次は、菌糸瓶飼育に熱心なテキサスさんです。
早速ですが、種親のサイズは大型個体作出の上で重要かについてお話を伺いた いのですが。血統や遺伝ということについてはいかがお考えですか?

...私は特に♀の大きさによって作出サイズに影響するとは、全く思っておりません。(卵の量は影響があるのかもしれませんが)むしろ、遺伝を受けるの は♂の方のサイズでは無いでしょうか?

と言いますと?

...以前、私の管理ミスで異種間(本土ヒラタ♀とサキシマヒラタ♂)の交配で作出 されたケースですと、オスの遺伝子の方が強く出ているように思うのです。アゴの部分・ 形についても、明らかに親のモノが遺伝しているのが良く出ています。... もっとも、♀の区別なんか全くつきませんが、、、、。

オオクワガタにおいても同じことが言えそうですか?種親のサイズは重要であ ると?

...オオクワガタの大型化という観点のみでお話しすれば、72mm迄でしたら 親が♂60mmチョットでもOKでした。しかし、ギネス級を狙うのならば 最低70mm以上が必要かな?と思います。巨大幼虫NO.1&2が羽化すれば大体の目安が解ります。...

っと、テキサスさん宅の巨大幼虫の親は♂60mmチョットなのですね。

...親はいずれも形の良いアゴ♂63mm,♀38mmです。...

現在、何頭の幼虫を飼育されてるのでしょう?

...えーっとガラス菌糸軍団が7頭、ボトル菌糸軍団が10頭、 材軍団が7頭、マット軍団が5頭以上、オオクワのみの数です。(里子の10頭を含みます。)

少数精鋭という感じですね。私も昨シーズンのように何十頭も小さいのばかり 育ててる場合じゃないですなぁ...(^^; それらの幼虫は全て順調に育っていますか?現在の状況を教えて下さい。

...現在NO.3&4が蛹の状態で、ここ2週間以内で羽化すると思います。今 暫くお待ちください。
NO.3の蛹は、大きさから判断致しまして70mm以上は確実に出ると思います。期待のNO.1&2に関しては非常に楽しみです。NO.2は現在前蛹状態で、あと2日以内には蛹化致します。
 もし75mm以上が作出できれば、 まさに上記内容のウラ付けが取れるからです。もっと突っ込むと、75mm前後の作出も十分に可能であると言えるのでは無いでしょうか?
この75mm以上の作出というのが一つの壁だと思っております。
... 75mm以上というのはプロの方でも100頭以上に1頭位しか出ないと 聞いております。 益々、75mm以上の作出にチャレンジしたくなります。.

ぶっちゃけた話が親は大型化において別に重要ではないと?

...たとえ55mm前後の♂であったとしても、70mmまでは簡単に作出でき るものと考えております。 ただし飼育方法は、菌糸ビンでの話です。...

テキサスさんは菌糸ビンを利用して大型化を目指されているようですが、その 利用方法なんかに秘訣があるのではありませんか?

...参考までに、菌糸ビン飼育における大型個体作出の5ヶ条をあげて見ます。
菌糸ビン飼育を選択したのは、短期間で大型の個体が作出できるからです。 アゴが胴体との比率で少し短いものも出ますが、全てではないと思います。 今年飼育した個体は全て、1年1化以内です。(10ヶ月位かな?)
1)初令から菌糸ビンに投入する。
2)大菌糸ビンの交換時期をシッカリと見極める。ココは重要なポイント(目安は3− 4本)
3)温度管理を確実に行う。ココも重要なポイント
4)より大型個体を狙うなら、なるべく菌糸飼育で作出した親を使う。 但し、菌糸で育った親ばかりでの累代飼育はお勧めできません。 天然のF1,F2を使うと良いの結果を得られると聞いております。  最初から菌糸攻撃で栄養価の高いものばかり与え続けると、幼虫自体の  機能低下が発生してくる可能性があるそうです。 元来、幼虫は自分でバクテリアを分解し、栄養を体内に取り込む機能が  ありますが、この機能を低下させてしまう恐れも十分あると言うことです。  人間もカロリーメイトとか、栄養食品(薬)ばかり飲んでいても、決して大きく成長は見込めないのではないか?という観点からの発想です。
5)個人的な意見ですが死亡率を少なく、かつ、簡単に72mm位迄を作出するのなら、ズバリ、某Hオオクワ製の菌糸ビンが良いでしょう!(最大のポイント)特に夏場の管理面で他の菌糸ボトルと比べ、大きく品質の差が出ます。
 菌糸ビンは高いというイメージがありますが、結局南局ボトルの品質が悪く、 何回も交換する事を考えますと、トータルでそんなに大きくは変わりません。実際に私がボトルとビンとで掛かっている費用に大差は出てません。
 私なりの考えですが、出てきた個体が不細工作品だと、結局つぎ込んだお金は無駄?になると思えてしまいます。  ボトルも大分改善されて良くはなっておりますが、入れ物の絶対的な品質の違いはどうしようもありません。.

私も温度管理の重要性は感じさせられましたよ。

...夏場は必ず25℃以下で管理が必要です。冬場については特に必要無いですが、幼虫の状態によっては、早く羽化させる必要も出てきます。
 冬場(12月−2月)の時点で終令の状態であれば環境設定を20℃以上にして、早く羽化できる環境を整える事が重要です。
 この点は、0.5mmでも大きな個体作出のコツだと思っております。 ダラダラと暖かくなるまで待っていても、幼虫にとって決して良いとは思えませ ん。寧ろ、幼虫は段々と縮んでくるように思えます。....

なるほど、菌糸瓶も奥が深いですね...(^^; 本日はお忙しい中、貴重なご意見を賜り、誠に有り難うございました。



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