長浜町1404..TEL:0855-27-1329



出雲竹人形
 戦後、昭和32年に県の郷土玩具コンクールに入選した竹獅子の影響をうけて、勝部さんが作り始めた「出雲竹人形」です。
 勝部さんの住所はかなり交通の便が悪い所すが、この竹人形は「島根県物産観光館」で手にいれることができます。
 出雲地方の奥地を流れる神戸川のそばに群生する豊富な竹を素材にし、一つ一つ丁寧に削りあげて作られています。
 作品は、出雲地方の神話を題材にした、稲田姫、いなばの白兎、大国主命、八岐大蛇(やまたのおろち)など。郷土芸能の、どじょう掬い、さぎ舞、牛突き。そのた干支ものなどが作られています。
 作者の勝部さんは、戦後シベリア抑留中におぼえた白樺細工の手彫技術を活かして作り始められたとのことです。

制作者:勝部誠次:簸川(ひかわ)郡佐田町反辺..TEL:0853-84-0061

松江の張り子
 前回、(1)-1、「松江の飾り馬」で紹介した、峯川康二さんが、張り子も作っていられます。
掲載の右側が峯川さんの作。左側の干支張り子は、峯川さんに製法を教えた大野博さんの作です。

加茂天神(廃絶)■
 島根から鳥取にかけての各地方で、天神をはじめ天神の添え物としての土人形が昭和初期まで作られていました。
 掲載のものは大原郡加茂町で作られた土人形です。

出雲の土人形
 前回(1)-2「張り子の虎と立天神の」で紹介した、「高橋張り子虎本舗」の 高橋家制作の土人形です。五色天神、立天神、立娘、児童物など30種ほど作られています。
 高橋家の床下には、土人形の型だけでも、まだまだたくさんの型が眠っているそうです。




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(1998.11.15掲載)