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三井の、なんのたしにもならないお話 その五十一

(2018.08オリジナル作成)



 
 アナログからデジタルへ −保存の空しい努力 


1.アナログメディアの堆積と保存

 「過去の遺物」(遺産とも言えない)の始末整理ばかりでは、なんのための余生かともなりますが、気にはなるし、始めたらきりなくあるし、おまけに存在が危なくなったものも少なくないので、なんとかしないと、です。まあそんな「保存努力」などしたって、私がこの世からいなくなれば、すべてゴミとして始末されるのが見えているのですが。
 
 そのうち、ビデオテープはかなり保存しました。基本、DVDに変換して焼き付け保存です。既に記したように、まだ「ビデオ・DVD」ないし「ビデオ・BD」HDDレコーダーがあるので、これを活用できます。ただ、それにNTSCとPALなどのTV方式の違いが絡むので、結構やっかいでもあるのですが、既述のように、日立F90と、パナDMR-EH59というマルチデッキ+PALレコーダーの組み合わせで、なんとかしております。
 
 同じテープでも、オーディオもの、特に私が身の程知らずに備えたオープンリールテープのものは、これも40年選手でもっているアカイGX630Dで再生、それを近年買ったTEACのCD-RW690というCD-RレコーダーでCDに保存するという流れです。このCD-Rレコーダーは結構使えます。いろいろ制約もあるのですが。
 
 問題はカセットテープです。オーディオでも、ビデオでもテープはダメ、保存性がなく劣化激しい、またテープの切れ(特にテープ端)、回転不良などもよく起こる、そうなれば、諦めるか、このようにデジタル化して、CDにでも保存するしかありません。そうでなくったって、これらの録音録画機器自体がなくなりつつあるんですから、どうにもなりません。ビデオテープは場所も取りましたし。
 ところが、カセットテープではえらいことが頻発し出しました。これも既に記したのですが、テープが回らなくなるのです。古いもの、欧州で買ったものにおこりがちです。カセットテープは小さいのが取り柄でもあったので、分解修理をする気もおこりません。
 
 それをなんとかなだめなだめ、ともかく再生できるのを回し、CD-Rに移しております。自分で記録したカセットテープは、大部分がなにかの会合や訪問調査の際の記録なので、本来いちばん保存が問われるのかも知れませんが、もう既に保存期間終了ものだろうと、ほぼ諦めております。だから、こうしてなんとかCDで保存しているのも、主には買ったミュージックテープです。二度と聞けなくなるのも惜しいですから。

 
 なお、アナログディスクレコードをデジタル化保存はしません。その音自体に価値があると思われるからで、それでレコードプレーヤーまで買いました



 
2.やっかいなのはビデオ映像

 このようにオーディオ関係でもビデオ関係でも、主にはデジタル化し、CDやDVDで保存するという流れです。保存性がいい、簡単に再生できる、そして場所を取らない、整理しやすい、等々の利点があります。もとがアナログなら、それ以上のクオリティになるわけはないので、あくまでそうした利点のためです。もちろんデジタル化といえば、ほかの保存や利用方法もあります。私のカセットレコーダー・CDプレーヤーのAD-800というのは、USBメモリにMP3で録音再生できるのも売りで、それで私も手持ちのデジタルオーディオプレーヤーにかなり入れてありますが、音源として保存するには向いていません。MP3にすれば本当に僅かのスペース(物理的にも情報的にも)しかとらず、そこは便利であるものの、整理や保存にはまったく向いてないですね。まあ、アナログ世代の「ライブラリ」の発想をもう捨て、あらゆる情報は、音楽だろうが、画像や映画だろうが、書籍だろうが、すべて消耗品と見るべき時代なのかも知れませんが。
 
 
 さてそれで、ようやく今回のメインです。テープでも、ビデオカメラで撮った映像ものの保存です。ビデオカメラの記録媒体も、ついこの間までテープでした。いまはすべて、デジタル動画をSDメモリカードに保存する方式になってしまい、テープは絶滅しました。結果的にはその方がいろいろ好都合であり、なによりそれでビデオカメラは極小化する、あるいはデジカメやスマホの一部の機能になってしまうという事態です。世の中の変化はすさまじいものです。そして、この保存や編集等からいえば、正直デジタルデータでSDカード記録の方が扱いは楽なのです。いまのBDレコーダーにはSDカードスロットがあり、PCはもちろんです。それにデジタルデータの方が加工もしやすいのです。終わりは、BDやDVDにして整理保存すれば宜しい。パナやソニーのAVCHD方式というのはちょっと扱いやっかいでもありますが、なんとかいじることはできるし、パナのBDレコーダーなら、そのままBDに記録保存できますから。
 
 ところが、私のようなものには、アナログ時代のビデオカメラから始まっています。その映像記録のテープをどうする?ということです。21世紀に入るまで、10年以上はVHS-Cカメラを使っていました、私は映像を撮り、いじるという趣味もないし、その手間が大変なことも知っているので、撮ったのは主に、会合、調査見学などの記録です。まあ、どっかに旅行したときのもあります。ですから保存へのこだわりもあまりありませんが、ともかくテープである以上劣化やトラブルは避けられないし、これも再生できるビデオデッキ自体がなくなりつつあります(撮ったVHS-Cビデオカメラは2台とも壊れ、捨てました)。VHS-CはVHSと同じテープを小さなカートリッジケースに入れてあるので、アダプタに入れるとVHSテープと同じに使え、これでかなり、必要なものはHDに入れ、DVDやBDで保存しております。ビデオカメラのVHS-Cテープの多くはsVHS方式なのですが、VHSノーマルと互換性はあるうえ、sVHS再生のできるビデオデッキをいまだ一台持っております。

 
 問題はそのあとの、DVテープの時代です。これも結局のべ10年くらいのことで、短命でした。デジタルの映像データをテープにデジタル記録するという発想が中途半端だったのでしょう。DV規格というので、これもVHS同様にフルサイズとミニカートリッジというのがつくられたようですが、ビデオカメラ撮影用にもっぱらmiinDVというのが提供され、フルサイズはさっぱり普及しなかったようです。それで、私は第二代目としてこのminiDV使用のビデオカメラを買い、10年使っておりました。パナのNV-GS200というのでした。3CCDで、手ぶれ防止もフルに効くという、使っていて損な思いのないカメラでした。携帯するにあまり嵩張りませんし。他方で、miniDVなどのDVテープはそれでも「業務用」にはかなり普及し、現在も使用されているようです。ただ、一般向きじゃないのは、miniDVテープを再生できるビデオデッキというのがほとんど世に出なかったことでした。多くの人は、撮ったら撮りっきりか、ひとに見せるのは写真店や専門家に頼んで作ってもらっていたのかな。 (ちなみに、英国映画Love Actually の中では結婚披露宴のもようを撮ったビデオというのが重要な役割になりますが、見たところ片手持ちのVHS-Cカメラのようだったし、それであの写りはやり過ぎでしょう。編集の腕前も相当でしたが、そちらは登場人物自身のプロの仕事であった想定でしたが。)

 まだ10年あまりですから、テープの劣化はそれほどでもないのですが、ともかく保存だけでなく再生にもこれは不便です。誠に中途半端な規格になりました。あっという間にDVDやBDの時代、テレビもデジタル放送に移行し、「デジタルのビデオテープ」というのはなかば宙に浮きました。ビデオカメラは撮影用に特化したものですから、これで再生しようにも面倒なだけです。編集も困難です。
 
 ところが私はあまり焦らなかったのは、秘密兵器があったのです。JVCのSR-DVM70という、「miniDV・HDD一体型DVDビデオレコーダー」という機器で2006年発売、要するにminiDVをそのまま入れて再生できるだけじゃなく、HDに、さらにDVDにコピーできるという優れものです。これには「業務用」とついている位なので、操作もかなりやっかいなのですが、値段もかなりです。しかし、これを備えたのはいまにして正解でした。これで、miniDVテープ記録の映像をコピーし、また編集できます。いまもせっせとやっております。ただ、その度に説明書をひっくり返さないといけません。アマチュア向きではないのでしょう。

 

 これで一件落着としたいのですが、ちょっとしたへまをやりました。miniDVテープでかなり会議記録や取材、旅行など撮っていたら、DVテープへのHDV記録規格というのが世に現れたのです。同じテープですがハイビジョン画面で、16:9サイズ、1080本走査線での記録となっています。デジタルですから、そうした規格を乗せるのも容易だったのでしょう。
 しかしこれは完全に見送るべきでした、慌てて乗るものではありませんでした。その後に、デジタルメディアとしてのフラッシュメモリにフルハイビジョン映像を記録する時代が怒濤のようにやってきたのです。この過渡期にはそのほかいろいろ出た、ミニDVDディスクを入れてブン回し、それに記録するとか、HDDが入っているとか、そういったさまざまな「工夫」はあっという間に見捨てられました。そして、HDVもその類でした。
 しかしそのへん私には先見の明がなく、キャノンのiVIS HV30というHDVビデオカメラを買ってしまったのです。まあ、かなりの投げ売り状態でしたから。
 

 結局、これで撮ったのは実質3年足らず、テープも10本あまりしかありません。私の手元でも、すぐにSDメモリ使用のビデオカメラに取って代わられてしまったのです。
 
 
 ともあれ、たとえ10本でも、この撮影mini DVテープから保存や配布用のBDやDVDをつくるとなると、困りました。先のSR-DVM70というのは、このHDVテープはまったく再生してくれません。当たり前ですが、なにも写りません。そうなると、HDVを再生できるのは撮ったHV30だけに限られます。
 そこで、HV30と外部機器をつなぐ、それにiLINK(IEEE1394)を用いるという選択肢になります。せっかくのハイビジョンのデジタル画像信号をRGBでアナログで送信なんて、なんにもなりません。HDMI出力もあって、これでハイビジョンで外部画像を直接写せますが、HDMIではコピーができません。また、古典的なD端子もありますが、これはアナログです。というわけで、iLINKでデジタル出力となるものの、その設定がなかなかやっかいです。それでも、試行錯誤のうえに、ハイビジョンデジタル映像をコピー保存できました。


 iLINKはデジタルでの映像信号のやりとりに適しているとされたのですが、それも一時のことで、ともかくSDなどフラッシュメモリだ、wifiだという圧倒的な世の流れ、画像や映像は誰でも撮れ、誰でもどこにでもすぐに送れるという時代になり、「保存」などという言葉自体が死語になろうとしています。そういう中で、「過去」をとどめた映像や音声をなんとか残そうという、誠に時代の逆を向いた、空しさ限りない努力ですが。でもそれで、時代の先端のSNSに、20年も30年も前の動画を送ったりしているんですよ。その蔭には、それなりの努力とノウハウ蓄積応用もあるのですけど。




おまけ 余計なものに手を出すとやけどする

 SDメモリの時代は、画期的でもあります。ともかく大きなテープなど要らない、それを動かすメカも一切要らない、従って電池消費も少ない、等々で、それでビデオカメラというコンセプト自体が変わってしまいました。一方ではおでこや腕につけられるウェラブルカメラ・アクションカメラになり、あるいはドライブレコーダーのように、どこにでも設置でき、常時記録できるものとなり、等々です。また、ほぼすべてのデジカメは動画撮影機能を当たり前のように持つようになり、他方でそもそも「カメラ」などと構える意味も無くなって、スマホの一機能に吸収され、それで十分に撮れるとあれば、古典的な「ビデオカメラ」はいよいよ絶滅の危機です。

 メーカーも困っているかと思います。もう運動会用にしかビデオカメラは売れません。それでも、時代遅れの私はおつきあいして、SDメモリカード使用のビデオカメラを買っておりますし、それを必要な際には持ちだして参りました。会合や講義の記録用などとして。


 しかしまた、ともかくSDカードはいまや必携の共用メディアインフラになりつつあります。スマホも基本これを内蔵しています。だから便利なことは間違いありません。デジタルデータはコピー自由です。私のいま使っているビデオカメラはパナソニック製なので、SDへの記録はAVCHD方式で、そのままパナ製のBDレコーダーデッキに装着でき、ワンタッチでHDやBDに映像転送ができます。なんの手間も作業手順も要りません(それで万歳というわけにいかなくなったのは、テレビ放送はじめ、こうした映像記録や処理のメインでもあった、パナのDMR-BRT560というBDレコーダーの、SDスロットがおかしくなっちゃったのです。SDカードはえいやと押し込むと、中で固定される仕掛けですが、それが固定されずに戻ってきてしまうのです。その辺の機械的故障です。カードリーダー機能自体は生きているので、いまいましいことです。修理を依頼すべきですが、その間使えないといろいろ困るうえ、この故障は買い物の失敗でもありました。大した金額の違いでもないのに、「アウトレット品」でB店で買ったのです。どうも、店頭品処分で、このカードスロットがかなり無理に使われていたのではないでしょうか。当初はそれでも正常動作だったのですが。アウトレットも考え物です。ほかに異常はないので、本当に忌々しい限りです)。

 AVCHDはファイル形式ではないとも言われ、本来DVDにハイビジョン記録する規格だともされます。でもAVCHDでDVDに記録するというのはやったことがないし、BDがあるいま、やる必要も感じません。ただ中味はどうあれ、これだとほかへの互換性の制約があるのですが、この規格内に囲い込まれている限りは扱い楽です。いちどBDレコーダーでBDやDVDに標準で焼いてしまえば、互換性を発揮してくれます。ただ、世の中にはAVCHDしかないのではなく、他規格で頑張っているところも多々あります。パナのデジカメではAVCHDで動画を記録するので、そこまでは囲い込まれて楽ですが、ニコンやらになるともちろんそうではありません。動画というのは基本的にMPEG-4/AVCで動画記録します。けれどもその記録ファイル形式などに違いがあり、ニコンや富士ではMOVです。オリンパスはMOVとAVIの選択としています。キヤノンはMP4としています。これらは基本的には同じはずで、アップルのQuickTimeにもとづくMOV形式の、拡張標準化がMP4だともされます。ニワトリが先か、ですが、世の中ではMP4で通用していることも事実です。web上の動画サイトにあげたりするにはMP4ですね。またPC上の画像ソフトだと、そういう違いを乗り越えて、画面映写や編集保存を可能にしてくれるので、あまり気にもしなくなるのですが。


 そうしたなか、悪い癖でうっかり手を出し、あとあと扱いに困っているビデオカメラがあります。絵に描いたような安物買いでもありました。GREENHOUSEのGH-DV30FHDAKという、「フルHD対応デジタルビデオカメラ」と称するもので、これが一万円しない値段で出ていたので、飛びついてしまいました。いろいろな意味で間違いでした。

 撮るに参るのは、あまりに小さく軽い(本体190g)ので、実によくぶれてくれるのです。さすがにこの値では手ブレ防止機能は入っていないので、無理でもあります。スティル画でもそうですが、動画だからブレても撮れるとはいかず、後々非常に見にくくなります。だから、「プロ用可搬ビデオカメラ」では、いまだに肩乗せや両手でしっかり構えるタイプが全盛で、さらにブレ防止の振り子機構・バランサーまでつけていたりするくらいです。ひとさまに見せるテレビ番組などで、画面ブレブレではクレーム殺到でしょう。逆に、出演中のタレントらに、手持ちのビデオカメラを持たせたりもしますが、その場合はブレブレですよというのがお約束の臨場感に入っていたりして。

 それで、GH-DV30で撮ると、どこかに固定をしない限り、思いっきりぶれて撮れます。この大きさとかたちからは仕方ないですね。でも、それは我慢したとしても、こんどは撮影後の動画データの扱いに困ります。この大きさに収めているのはもちろんSDカードに記録するからですが、そこからがえらいことでした。MOV形式で記録する、となっています。そこはニコンなどと同じとも言えるのですが、この機種付属の画像処理ソフトなどついていないので、どうやって画像データを取り出し、編集加工保存するか、アタマをひねらないといけません。しかもキヤノンのビデオカメラなどと違い、iLINK(IEEE1394)出力などなく、インターフェースはHDMIとminiUSBしかついてないので、デジタル出力自体できないのです。

 そこでの工夫は最終的に、某画像変換処理ソフトを用い、PC上でSDから読み出すMOVファイルをMP4に変換記録し、それをまたSDに入れ、BDレコーダーに読ませ(すべてのでできるわけじゃない)、終わりにDVDへ記録保存するという手間でした。AVCHD形式のBDレコーダーは排他的な「囲い込み」の論理が貫かれているのですが、SD上のMP4も読める機能を一部持っているのです。あまり知られていない、メーカーも強調しないところですが、
 もちろんほかの手順もあり得ますが、試していくと壁にぶつかります。上記の、撮影したMOVファイルのまま、BDレコーダーにSDメモリカードから読めば早いだろうというところですが、そうするとなぜか音声がいきません。また、私の画像処理ソフトの問題なのか、PC上の作業でMP4をそのままDVDに焼くことができるはずなのに、なにかの設定でPAL形式になってしまいました。BDにはうまく書き込めませんでした。その原因は不明ですが、結局またBDレコーダーにかけるのが無難でした。


それにしても、そんなに手間暇かけ、時間をかけて、このGH-DV30で映像を撮るべきなのでしょうか。当然ながら、ムダの観ですね。このビデオカメラの唯一の利点の、小さい軽いというのが弱点でもある以上。というわけで、これもお蔵入りです。まさしく安物買いの顛末でした(それでも、海外旅行の「ついでに」ふと鞄に入れてしまう恐れもあるのですが)。せめて、GoProにでもしておけば、使い道もあったのに。




 ちなみに、SDカード全盛の時代ですが、この形で撮影映像などをそのまま保存することは無理と思います。デジカメ撮影の画像を含め、そうしておられる方もいるかも知れません。別に、SDメモリなんだから画像データなどはほかに移して保存し、SDをなんどでも再使用するという、ケチを申しているわけではありません。そもそも、こういったフラッシュメモリはデータの保存には向いていないと思います。あまりに小さすぎて、メモリのうえにメモなど書き記すことさえ無理です。実は私自身、SDカードが出てきた頃に、これにメモを書こうとして苦心し、無理と悟った記憶です。

 ですから、写真のネガフィルム並みに、「撮影済み」SDカードをそのままストックしておくなんて考えられません。場所はとりませんが、何が何だかわからなくなること必定です。整理がつきません。やはり、BDやDVDに移して保存するのがベターでしょう。そのうえにメモやタイトルを書いておける、そして前記のように、そこに撮影映像だろうが、デジカメ画像だろうが、音声だろうが、なんでも記録保存できるのですし、かなり長持ちしますし(私の手元で、読めなくなったデジタルディスクは今のところありません)。ひとさまに渡すにも、ディスクに入れ、表面にそれらしい画像や題名文字などプリントしておけば、さまになるじゃないですか。もちろん、「本来の」文章やらexcelデータやらpptファイルやらも扱い同様です。「保存」は情報リスク対策の第一歩ですが、それにもデジタルディスクは向いているでしょう。

 これもちなみに、USBメモリは危ないです。かなりアウトになった経験を持ちます。こちらも同じフラッシュメモリですが、非常に頻繁に読み書きを繰り返すと、機能不全になるというのは周知のところです。ですから私はたまに、BDにバックアップをとる、USBメモリ自体もあるインターバルで、中味をすべて別のUSBに移し、そちらを用いるといった対策をしております。



終わりに −映像を撮るとは?

 正直、私はマニアックな趣味的にビデオ撮影する気はないのです。そういうのに向いているとか、映像作家の能力があるとかないとかまるで考えもしないだけでなく、そういうかたちで趣味的にはじめると、とんでもない時間と体力消耗になるとわかっているからでもあります。ひとの子の運動会の映像が代表的ですが、「撮っただけの」映像ほど、見せられる第三者にはたまったものではありません。当人や家族のみが、「映っている」画像の姿に感情移入できるから感動するんですね。逆に言えば、映画、テレビドラマ、ドキュメント等々、事前準備や現場での努力と作業があり、そしてその後に、すべて撮影時間の十倍くらいの膨大な手間暇かけ、編集を重ね、ようやくひとさまに見せられる、見るに耐えるものになるのです。そんなもの、間違ったって趣味的にもやるべきじゃないですね。「演技」「演出」などなくって、例えばSLの走行場面だろうが、わが子の運動会徒競走の転倒シーンだろうが、「見せられる」までにするのは容易ならざることなんですよ。

 ですから私のビデオ撮影映像というのは、基本的に何らかの時間空間「記録」にとどまっております。撮った自分には意味はあるとしても、ひとさまに見せる意図は本来ありません。


 それでもなお、自分でももう二度と見たくなくなるような映像はなるべく残したくはありません。そのための留意点の第一は、前記の手ぶれ防止の必要性です。よほどの特殊事情や演出意図でなければ、ブレブレの画像など誰が見たいでしょうか。映像論的には、カメラは通常、外からの客観的な目、第三者の視点です。それがグラグラしていたりしたら、見るに不快になります。

 その意味から、第二にカメラはやたらに振り回すな、動かすな、でもあります。スチルカメラはともかくしっかり構え、静止し、息を凝らしてシャッターを押さねばなりませんでしたが、ビデオカメラなどはその辺ラフでも写るので、つい振り回したり動かしたりしがちです。これも手ぶれ画像並みに、見る立場では迷惑不快です。あくまで何らかの意図や扱い方で、動かすのではなければ。ま、スマホ動画でもよくありますね。

 それゆえ、絶対に守る必要があるのは、あるシーンの撮影スタートとストップにはカメラを固定せねばならないという、第三の原則です。あとでずたずたにしてコマ毎に編集加工するのでない限り、個々のシーンの始めと終わりは、そのまま他のシーンにつながっていくことになります。そこでカメラが動いていると、非常に妙な印象、中途半端でわかりにくい構成になってしまうのです。ですから、強いては静から動、そしてまた静というのが、一シーン一カット毎の撮り方の原則です。


 動のうちでも、カメラを一点固定して、パンで撮るというのは比較的分かりやすいやり方です。カメラの画角に入る範囲は限られているので、広い風景などを収めるには、カメラないしはそれを構えた撮影者の方を回すしかないわけですが、それにはカメラをふらつかせず、同じ視線のままで横に回していく撮り方が自然になります。もちろんそれで、複数人物を順次撮る、人物と背景などを一シーンに入れていく、というような撮り方が可能になります。ただ、このパンはあまり頻発すると、編集でカットでもしない限り、煩わしい、しつこい印象になります。

 意外に活用の意味大なのが、ズームイン・アウトです。いまのビデオカメラはどれもかなり高倍率のズームレンズをつけてあります。それがスマホなどに対する利点でしょう。もちろんそれで、遠方のものをはじめから大きくとらえることもできますが、他方で画面にアクセントをつけるのに便利な方法です。遠景でとらえていたそのうちの一点の人物やモノ、背景などにズームインして、注目するとか、逆にズームアウトをして、背景などを取り込み写していくとかで、被写体に動きがなくても、画面全体で動きを出すことが可能になります。これにうえのパンをうまく組み合わせられると、画面の動的な魅力が生まれます。基本は見るときの目線ですね。

 目線で最も重要なのは、当然被写体とカメラの位置関係、アングルになるのでしょうが、そこはなかなかドシロートの撮影では想定も設定も困難です。ひとり地面に這いつくばって構えたりしたら、怪しいヤツと通報されましょう。追っかけて回ることも許されないでしょう。それでもアマチュアビデオカメラマンがイベントの最前線にしゃしゃり出て我が物顔に振る舞い、ひんしゅくを買っているなどありますが。まあそれも、ビデオカメラに限ったことでもないですが。

 本来では、映画やドラマ撮影のように、事前に細かくシーンを考え、カメラの位置やアングル、レンズタイプ、ピント範囲、カメラ動作などを決めていく等の計画と準備が要るし、なんどもテストをすべきなのでしょうが、ドシロートがたまたまの出先でそこまで考え、撮るなどというのは不可能です。もちろん映る「出演者」に演技指導するなんてとてもとても。それでも、こうしたことをある程度頭に置き、撮り方を考えながらカメラを回せば、後々「使える」シーンになりますね。日頃から見慣れた映画やドラマなどの撮り方に注意を払い、それを真似るような訓練が要りますね。要は、ただ漫然とカメラを回すのではない、意識と意味を抱いて、あくまで映像を見る側の視点で撮るという、当たり前の大原則ですが。


 と申すほどじゃなく、あんたの撮ったのなんて、カメラ固定で回しっぱなしの映像など多いじゃないかといった反論を早速に多々頂きそうですが、まあそれらでは、私はカメラマン専業というわけじゃないので、ビデオカメラを固定してそのまま放置という対応しかできないのです。あくまで単なる記録用途と割り切って。


 「カメラはやたらに振り回すな、動かすな」というのには、今日反論も予想されます。いま、いわゆるアクションカメラなどで、むしろカメラを身体につけて動く、走ったり空を飛んだりする、そうした撮り方での映像が人気を博する時代です。それももう一つの発想であり、従来の映像の撮り方がいわば「写されている世界の外」からの三人称的な視点とすれば、一人称そのものに徹するということになりましょうか。その場にいる、アクションをしている当事者の目からどう見えているかという、ある意味貴重な経験を追体験共有できるところに特徴があるわけです。


 こういう撮り方ができるようになったのはもちろん、デジタルの超小型動画カメラ(もうビデオカメラという言い方もふさわしくないか)の登場、性能機能の飛躍的向上、超廉価での提供にあるわけです。手ぶれ防止機能も入っていますので、見るに堪えない画面ともなりません。文字通りに身体の一部として、どんな状態でも撮影できる、それでこうしたまったく新しい視点での映像が誰でも撮れる見られるようになったと言えます。以前でも、レーシングカーの中に乗せた車載カメラで撮り続けるなんて言うのもありましたが、そういう撮り方を誰でもできるようになったというところです。

 逆に言うと、以前から怪しかったのはいわゆるドキュメンタリーものでした。そこにカメラなど存在しないかのようなかたちで、写されている当事者たちが行動したり会話したりしている、しかし「隠し撮り」でない限り、画面の外の第三者の目というのは、その場に乗り込んでレンズを向けているカメラを通じてでしかないわけで、それを当事者たちが意識していないという方が不自然なはずです。つまりそこに写されているのは、もはや一定の演技、暗黙のお約束ごとの世界なのです。

 そうした発想をひっくり返し、「その場にいる」当事者自身の目で映像を記録し、多くの人に提供する、確かに映像記録と表現に新しい地平を提供してくれる時代を迎えられたわけです。もちろんウェラブルカメラでなくても、スマホ持ってでも可能にはなります。ただ、こうした新たな表現方法で、私も折りあればやってみたい気もなくもないのですが、普段の生活を自分目線で撮ったところでなんにも面白くないし、どんな場面行動でもこれまた延々と撮り続け、そのまんま見せるとか、なんの工夫もない映像ではいかんので、やはりあとあとの編集加工が欠かせませんね。そういう「ただ撮っただけ」映像がまた氾濫する恐れもあります。まあ、たとえばハンググライダーに乗って、1時間空を散歩し、額につけたカメラで撮影した動画のうち、30秒間だけ切り取って写すとかの覚悟と工夫が要るでしょう。


 なお、このアクションカメラの別の使い方が、いわゆるドローンでの無人空中撮影です。あくまで徹底した第三者の目線ですが、そちらも大人気で、いまやカメラ売り場の半分くらいはアクションカメラ・ウェラブルカメラとドローンで埋め尽くされています。飛行機やヘリを飛ばさないと撮れなかった、空中からの撮影がこんな簡単なもので誰でも撮れるとなれば、これまたデジタルビデオカメラの新たな発展と活用のかたちとなりましょうし、だいたいドローンをリモコンできるのは、取り付けたカメラの送ってくる画像のおかげなのです。それを録画もするわけです。でも、これは私として、手放しで褒めるわけにもいかない、新たな問題も惹起していると考えます。個人的には、あんたの頭上にこんなのが勝手に現れたら、石を投げてみんなで叩き落とそう、です。乱暴でしょうか。
 



 本来はこうして撮影した映像を、その後さまざまカットしたり、切りつないだりし、ときにはタイトルや、ナレーションや音楽、ほかの音源など入れて、さらにはスチール画像も取り込んでなどとやれば、「ひとさまに見せられる」立派な作品にもなるのでしょうが、先に宣言したように、そこまでやる気はありません。好きでこれをやっておられる玄人はだしの方もいるようですが、それにかかる膨大な時間と作業量と気力体力を考えるだけでも卒倒しそうです。

 だいぶ以前にちょっと試みたこともあります。たちまちめげました。なにより、当時はVHS-Cでのアナログ画像なので、編集のためにコピーをすれば、それだけ画質も落ちていくのが腹立たしくもありました。いまのデジタル映像ならそれは構わないし、デジタルは編集も楽なはずであるものの、この歳ではやる気はまったく起こらないですね。ひたすら人生の過去の瞬間を残すのみ。

 


(2018.8.30)

SR-DVM70いかれる

 まったくもって油断大敵であります。
 miniDVテープでのビデオ画像の保存に努めていると記したら、そのツールであるビクターJVCのSR-DVM70が、いかれてくれたのです。基本的な機能は生きているのですが、いったんHDに移した映像をDVDにコピーしようとしていて、そのDVDが出なくなっちゃったんですよ。

 HDの映像はちゃんと映るし、そのDVD上に書き込んだのさえそうです。しかしディスクが出てこない、あれこれ試してもダメです。説明書にさえある、緊急時の手順、いったんメインスイッチ+stopでリセットし、エジェクトボタンを押し続けるとしても、オープンの動作をしようとするのですが、トレイがいっかな出てきません。また再生動作に入ってしまうのです。トレイが開いて、DVDディスクを交換できなければ、DVDレコーダーの用をなしません。これはもう、修理送りしかありません。


 多くのDVDやBDドライブにはこうした緊急時に強制オープンさせるメカがあります。特にPC内蔵のドライブはそうです。その穴に針を突っ込んで押すと、トレイが出てくるのです。この手をSR-DVM70でもやれるのかとあちこち探し、さらにキャビネットも外してみたのですが、見つかりませんでした。そうなったらともかくトレイを引き出すためだけででも修理依頼をするしか手がないのですが、修理窓口が対応するかどうかも心配です。買って10年くらいになりましょうか。そのくらい過ぎるとあちこちいかれ出す、しかしメーカーは責任期間終了ですとか言い出す、これは「デジタル家電」ではよくあることと思われます。

 まあ、ともかくダメ元で修理依頼をするしかないわけですが、それも楽観視はできませんね。ビクターの話しじゃないですが、絶対に買ってはいけないのがA○◇xとかいうところのBDプレーヤーです。買ってしばらくで、やはりトレイが出てこなくなってしまいました。これは買った店で修理依頼をしたら、保証期間内だが修理部品がないとかで、「代替同等品」をよこしました。それもいま、トレイが出なくなっています。大して高いものでもないものの、凄いですね。

 機械的な故障が生じるには早すぎるので、制御系の問題かも知れません。このBDプレーヤーには底に窓が開いているので、そこからえいやと緊急措置ができる仕組みかも知れませんが、さすがに怖くてやれません。まあ、ゴミを増やしてくれました。



 上記のように、SR-DVM70の基本的機能は生きているので、miniDVテープを再生し、その映像データをHDに移し、さらに外部にDVDレコーダーをつないでそちらに記録などという手も考えました。ところが、このデッキは妙なことに(というか、デジタル化の過渡期の存在であった証拠なのですが)、外部出力は基本アナログ中心なのです。s映像とかコンポーネント映像とかの端子接続もありますが、デジタル映像のやりとりは前面のDV入出力、つまりiLINKのみです。それならまだ生きているビデオカメラのiLINKを使って、ほかのHDD・DVDレコーダーにつなげばいいわけです。このSR-DVM70を介する意味がありません。

 ともかく、SR-DVM70でもって、miniDVの映像をHDに記録し、さらにDVDに移して保存するという仕組みはそれで完結していました。またそれができるから、デジタル画像を外に出すことなど軽視されているのでしょう。その肝心の本体のディスクトレイが出てこない、そんなところで足下をすくわれる、なんとも情けなくなる思いです。

 なお、これを機会に「代替機」など調べてみました、もちろん、いまは一切発売されていませんが、以前にはソニーなどからminiDVレコーダーやプレーヤーなど出されていたようです。miniHDV方式のもあったそうな。しかしメジャーにはなりませんでした。その意味、磁気テープにデジタルの映像データを記録する方式というのは、やはり時代に合わなかったとせねばならないのでしょう。



 FBに書いたのですが、DVDディスクが出てこなくなったSR-DVM70を猛暑のなか、死にそうな思いで担いで、メーカーのサービス窓口に持ち込んだら、その場でディスクが出てきてしまいました。試すにしばらく無反応でいて、そのうちに思い出したように出てきたのです。あまりに忌々しいので、ともかく預かって貰い、点検して貰うように頼んできました。

 それから一週間足らずで、技術のひとから、どうしても再現されませんという連絡です。また暑さのなかを引き取りに行きました。点検費用2千円足らずをとられました。持ち帰って再度セットすると、やはりディスクはちゃんと出てくるのです。機械ってそんなものよとか、持ち運びでガタガタしたのがよかったんだろうとか、もう勝手な想像をするしかありません。技術のひとの意見では、電源を抜いて、かなり置いてから再接続、それから「取りだし」ボタンを押してみるというのが一つの手だというのですが。まあ、これからもだましだましいくしかないですね。ちなみに、ディスクドライブ全体を交換すると、2万円以上かかるそうです。ディスクドライブは一つのユニットですから可能なはずですが、そこまでやる気にはとてもとても。



SDカードリーダーは要らない?

(2018.12)

 え、さて、「保存」への空しい努力を継続するなか、DV・DVD ・HDレコーダーは何とか無事に動いてくれておりますが、また新たな発見をしてしまいました。それを気づかずにいた私がバカだったのですが。

 年末を迎え、メーカーはBDレコーダーなどの製品ラインを一新している、なにより4Kなるものがねらいだが、そんなの飛びつく意味などないね、でも製品のデザインがまるで違ってしまったななどと、斜めに広告など見ているうちに、えらいことに気がつきました。これらにはもう、SDカードのリーダーがないのです。近頃はそれだけではなく、いろんな機能や接続部分を片っ端から切り捨て、そのかわりに4Kです、あるいはまたスマホに持ち出しですなどというのを売りにするのみで、だんだん私の用途から遠ざかっているなという実感しきりでしたが、それにしても、SDカードに非対応だなんて。


 SDカードでビデオカメラなどからのデジタル動画転記、編集やBDへの保存記録なんていうのは、ちかごろもう須磨輔に食われてしまい、絶滅危惧種なのでしょうか。いくらなんでも敗北主義じゃないでしょうか。パナソニックなどの売りだったAVCHD方式での撮影動画をどうしろというんでしょう。まさか、アナログ回線で記録しろというのじゃないでしょうな。



 そう大いに焦り、また中古ででもSDカードリーダー付のBDレコーダー探すかなどとも考えました。ただ、落ち着いて考えてみると、SDカードスロットが故障しているDMR-BRT560のみならず、SDカードリーダーがついている機種があと2台は手元にありました。まあ一安心です。

 それだけではなく、じゃあAVCHDのビデオカメラでSDカードに記録した動画をどうするのと、あらためて説明書などひっくり返してみるに、要はUSBを通して転写しろということなのですね。デジタルハイビジョンの画質は落ちませんとも明記されています。そしてこの方法でも、AVCHDのプロテクトは守られるのですね。


 実際にも試してみて、ビデオ撮影画像がBDレコーダーのHDに記録されることを確認、まあ一件落着でした。でも、どうしても腑に落ちないのは、SDカード一枚を抜き差しするだけで、レコーダーに画像を移せる簡単さ、単純さに比べ、明らかに退歩じゃないのというところ。これは誰も否定しないでしょう、実際にやってみれば。要は、そんなこと構わないくらい、ビデオカメラでの動画撮影なんていうこと自体がマイナーになってしまったということなのでしょう。





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