日本全国郷土玩具の旅:滋賀県篇

----滋賀県篇(2)ー1----

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近江だるま
 湖東、能登川町で、張り子の近江だるまが作られていました。
小型のだるまで、「男だるま」「女だるま(おたふく)」「姫だるま」があります。
大正時代に、能登川町の寺井大門(善右衛門)により始められ、戦後2代目の清二さんに引き継がれたが、同氏の交通事故により、制作不能となりました。
 これを惜しんだ青年会議所の谷村さん等の努力で、寺井家より木型を借りて老人会で一時期(1986)復活されましたが、現在は廃絶しています。再度の復活が望まれる郷土玩具です。




■香泉人形■
 全国的にしられている陶器の産地、信楽の町より5キロほど北の漆原の畑の中に、窯を築いて、香泉人形が制作されていました。
 香泉人形とは、製作者の「山本香泉」からとった名前で、2代目の香泉さんが亡くならて(平成3年10月)この土人形は廃絶しました。
 もともとは、この人形は「土佐」で作り始められました。製作者の初代「山本香泉」は、土佐出身の女流画家でしたが、大阪の戦災で焼け出され、ご主人も亡くされ、子供2人を連れて土佐に戻り、郷土玩具作りを始めました。土人形や張り子など、いろいろな郷土玩具を作られましたが、1963年に72歳で亡くなられました。
 香泉人形は、長女の信子さんが二代目香泉の名を継ぎ、弟の貞彦さんの協力もあって作り続けられました。
 貞彦さんは陶器の製作者であり、その関係から1972年に信楽に引っ越し、姉と弟の2人の仕事が続いていましたが、現在は制作されていません。


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(1998.4.20掲載)

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