「クワガタもちょっと工夫でこのうまさ」
Kids

1.はじめに

 私がクワガタを飼育するようになってようやく2年目を迎えます。言っちゃぁなんですけど...ずぶの素人です。 だからこそ(?)失敗も多く、その過程で生まれた疑問の数も半端ではありませんでした。そうした疑問は先人たちのアドバイスにより解決したものもあれば、人によってまちまちで結論づけることができないものなど多種多様です。

 飼育初年度で経験した”うわぁ、やってもうたぁ〜”な出来事を紹介し、またその時、発生した疑問に対する答えというか、そのようなものをまとめていくことで、これからクワガタを飼育してみようとお考えの方への道標となれば幸いです。

 但し、あくまでもKidsが経験し思ったことを徒然なるままに記述していったものに過ぎませんので、決して強制するつもりもありません。私の反省ノートのような物です...誤解のないように。では、頑張っていきましょう!...(^_^)/

2.クワ貧を考える

 この世界に迷い込んだ者が一度は認識させられるであろう”クワ貧”...
まずクワガタのブリーディングを楽しむためには下記(1)〜(7)が最低限必要になってきます。ここでは成虫から飼育を始め、幼虫はマット飼育するものとして....

  (1) クワガタ成虫ペア  
  (2) プラケース  
  (3) 埋め込みマット  
  (4) 産卵木  2本
  (5) 餌ゼリー  30個程度(60g)
  (6) 幼虫用マット  30L程度
  (7) 幼虫飼育ビン(大・小)  20〜30本

成虫ペアの数だけ(2)〜(7)必要となるわけです。大したこと無さそうに思えますよねぇ...これだけだと。

産卵木は多い程、産卵数が増えるし、1カ月毎に取り替えた方がせっかくの卵をメスに潰されることも避けられるのかぁ。じゃっ、いっぱい買っとこぉ〜っと。餌には高蛋白なものを...うんうん、ちょっと高いけどこのゼリーにしよう!幼虫用マットは通常、1〜2回交換するのかぁ。フムフム、50Lにしとくか!マットには添加剤を入れるものなのぉ?なるほど。何なにぃ〜、菌糸ビンを使うと幼虫が大きくなるってぇ?幼虫の体重測定用のはかりも欲しいなぁ。冬場は温度管理した方が良いのかぁ...こんなのも飼ってみたいし、あれなんかもかっこいいなぁ〜

少しでも経営破綻を回避できるように工夫しましょうね。(^^;

3.クワガタのペアをGETする (成虫or幼虫?)

 クワガタの飼育を始めるには、幼虫の形で手に入れることもできますが、それが成虫になり、ペアリング可能となるには羽化後、オスで2カ月、メスで6カ月を要します。業者の中には、羽化後、何年も経過した成虫でも販売しているところもあるそうですし、価格的にも割安になっていますので、気を長くもてる方は幼虫から始めるのがよいでしょう。もちろん、飼育過程で”★”になる危険もあります...(T_T)

 私ことKidsは成虫から楽しみ、懐に余裕があれば幼虫飼育も並行するのがベストだと考え、そうしました。
 さて、成虫の入手方法ですが、”採る,買う,もらう,交換する”の4通りが考えられます。どれでも自由に選択して下されば結構です。”買う”を選択すると確実に入手することができますが、ちょいとばかり注意が必要です。

 以後、初心者向け(?)にオオクワガタを飼育するという前提でお話を進めていきたいと思います。

4.オオクワガタの成虫を買う

 信頼できる業者を選び、羽化時期などの確認を忘れないようにしましょう!様々な大きさのものが用意されておりますので、予算と目的に応じたものを買うことが大切です。

 あなたがオオクワガタを飼育する目的は何でしょうか?

 先日、送付されてきたある有名な業者さんの価格表によると、オス70ミリが1万円、メス45ミリが5千円と、随分、お求め易くなっています。ちなみに、同じ予算で考えるならオス60ミリ&メス40ミリが3ペア買えます。さぁ、あなたはどちらを選択されますか?

 75ミリオーバーのような...とにかく大型な個体の作出が目的なら、やっぱり種親として用いるのは前者のような大型のもの1ペアが良いと思います。よく耳にする遺伝やら血統というものが重要であると言っているつもりはありません。
では何故そんなことを言うのか?それは...

・天才バカボンのおまわりさんなのだ!
 しみじみ言わせてもらうと...「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」というがそんなに容易いものではないです。幼虫飼育数が増えると(マメな方は別として)私のように、ずぼらな人間は結局、手(及びお金)が回らなくなり、小型個体のオン パレードになりかねません。私は100以上になるとちょっとぉ...(^^;

・部下がやったことです...では済まないのでR!
基本的に私はオス60ミリ&メス40ミリを1ペアで充分だと思ってますが、小さい種親を使って大型個体ができなかったら”やっぱ親は重要やねんなぁ〜”と考えてしまいがちです。ところがオス70ミリ&メス45ミリの親から、小型の個体ばかりが羽化してしまったらどうでしょう...一般に噂されている大型化を妨げる要素は徹底的に排除してみることも一つのやり方だと思います。メスがオスを食べちゃうなんていう最悪の事態には気を付けましょう...(^^;

5.Kidsはこうする!

 我が家には今年ブリーディングに使用できるオオクワガタが何ペアかいます。これだけ全てをそれなりに飼育しようとすれば”うわぁ、やってもうたぁ〜。幼虫1頭当たりにかけられる費用が少なすぎるよぉ〜”になりかねません。そこで産卵木を入れ、餌換えをするだけで”(企画中の)産卵木里子”の実現に向けて尽力してもらうものに大半をまわし、実際に幼虫飼育(大型個体作出)するための種親としては、ヒラヤマ菌糸ビンで去年の夏に羽化した60ミリちょっとのオスと、ネットで知り合ったGeorge Hさんからの里子である40ミリちょっとのメス2頭にしようと思います。

 以下の理由から、Kidsはこうします...

  • 馬券でも的中しない限り...今更、でかいオオクワガタを購入する余裕はない。
  • 新成虫は産卵数が少ないので...1オス2メス体制で、20〜30幼虫を予定。
  • 昨シーズンは飼育方法が悪かったのだということを充分、承知している。
  • 忍者の修業の精神でござる...親以上の大きさのが作出できれば満足なのだぁ!

 70mmオーバーとか目指しているのに、もっと大きい親じゃなくて大丈夫かなぁと思われる方もいらっしゃるでしょう。実のところはどうなんでしょうね?気になる方は下記した4人の勇者の名前(敬称略)をクリックしてみましょう!小さい親から大きいのを羽化させるのも醍醐味の一つですよ。...*^_^*)

 【疑問】大型個体の作出において、種親の形質はどれくらい重要なのか?

    本誌初代編集長k−sugano氏の回答

    「クワガタムシ飼育のスーパーテクニック」の小島啓史氏の回答

    菌糸ビン飼育に熱心なテキサス氏の回答

    ロイヤルゼリー添加飼育のモーリー氏の回答

6.シーズンオフにやっておくと良いこと

 私はくわ飼育を始めて痛感することは、信頼のおける業者さんを見つけ、常連さんになることの重要さです。常連さんになれば良いものを手に入れることも可能になるかもしれませんからね。粗悪品は即ムダにつながります。

(1) 幼虫飼育ビンは今のうちに拾い集めておきましょう !  ...特に1〜2齢のための容器はプチカップ(1つ10円)でも代用可能ですが、幼虫が落ち着けるようマットを堅く詰めることを考えればガラスビンの方が良いと思います。 250ccのマヨビン1本100円程度で購入することもでき  ますが、ワンカップ酒の空き瓶を拾い集めれば少しは経費節減が可能です。酒  屋さんにもらえるよう声をかけておけば場所によっては1日で必要量を入手することも可能です。 メスならこのビンでもいけるという話もあります...
(2) 産卵木を通販で買うならいまのうちがベスト!  ...通販で買うと当たり外れがあるのでなるべく自分の目で見て購入した方が良  いです。産卵数に直接、関係してきますし、生まれてしばらくはこれが餌になるわけですから良質なものを選んであげましょう。 シーズン中はどうしても材関係は不足がちですので人よりちょっと早めの購入をお奨めします...
(3) 予算も含めた緻密な計画を立てておくとムダが省けます!  ...幼虫を割り出してからマットを発酵するのでは遅いですし、餌を買わないといけないのに予算がない。げっ、ビンなんか用意してないよぉ〜。 こういうことがないように効率よく飼育を楽しみましょう!...

7.結び

 初心者というのは”不安である、失敗したくない”という理由から色々なことを質問してしまいがちであり、私自身そうでした。質問される方はたまったもんじゃないのでしょうが、分からないことがあればどんどん尋ねるべきだと思うし私に分かることであれば、お答えします。  ただ、誰それがこういうやり方で実績があるからその通りやってみようというのでは芸がないし、楽しみも半減します。失敗を恐れていては何も発見することはできません。各個人が目的に合わせ、自分なり(自分オリジナルの)飼育方法を編み出すことにこそ、この世界の醍醐味であると信じます。

 最後に、今回、この原稿を書くに当たり、様々な方より貴重なご意見・アドバイスを賜ることができ、大変感謝しています。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。どうも有り難うございました!

(...5月号くらいに出没するかもよ)



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