飛んで火に入る…(Ultra長文)

■ペンネーム「あんちゃん」さんからの投稿です。

 久々にネタが向こうからやって来ました♪
 嗚呼、何カ月ぶりだろう…?(喜々)
 
 以下の会話ほぼ正確ですが、話の繰り返し等があって省略している所も多々あります。
 
 ある土曜の昼下がり事件は唐突に起こりました。
 ピポーン♪
 
嫁 「は〜い」
 
 ※よりにもよってこの日は嫁が居たのですが…。(苦笑)
 
S 「私、日本生活向上協会会員のSと申します」
「本日、浄水器リースをご紹介に伺いました」
 
 ※写真入りの身分証も提示して特商法に基づく第一関門は見事クリアしていますが…。
 
S 「お宅様のお水を検査させて頂き…、(後略)」
「ご主人様ご在宅でしょうか?」
 
 ※通常この手のセールスって、野郎が居ない事を望むはずなんですが…。
 
嫁 「居りますが…」
 
 ここで僕がこの二人に割って入り、怒濤のマシンガントーク開始!
 
あ 「要る要らないの前に、ちょっと外に出ようか。(微怒)」
 
 ※勿論、これから始まる修羅場(僕には至福の時)を嫁に見せないためです。
 
あ 「お前さんは日本人じゃないの?」
S 「日本人です」(お約束のえッ!?って顔していましたが…。)
あ 「小学生レベルの国語力がないほどバカなの?」
S 「そんなことはありません」
あ 「メガネしてるけど、見えないほど目が悪いの?」
S 「否、見えますが…」
 
 ※外廊下の壁(塀?)越しに階下の看板を指さし…、
 
あ 「あの看板読まなかったのかい?」
S 「えッ!? よ、読んでいません…」
あ 「あぁッ!?(中怒)なんで!?」
「どうして読み飛ばすの?」
「読み忘れたのか、故意に読まなかったのかどっち?(怒)」
S 「忘れました…」
あ 「ほ〜、実際に下に行こうか」
 
 ※看板前に移動して、
 
あ 「何て書いてあるか音読しろや〜。▼▼メ」
 
 ※営は看板音読し終わると…、
 
あ 「この看板を読んでお前さんは何しに来た?(怒)」
S 「営業活動です」
あ 「って事は大家である会社の許可は貰ってるんだろうな!? をぅ!!(大怒)」
S 「も、貰っていません…」
あ 「あぁッ!?(激怒)あんた大丈夫?(呆)」
「ところでこんなに大きな看板をどうやって見落とす又は読み忘れられる訳!?」
「今後の参考のために、即刻その理由を言え!(中怒)」
S 「あぅあぅ…、読みませんでした…」(あっさり自白)
あ 「ってこたぁ、故意に読まなかった訳ね?」
S 「はい…」
あ 「これがお宅らの営業スタイル?」
「こんな物は、構わねぇからどんどん営業しろって教育されてるのかい?」
S 「い、いえ、決してそんな事は…」
あ 「でもここに居る事実はど〜にもならないねぇ…。 ̄ー ̄v」
「どう申し開きをするつもりか、合理的かつ論理的な釈明を頼むよ」
S 「・・・・・・・」(答えられるわけないのに…。T-T)
あ 「お前さんは、組織名、自分の名前、訪問目的を告げたから『特商法』については知っている様だけど、他の法律は知らないの?」
「例えば刑法とか…」
S 「え?」
あ 「え?じゃねぇよ」(苛)
「この看板に『禁止条項』があるのに、それを無視するってのは刑法に少なからず抵触してないかい?」
「極論だけどチョイと解り易い例えにすれば、アメリカ軍基地や中国大使館へ何のアポも取らず、『営業』と称して平気ズカズカ入れるの?」
「あそこは日本にあっても日本の法律が通用しない外国だから、無断で入れば最悪の場合、『射殺』(それだけはないはずと思いつつ…)されても文句は言えないけどどうだッ!?(怒)それでも入るのかッ!? ゴルァ!!(中怒)」
S 「いえ、入りません」
あ 「同じ事を看板に書いてあるにも関わらず、何故民間の施設にはへっちゃらで入れるのかその神経を疑うけど…」
S 「申し訳ありません…」
 
あ 「そもそも、お前さんは何しに来たんだっっけ?」
「浄水器のリースは解ったけど、家に上がり込んで何をするつもりだ?」
S 「奥様、ご主人様立ち会いの元、残留塩素測定を…」
あ 「その時の試薬は何だ?」
S 「オルト・トリジンです」
あ 「をい! お前! それ禁止薬品だぞ!」
「何で使ってるの?」
「これに代わる、試薬があるの知らないの?(呆)」
S 「え!? し、知りません…。(困惑)」
あ 「この世の中、『知らなかった。』で通と思ったら大間違いなんだけど…」
「DPDって残留塩素を検出するとピンク色に変色するんだけど知らない?」
「オルト・トリジンは液体でだから扱いやすく、DPDは粉末だから扱いにくいんだけど、国からの通達で『禁止』されている薬品を使う時点で、お話にならない!」
S 「も、申し訳ありません」
あ 「この件を、役所や消費者団体に確認するからナッ!!」(面倒だからする気はありませんが…。)
「それと名刺をよこして、即刻、営業活動を停止して帰れッ!(怒)」
「いつまでも残っていやがったら、不法侵入で警察に突き出すゾ!(怒)解ったか!?」
S 「は、はい! 申し訳ありませんでした」
あ 「はよ、帰れ!」
 
 ※部屋に戻ると、嫁は所用のため外出していました。
 
 ここでダメを押すために、名刺にあったSのお客様相談室へねじ込みました。
 
嬢 「はいSです」
あ 「今日、お宅の営業さんが我が家へ来たんだけど…」(チョイ怒気入り)
嬢 「ありがとうございます、ご用件は何でしょうか?」(まだ状況把握出来ていない様で…。T_T)
あ 「要件ってのは、お宅の営業…、ひいてはお宅ら組織としての営業姿勢について伺いたいんだけど、貴女で大丈夫かい?」
「何なら、もっと話の解る、『責任』のとれる方に代わって貰っても良いけど…」
嬢 「しょ…、少々お待ち下さい」(動揺Mode ON!)
 
K 「もしもし、代わりました、どう言ったご用件でしょうか?」
あ 「お宅の営業さんについてだけど、いいかい?」
K 「はい」(この時点ではまだ余裕でした。)
あ 「私が住んでいる所は社宅で、借り上げではなく社有地だから、入口に看板があると思うけど、ここまでは理解できる?」
K 「はい」
あ 「って事は、その看板には大概、『許可のない営業行為を禁止します。』とあるけど、お宅らのマニュアルはどうなっているか、納得のいくよう答えて下さい」
K 「あ…、な、ないです」
あ 「はぁ!?」
「ないって何?(小怒)看板の内容無視して営業かけろと教育していると理解したがどうだッ!?(中怒)」
K 「決してそのような事は…」
あ 「…って言ってもね、実際に来たわけだし、営業さん曰くうちの大家、つまり会社の許可を取っていないと自白しゾ!!」
「『動かぬ証拠』がある以上、『決してない』と言う理論は破綻している訳だが、それで良いか?」
K 「は、はい…」
あ 「営業の兄ちゃんにも質問したけど、アメリカ軍基地や中国大使館へ何のアポも取らず、『営業』と称して平気で入れるのかい?」
K 「で、できません」
あ 「なら何故入ったの?」
「こちらの都合も考えない営業スタイルだと糾弾されても仕方ないでしょ?」
K 「はい…、ですがこれでは営業自体が出来ません…」
あ 「はぁ!?(怒)お宅何言ってるの?(呆)」
「許可なく社有地に入り込んでいる時点で、刑法に触れるんだけどそれで良いわけ?」
「この程度の事件じゃ、警察が面倒臭がって、立件されないと高をくくってるのかい?」
「だとしたらかなり悪徳業者だねぇ…、お宅」
「ところでさぁ…、今はやりの『コンプライアンス』って言葉知ってる?」
K 「・・・・・・・・」
あ 「何とか言ってみろッ!(苛)」
K 「何とも答えようが…」
あ 「知らねぇのかよ!?、『コンプライアンス』を日本語に直すと、『法令順守』って言葉になるけど、お宅らは“特商法”さえ理解していれば良いとでも思っているなら、あ〜ぁ、お恥ずかしいったらありゃしない…」
「この国は外をただ歩くだけでも法律によって規制されている『法治国家』なんだけど大丈夫かいな…?(呆)」
K 「・・・・・・・・」
 
あ 「それと営業の兄ちゃんが、『水質測定』と称してただの残留塩素の測定をしていたけど、その測定で使用している試薬の名前を言ってみろッ!」
K 「オ、オルト・トリジンです」
あ 「その試薬が数年前に禁止薬物になっているのは知らないの?」(怒)
K 「承知しておりますが、公式な時でなければ使用しても良いと解釈しています」
あ 「はぁッ!?(大怒)貴方、自分が言ってる日本語がちゃんと理解できてないなッ!(大怒)」
「公式にってお宅ら第三者に対して行う『営業行為』が公式でないとでも思ってるなら、つくずくおめでたい連中だ!(中怒)」
「『公式』ってのは対お上ではなく、自分を含めた内輪以外の全ての人達に対してを言うんだけど、そんなことも解らないの?」
K 「・・・・・・・・」
あ 「まさかお宅ら趣味で残留塩素測ってるの?」
「だとしたら、余所様へ来ないで自宅で楽しんで下さいな」≧∇≦
K 「浄水器をお勧めする際のデーターとして…」
あ 「そのデーターこそ公式と言わず何というのか、論理的かつ合理的な説明をして貰いたい!(怒)」
K 「・・・・・・・・」
あ 「また黙りですか?」
K 「レベルが高すぎてついて行けません…」
あ 「をいをい…、貴方の部署はお客様相談窓口でしょ?」
「お客からのあらゆる質問に答えられなくてそーするのッ!?(呆)」
「しかも責任者レベルがこれってのは、大問題じゃないの?」
K 「申し訳ありません…」(最早これが精一杯の回答の様です。>_<)
あ 「電話しながらインターネットで調べたけど、平成12年…、つまり2000年の12月26日付けで当時の厚生省水道環境部長より、各都道府県知事宛に「水道水質に関する基準の制定について」の一部改正について通達があって、残留塩素の測定には、オルトトリジン試薬を使用するオルト・トリジン法が一般に利用されてきたが、今回の通達で平成14年…、つまり2002年4月1日以降は禁止されてるんだけど、これを聞いてまだ使い続ける気かい?」
「そもそも何で禁止になっているのか知っていて、こんなたわけた自分勝手な理屈で使用してるんだい? をぅ!?(大怒)」
K 「・・・・・・・・」(ここまで来るとこの人の知識レベルを遙かに超えている様で、痛々しくも感じますがそのまま容赦なく…。)
あ 「何とか言ってみろってばッ!! をぃ!(中怒)」
K 「申し訳ありません、解りません」
あ 「んぁ!(怒)訳の解らない薬物を使うなど笑止千万!」
「オルト・トリジンが体内に入った時に発ガン性を指摘されているから禁止になっているのッ!!」
「そんなのも知らず、『公式でなければ…。』などと本末転倒な理屈を展開するわけだな!?をぅ!(激怒)」
「ところでオルト・トリジンに代わる試薬は何だか知ってるか?」
K 「・・・・・・・・」
あ 「まぁ、禁止理由も知らねぇ、貴方にはチョイと難しかったかな…、DPD試薬って塩素を検出するとピンク色に変色するんだけど、本当に知らないの?」
K 「それは存じ上げております」
あ 「だったらそっちを使えッ! 解ったかッ!?(怒)」
K 「承知しました」
 
あ 「今回、それを仕事の一部にしているプロの所に来ちゃったのが運の尽きだから、今後はそれを改めて良心的な営業活動をして下さい」
「いい?」
K 「解りました」
あ 「あと、貴方はもう少し…、って言うかこの部署の大将張るなら今より死にもの狂いで努力しなさい! 良いかい?」
K 「はい…、努力します」
あ 「今回お宅らの改善点は2点、社有地や私有地に立ち入る際の手続き方法を確立する事、“特商法”だけでなく“水道法”やその他の法令を熟知し、てめぇ勝手な解釈で営業活動を行わない事、いいな! 解った?」
K 「はい、努力します」
あ 「努力じゃねぇ! この電話を切ったら即刻実行しろッ!」
K 「は、はい…」(絶対やらないと思う…。(寂))
あ 「とにかくお宅らの上部団体の日本生活向上協会に迷惑掛けたくなかったら、それなりの努力をしなさい! 次回から気を付けろよ!」
「じゃあな!」
 
 …、と言って電話を切りました。
 この間約1時間…、フリーダイヤルで大阪に電話をしていましたが、久々にしかも僕の専門分野での事でしたので、実に充実した時間を過ごす事が出来ましたが、相手が勉強不足過ぎて些か物足りないのは否めません。
 もう少し骨のある奴の方が良かったのですが…。(寂)
 ただ“特商法”の作法は出来ていますので、その他の法令に関して理解する努力を怠らななければ真っ当な会社に見えます。

■あんちゃんさんから、8回目の投稿です。本当にいつも力作をありがとうございます!
 
■以前、ブログの方でもあんちゃんさんにコメントをいただきましたが、流石、残留塩素のプロ! 見事なツッコミにほれぼれします。
 
 さて、何かと悪者になってしまう水道水の残留塩素についてですが、水道水に塩素が使われているのには必然性がある、と言う事と、キッチンハイターなんかとは濃度が全然違うから同一視は出来ない、という二点さえしっかりと理解していただいたならば、ヘンな浄水器セールスにひっかかる確立がぐんっと減ること間違いなしです。
 詳しくは「水道水の水質検査?」をご覧ください。
 
 特に、化学に疎いと
「濃度が違っても、同じ次亜塩素酸ナトリウムなんだったら、やっぱり水道水をそのまま飲むってことは、キッチンハイターを飲んでいるのと変わりないんじゃないの?!」
 なんて考えてしまいがちですが、醤油の一気飲みよりも良い例えを見つけたので、ここでもご紹介いたしましょう。
 以下に「化学物質安全データシート」(多摩化学工業株式会社)から、ある物質についての記述を一部引用します。

 濃厚な液に触れると重い火傷を起こす。希薄溶液でも繰り返し接触すると、皮膚を侵す。高濃度の蒸気は、粘膜を侵し、結膜炎、気管支炎を起こす。眼に入ると危険である。蒸気を長時間吸入すると歯牙酸食を起こす。

 ・・・なんか物凄く怖い薬品のようですが、実はコレ、酢酸(お酢の原液)の説明なんです。
 酢酸は怖いですよ〜。皮膚にかかってしまったら、すぐに中和しないと真皮までズルムケですからね・・・(実話 by 青依夏三先輩)。そんなものを飲んだ日にゃ一体どうなる事やら、恐ろしくて想像も出来ません。
 では、純度約5%の酢酸、つまりフツーのお酢を飲むのは危険でしょうか。濃度が違うだけで、酢酸と同じ化学式の物質ですが・・・全然危険じゃないでしょう?
 
■それにしても、発がん性まで指摘されている禁止薬品を使うというのは、いただけませんね・・・。
 水質検査とやらで、試薬がピンクじゃなくって黄色だったら、Let's ツッコミ!
 よし、憶えたぞ(笑)。ウチにも来ないかな♪

(2006.5.25)