疑問:大型個体の作出において、種親の形質はどれくらい重要なのか?


k−suganoの回答

大型個体を羽化させることにおいて、種親の形質はまったく重要でない

 オオクワガタの大型個体も小型個体も、もってる遺伝子は同じだと思います。
もしそうでなければ、オオクワの誕生から長い年月を経た現在、自然界では大型個体だけ生れるオオクワと小型個体だけ生れるオオクワの2系統、あるいはどちらか片方の1系統だけとなってる筈ですが、現実にはそのような事はありません。
 大型個体と小型個体に別れるのは、産卵時期、穿孔した材の状態、温度など材の環境、また同じ材中の個体密度などの広い意味での環境にのみ支配されていると思います。

 ということで、種親の形質などどうでもよろしい。幼虫がでかくなる環境を整えるのが肝要です。

 遺伝子が同じなのはわかった。では大型個体の作出(いつのころからかクワガタ関係ではこの「作出」という言葉が頻繁に使われているが、こんな言葉はホントはないってことを覚えていてね。「科学する心」なる言葉もホントは間違った用法だよ)に、親が全く関係しないかというとそうでもありません。

 「何をいってるんだ!矛盾してるぞ!」と怒りの声を発する方もいらっしゃるでしょうが、それは母親の産む卵の大きさです。

 充分餌を与えられた大型♀が産卵期間中の前半に産む卵は大きい傾向があります。初令幼虫の頭の幅は卵の大きさにほぼ連動していますから、遺伝子は同じでも出発点ですでに大きいものは有利です。しかしこれも有利なスタートを切ったというだけで、幼虫時代の生育環境が劣悪であれば、小型♀が産んだ通常の環境で育ったものに結果は劣ります。(人間と同じですな(^^;;)
現に30mmほどのチビ♀が産んだわたしの累代飼育F1の♂は71mmでした。

 ふーむ・・・

 話は変わりますが、人は何かにすがって生きているものですから、とりあえず何かすがるモノが欲しいわけです。それが「哲学」とか「宗教」とか「会社」とか「学歴」とか・・・・いっぱいありますねえ・・・(^^;;

 クワガタ飼育も同様で、自分でとにかくいろいろやってみようというよりは、「月刊むし」とか「小島さん」とか「まちかねBBS」とかで書かれていることにすがっている人が多く、これはこれで追試をするということでは意味はありますが、画期的な発見というのはそうそう期待はできません・・・・

 などと言ってると終わらなくなるし、なんらかの指針を期待されているのでしょうから、ひとつ「教祖」になったつもりで云えば、

    種親♂は60mm程度を使うべし!
    (このサイズだと寿命が長く、購入しても安価)
    種親♀は42mm程度を使うべし!
    (卵も小さくなくて産む数もそこそこ多い)
    逆に45mm以上の♀は使っていけない!
    (凶暴である(- -;) ♂が殺されることも多い。また値段も高い)

と断定的に云っておこう(^^)


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