4月18日


ボストンマラソン前日、午前練習
(ボストン、米マサチューセッツ州)

 レースを翌日に控え、有森裕子(32歳=リクルート)は、18日午前6時半からレース前最後の朝練習に臨んだ。約1時間のジョッグだったが、最後はスピードを上げて終了。すべての準備が順調に完了した。
 また、前日夜には、岡山から駆けつけた両親と、夫のガブリエル氏と水入らずで会食し、リラックスしたひとときを過ごしていた。18日は大会主催者の行事はなし。レース当日の天気予報は、晴れ、気温は最低が8度、最高が13度、風は北西で風速2メートルから4メートル。予報通り北西の追い風になれば、片道コースのため好記録が見込まれるが、向かい風になれば、記録が落ちる分だけ、有森たちのように粘るレース展開をするランナーに勝機がある。

「こちらも順調、ロバ」

 3年連続優勝を狙うロバは、会見以外、すべての公式行事を欠席して集中している。18日、練習を終えた後に話を聞いた。
――調子はどうですか
「3回の中でも良い方だと思う。今回は、3連覇がかかる特別なレースだ(達成されれば94から96年のピッピヒ(ドイツ)以来」
――どんなレース展開になるでしょう
「私も知りたい(笑い)。いずれにしても、よほど暑いとか、よほど強風、でなければ天候などにはあまり左右されない。コースはよく知っているので不安もないし、自分のレースを貫きたい」
――有森との再戦ですが。
「会見では、彼女もいい仕上げをしているように見えた。3年ぶりとは時間の経過は速いが、いいレースをしたいと思う」

 当日は、男女混合レースのため、女子の情報は入りにくく、日本のような速報システムもないのですが、スタジアムでは、なるべくレースの状況を入れようと計画しております。

第103回ボストンマラソン大会ガイド

スタート 4月19日ボストン正午(日本時間20日、午前1時)
コース ボストン郊外ホプキントンスタート、ボストン市内コプレースクエアゴール、片道42.195キロ
標高とコースの特徴 スタート地点が最も高く海抜150メートル。そこから下り続け、30キロ手前から坂道を登る通称「心臓破りの丘」がある。実際には、心臓破りではなく、スタート地点からそこまで続く長い下りで、モモの筋肉が疲労し切ってしまい、足がまったく動かなくなることが原因の「死の下り坂」などとも言われる。この丘をどれくらいの余裕を持って越えられるかがカギとなる。ちなみに87年、瀬古利彦(現在ヱスビー食品監督)がボストンを制した際には、この丘で勝負をかけライバルを置き去りにする横綱レース(?)で、世界No.1の実力を示した。
部門 男女エリートクラス、
男女車椅子
男女マスターズ(40歳以上)
コース記録 男子はナディ(ケニア)の2時間7分15秒。女子はピッピヒ(ドイツ)の2時間21分45秒。
過去の日本人優勝 女子では日本国籍の選手の優勝はないが、日系米国人のゴーマン美智子さんが1974年と77年に優勝をしている。男子では、81年と87年に2度優勝を果たした瀬古利彦ら6人の日本人チャンピオンがいる。
賞金 男女とも同一金額で、1位は8万ドル、2位は4万ドル、3位が2万2500ドルで、以下15位の1500ドルまで。

主な女子選手

No.
名前
年齢
国籍
自己最高タイム
1
Fatuma Roba
27
エチオピア
2時間23分21秒
2
Renata Paradowska
28
ポーランド
2時間27分17秒
3
Anuta Catuna
30
ルーマニア
2時間28分18秒
4
Colleen DeReuck
35
南アフリカ
2時間26分35秒
5
Franca Fiacconi
33
イタリア
2時間25分17秒
6
Yuko Arimori
32
日本
2時間28分01秒
7
Franziska Rochat-Moser
32
スイス
2時間27分44秒
9
Lynn Jennings
38
アメリカ
11
Sun Yingjie
20
中国
2時間25分45秒
12
Ai Dongmei
21
中国
2時間27分30秒

※アメリカのリン・ジェニングスは今回がマラソンの公式大会デビュー戦

☆Special Column☆

BEFORE
HOME