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日本陸連強化専任委員会
「世界一の物を食べろ、ケチケチするな」 お互いがライバルであり、しかも一緒に五輪出場を争った監督、コーチ陣を前に小出監督が講演を行なうこと自体、ユニークな試みであったはずだ。まして、1月28日の大阪国際女子マラソンで2時間23分11秒の初マラソン最高をマークした渋井陽子(三井海上)を指導する、鈴木秀夫監督にいたっては、小出監督の教え子。「(鈴木監督の)顔を見たら、話せなくなっちゃったよ」と、小出監督も照れくさそうだったが、話のほうは絶好調のまま1時間と少しを快走した。 高橋のためにボルダ-に一軒家を購入。佐倉の自宅を担保にいれて銀行から借金した話をあらためて披露したが、「本が売れて、印税が入って、おかげさまで返済できました」と頭を下げると、会場からは拍手と爆笑が湧き起こった。 「もちろん、たくさんの油(体脂肪)持っては走れない。けれども、練習の基本は食べること。高橋は大食いだが、あの強い内臓があったから練習も踏めたし、最後までばてなかった。女の子に食べるな、というのは無理な話で、食べろ、と言わなくてはならない。それから体を絞るのは、指導する側の課題だ。世界で一番いいもの、おいしいものをシドニー前の高橋には食べさせた」 高橋の大食いは有名で、練習を休んでいる間に7キロほど太る。しかし、それが何よりの休養になるのも事実で、太った高橋を揶揄する報道も出始めているが、過酷なまでの練習で絞ることを前提とするとき、いかに無駄な肉をつけておくかは重要である。 高校生の長距離選手も、シドニー五輪での女子マラソンの活躍によって飛躍的に伸びている。しかし一方では、極端に体重を減らす学校もあり、30キロ台の選手も多い。また実業団でも摂食障害を抱えるきっかけになるケースもある。高校駅伝が最終目標なら問題はないが、食べないことは強くなることとは対極にあることを、高橋、小出監督はもっと啓蒙してもいいのかもしれない。 東京ヴェルディ1969お披露目パーティ ホームスタジアムを東京都武蔵野スタジアムに移転した東京ヴェルディ1969のお披露目パーティが約600人もの招待客を集めて盛大に開かれ、移籍してきた三浦淳宏や小倉隆史、前園真聖らも揃って出席。ここ数年、縮小しながら財政を立て直して来ただけに、久々に「ヴェルディらしい」華やかな雰囲気は漂っていた。 「並みで終わりたくない」 サッカー選手にもっとも求められる素質とは、何だろうか。 三浦は、今年の高校選手権でも優勝した国見高校出身で、小嶺監督の教え子である。監督は以前「私が指導した中でももっとも真面目で真摯な選手」と話していたが、今回の決断にもこうした面がうかがえる。 ある一定のレベルを超えたプロサッカー選手にとって肉体的なパフォーマンスと同じように重要な素質とは何であろう。 ●三浦淳宏 |