【民芸館】......全国郷土玩具の旅


京都府篇(3)ー2

----KYOTO----



鞍馬の首人形と虎
 竹の串の先に手捻りの首人形がついています。「牛若丸、天狗、烏天狗、白馬、虎」の5種が1組となっています。  かっては、叡山電鉄、鞍馬駅前の土産物店や、貴船口駅の売店でなどで、鞍馬寺にちなんだ種々の郷土玩具が売られていました。
鞍馬寺、由岐神社、貴船神社は、この山の一帯にあります。
 これらの諸玩具は、鞍馬村の佐々木嘯虎(しょうこ)氏が作っていたのですが、1945年4月に亡くなられて、一時廃絶しました。
しかし、戦後、これらをなつかしむ人達により復元されたものもあります。

山科毘沙門の虎と虎面
 山科駅近くの、安祥寺毘沙門天の寺務所では、張り子の虎と虎土鈴を授与しています。 掲載の虎の面(お守り)は、戦前に授与されていたものです。小型の面で「山科毘沙門天御守護」の赤い短冊と一緒に笹竹に吊り下げられていました。




洛北の諸玩具■(今でも手に入りやすい玩具類)

@三宅八幡の鳩笛:尾のところに吹口があり、吹くと「ホーホー」となつかしい音がします。昔は、子供の嵌の虫(かんのむし)には、土をなめさせるとよいといわれたことと結びついている「土」の笛です。

A平安神宮の桜橘縁喜鈴:これは一対の内裏雛の鈴です。男雛には桜、女雛には橘の花模様が描かれています。これは、京都御所の「左近の桜、右近の橘」にちなんで作られたものです。

B鞍馬寺の降魔扇:鞍馬寺の授与品。鞍馬山にちなんだ天狗の扇で、羽うちわ形の厚紙には「降伏一切大魔最勝成就」の印が押されています。木製の 赤い取っ手がついています。
その栞には「鞍馬山護法魔王尊のお持ちものを縮小したこの羽うちわは、一切の魔障を推破して、心中の善願を成就せしむる御力を授け給う。」と書かれています。

C鞍馬寺の福虎:「阿吽(ア、ウン)」の2匹の虎が並び、一つの土鈴になっています。

D由岐神社の狛犬土鈴:狛犬は(からじし)と読みます。この土鈴は拝殿廊下にある重要文化財の狛犬を模したものです。(現在、神社にあるのはレプリカで、本物は京都国立博物館に保存されています。)

E貴船神社の船土鈴:貴船神社は山奥の渓流のそばにあります。山の中の神社の授与品になぜ船があるのかというと、この神社は「水の神様」なのです。
この地は貴船川の渓流にそって料亭も多く、夏には涼しい渓流の上に床がはられ、京都の奥座敷として親しまれています。
社伝「神武天皇の皇母の玉依姫が、雨風の国潤養土の徳を尊び、その源を求めて、黄船に乗り浪花より淀川、鴨川を遡り、その源流貴船川の上流の奥宮の地に至り、川の中より清水の湧き出ずる霊境吹井を認めて、水神を奉斎し、黄船の宮と称した。」


---京都府、第3回...終り---


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(1998.2.15掲載)

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