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三井の、なんのたしにもならないお話 その四十一

(2015.03オリジナル作成)



 
 
 スマホを買わんの記 −わがモーバイルPC格闘史20年 その3


4.Let'sNoteの時代

 
 
 いま振り返ってみると、つまるところ私のモーバイルコンピューティングの主力はパナソニックのLet'sNoteであったとわかります。なにせ、公私あれこれ交え、数えてみたらのべ10台入手していました。いかにも「貢いでしまった」観がぬぐえませんが、後悔ばっかりということはなく、買い換えてきた過程も自分なりには納得できます。

 これをじっくりかつ急ぎ足で、追っかけていってみましょう。




4-1 Let'sNote台頭す


 いろいろなPCをいじってみて、痛い目にあったりもしたこの20年ですが、だんだん「使える」マシンは定まってきた実感です。そう申しながら、若干マニアックにあれこれ手を出してきたことも否定できません。しかし、Let'sNoteは明らかに、「仕事で使える」、「どこにでも持って行ける」、信頼できるモーバイルPCになってくれたのです。

 
○ CF-A77

 
 前に書いたように、95年にCF11プロノートジェットミニというのを買ったのが、パナソニックPCの最初なのですが、あくまでLet'sNoteじゃなく、うえの勘定には入っていません。それから4年後、校費で買ったモーバイル機がCF-A77というのでした。ただ、これはまだLet'sNoteらしい特徴もあまりなかったうえ、2年足らずで御返納申し上げることになってしまいました。ま、私がこの勤務先大学をやめたからなのですが。

 
 CF-A77はB5ファイルサイズ、重さ1.6kgで、11.3型TFT液晶画面、CPUはCeleron(300MHz)、メモリは64MB、HDDは6.4GBと、いまなら信じがたいようなレベルです。これでも当時は相当にすすんでいて、Win98使用というのが売りでした。それから、前面にCD-ROMドライブが内蔵されるのですが、これが大型バッテリーとの交換可能な着脱式、のちに転職先の大学で買った富士通のも、DVD(?)-ROMながら発想は同じだったのですな。これはドライブベイを空にして、携行時の軽量化を図れるという考えもあったようです。一時は流行った仕組みなのでしょう。それからこのころのPCには必ずPCカードスロットがついており、これはかなり長い間Let'sNoteの伝統と化しておりました。

 
 Let'sNoteのいまひとつの伝統となったのは、「スマートポインター」と称するポインティングデバイスを採用してきていることです。トラックボールなど、パナソニック含めて各メーカーあれこれ試みていたものの、次第にこのタイプに収斂していった感です。タッチパッドを指でなぞるだけで画面上のポインターが自由に動く、そしてパッドの下のクリックボタンで操作する、この方式は慣れるとまったく迷いがなく、感覚的な操作が容易にできます。

 ただ、CF-A77の頃は、パッドはごく並のスクェアタイプでした。その後、ここのデザインがLet'sNoteのトレードマークとなったのです。

 
 ともかく、CF-A77はあまり実感的使用をしないうちに私の手を離れてしまったので、いまもどんな使い心地であったのか、問題はなかったのか、そんなに記憶に残っていません。



 
 

○ CF-A1ER

 
 パナソニックにしては、妙な遊び心でつくった観のモーバイル機がこれです。スペック的にはCF-A77とはそんなに違わず、スクェアのスマートポインター、10.4型TFT液晶画面、Celeron(400MHz)、メモリ64MB、HDは6.4GB、Win98使用にとどまるうえ、ディスクドライブもついていない(だから重さは1.1kg)のですが、一番の特徴は通信機能重視でした。電話回線モデムは当然として、ほかにケータイ、PHS各社各端末向けの通信ケーブルがオプションで提供されたうえ、本体にもワイヤレスアンテナがついており、「ワイヤレスステーション」という、いわば無線交信出力のモデムを介して、部屋の中を移動しながらもインターネット接続を維持できるという仕掛けです。このステーションは電話回線につなげられるので、動かせませんが、それと交信しているPCはコードレス電話宜しくどこにでも持って行けるというわけ。

 
 なんのことはない、いまどきのポケットwifiだの、ホーム無線LANだのいろんな仕掛けの先駆けなわけですが、もちろんこれはあまり使われずに終わりました。ワイヤレス交信の規格が標準化される前の話だったからです。いまカタログを捜してみると、なんとこの交信はPIAFS64Kとされています。さすればPHSを利用していたんでしょうか。

 
 私自身も、結局このワイヤレス機能を使った記憶がありません。ステーションも買わなかったのでしょう。家の中で使うに特段のメリットもないですから。それにあくまで電話回線利用モデムであれば、「つなぎっぱなし」なんかとんでもないわけです。ただ、PHS電話端末をつないでのデータ通信は積極利用したはずです。まだあくまでモデムとしての接続で、PIAFSにもなっていなかったと思うのですが。それでもかたちのうえでは、そうしたインターネット接続の基本形ができてきた観です。

 追.なんでこのワイヤレスアンテナ付のをわざわざ買ったのか、思い出しました。そのタイプしか店に在庫がない、そして私に必要な機能は揃っていたからでした。ですから、このワイヤレス分の値段は値引いてもらった記憶です。もともとワイヤレスをやろうという気はなかったのです。

 ただ、それなのになぜそんなに長くは使わなかったんでしょうか。それはどうも記憶が定かではありません。意外に早くにぶっ壊れたか、あるいは一つだけついたUSBの対応に問題があったのかも。なお、これは2000年6月に購入となっています。



 
 

○ CF-R1RCXR

 
 いかにもLet'sNoteらしいという個性と特徴がはっきり出てきたのが、このR1以降でしたですね。ポインティングデバイスのパッドが、スクェアから円形ホイールパッドになり、円の下の外周がクリックボタン、ボディ全体がアルミの銀ピカで、強化用のコルゲートがアクセントとなっています。このデザインは以来10年以上続いてきたコンセプトの一環で、Let'sNoteを強烈に差別化する意義を持っていたと思うのですが、最近には円形パッドがスクェアに戻り、イメージのうえでは残念なところです。

 
 このように、他社に見ないユニークなデザインとともに、明確な機能のコンセプトが示されました。外観の独自性だけでなく、ともかく軽い、小さい、薄い、しかしフル機能装備、電池が長持ち、通信機能重視、そこなのですよ。このコンセプトが以来10年以上守られてきたわけで、それでパナソニックは世界の激戦PC市場で生き残れたのです。ただ、国外で見ることはほとんどないので、もっぱら日本市場のみで勝負し、成功した、まさしくガラパゴスの適者生存進化の見本なのでしょう。

 
 CF-R1はなんと重さ960g、10.4型TFT液晶画面、CPUはMobilePentiumIII (700 MHz)、128MBメモリ、HDは20GBというスペックです。これは当時最新のWindowsXP動作の要件でもありました。モデムとともにLANも内蔵しましたが、さらにワイヤレスコムポートというかたちで、ケータイやPHSにデジタルデータ通信接続可能にしています。USBコネクタも2個つきました。これだけ軽いですから、ディスクドライブは持っておらず、PCカードなどを介して外付けです。電池の持ちは公称6時間で、さすがにそこまでは無理と思うものの、他機とは比較にならないものです。

 
 2003年に買ったCF-R1、いま取り出してみるとさすがにキーボードのデザインなどは古風に感じるものの、全体として古くさい印象はなく、しかも動きます。頑丈なものです。ただ、使用中に突然ハングアップする等の経験もあり、まったくトラブルフリーともいきませんでした。修理もしないできてしまいましたが。



 
 
 

○ CF-W2BW1AXR

 
 CF-R1もいいけれど、ドライブ内蔵でないとちょっと不便と、同じ2003年末に買ったのがこのCF-W2でした。WinXP機で、基本的な性能と機能は同じようなものですが、CD-R/RW・DVD-ROMドライブが入っています。もちろんDVDver.2対応です。それで重さは1.29kgになりました。CPUはPentiumM(1GHZ)に強化され、内蔵メモリも256MB、HDは40GBと、それぞれ倍加されています。画面も12.1型TFTになりました。USB2.0コネクタが二個です。一方でワイヤレスコムポートはなくなり、無線LANへのシフトが見えます。

 
 外観や各部分はCF-R1をひとまわり大きくした感じで、その意味でも使うに違和感がありません。ただ、フラットなボディ外装でコルゲートはなくなってしまい、これはLet'sNoteの伝統にはならなかったようです。CF-R1とCF-W2とで、私のモーバイルPCの利用の形も、完全にパターンが決まりました。通常には小さくて軽い(ワンスピンドルの)CF-R1を持っていく、いろいろ込み入ったことを要する際には、ディスクドライブ内蔵のCF-W2を持ち出すという使い分けです。使い勝手が同じようなのを常用するのは楽なことです。  
 よく、CF-R1のような10インチPCでは画面が見づらいんじゃないかと心配される方もいますが、私に関しては今の今に至るまで、そういうことはありません。前記のように、もっと小さい画面のモーバイルPCでも使ってきているくらいで。

 
 CF-W2はいまも十分に動きます。2012年に定年退職で勤務先を再度移った際、大学での研究と教育用の機器の多くを置いていったため、すぐに授業等に要るPCとして、これをまた持ち出しました。その後、校費で買ったソーテック(オンキョー)のPCがトラブル続発で仕事にならず、急遽CF-W2をピンチヒッターにしました。ただ、内蔵のPowerPointが古いバージョンなので、新たにつくったスライドがうまく映らないのには参りましたが。

 ですから、CF-R1とCF-W2はゆうに10年選手なのです。





4-2 Let'sNoteの歴史回顧と現状


 その後、また別のLet'sNoteを導入したりしているのですが、これらはもう私の手元にはないとかなので、一挙に飛んで、いま動かしているのにしましょう。

 いまは、CF-S8とCF-R9のペアを常用しています。もちろんWindows7の世代です。

 
 
 
○ CF-S8HYEADR

 2012年には定年退職を迎え、いろいろお返ししなくてはならないので、自分で使い続けるに要るものを整えました。その一つが、定番化したLet'sNoteの2スピンドル標準機とも言うべきものです。2009年に手に入れています。

 これはいまに至るまで主力機なのですが、特徴のないところが特徴というか、信頼できるというか、ともかく考えてみるともう6年余も使い続けているのですね。それはWin7の信頼性、使い勝手の証明でもあります。CPUはInterlCore2DuoP8700(2.53GHz)、内蔵メモリ2GB、HDは250GB もあって十分です。6年も使っていて、足りないと感じたことはありません。画面は12.1型TFTで標準的,自称ワイド(WXGA)なのですが、ここはその後のPC製品に出遅れたところ、本格的ワイド化に乗り損なっていました。
 HDMI出力がついたのはいま風で、便利です。最近はプロジェクタなどでもHDMIで接続するのが増えています。なおまた、PCカードスロットもいまだあるのがパナソニック的ですね。USB2.0コネクタが3個付いているのはとてもよく、1個をUSB通信スティックで専有していても困りません。

 最近のLet'sNoteの内蔵ドライブはクラムシェル型というやつで、上面がカパッと開き、ドライブが顔を出す仕組みです。前後に引き出す方式より小さく薄くできるらしいのですな。蓋になっているボディ上面の耐久力が若干気になりますが、まあ問題はないのでしょう。DVDスーパーマルチドライブを称しています。これもWiMax対応も売りですが、私には関係ないので。もちろんWiFi無線LAN(wireless)は備えられています。



 このS8で面白いのは、オプションで軽量電池が提供されていることです。多くのモーバイルPCでは、標準添付の電池が長持ちせず、もっと使いたいひとはオプションの大きいのを買ってくださいとなるのですが、これは逆なのです。電池長持ちを売りとするLet'sNoteらしいやり方です。公称では、標準添付電池で16時間となっていますが、いくらなんでもであるものの、たしかに相当持ちます。軽量の方は160g軽いですが、こちらでは公称8時間となっています。


   内蔵メモリに関しては不満で、R9に比べてどうも動作が遅くなったと感じ、考えるに、メモリ不足でHDへのアクセスを繰り返しているのに気づき、最近増強しました。だいぶ改善されました。

  
 S8最大の問題は、実はこのごろホイールパッドの左クリックボタンの調子が悪いことです。ガタが来たと言うべきでしょうか、動作はするのですが、カクカクッとしたなにかおかしい動きなのです。以前のLet'sNoteでも同じような経験があるので、ここが一番動かすところだけに、メカ的限界や寿命があるのかも知れません。









○ CF-R9KWCTDR

 R9は当然ながら、S8よりひと世代あとです。パナは型番を揃え、小型から中型、1スピンドルから2スピンドル機までフルラインナップで新製品を出すかたちを続けており、したがってR9は一歩すすんでいるわけです。もっともCPUはCorei7-640UM(1.20GHz)で、S8より半分の速度、低電圧駆動を特徴としているのですが、だから遅いと感じたことはありません。4GBのメモリを標準装備していることもその理由でしょう。HDは250GBです。画像データなどためると、少々きついとは感じます。
 画面は10.4型TFT液晶で、XGAではありますが、この小ささには代えられません。ふたたび1kgを切って、重さ940gです。以前のよりは曲線のところが増えた外観です。全体として、パナにしては若干おしゃれになりました。ただ、まだ日も浅いうちに、そのカバー上面になにかをぶつけ、へこみをつくってしまったのは悔やまれます。Let'sNoteは丈夫だといっても、こういったへこみや傷は結構つくんですよね。


 電池の持ちは公称7時間、たしかに電池切れを気にすることは少なく、一日の出ずっぱりでも電源を持たずに大丈夫の実感です。気になるときは、予備の電池を持って行きます。値段は高いのですが。

 USB2.0コネクタは2個に減り、HDMI出力も省略されました。ただ、やはりPCカードスロットを持っています。無線LANのほか、WiMaxも対応しています。LANコネクタはこの世代で廃止になりました。ホテルなどでもモデム接続はもとより、有線LANの代わりに無線LANを提供するところが増えていますし。私は国内ではもっぱらe-mobileのUSB通信スティックを使っていますが、国外ではどのようにインターネット接続を確保するか悩むことはあります。それでも目に見えて、無線LANの接続サービスを提供するところが増加しています。先日行ったミャンマーヤンゴンのホテルでも無線LANが無料で提供されていました。

 いまからもう8年あまり前、アイルランドに行った際にはこのインターネット接続サービスをめぐり、いろいろな事態に遭遇し、戦わなくてはなりませんでした。しかし、そんなことはアイルランドでももうないでしょう。なにしろIT大国ですし、実際昨年行った際にも、ごく当たり前に無線LANがホテルルームで提供されていたくらいです。

 買ったのが2010年9月のことですから、これももう4年半使っていますね。外出に持って行った回数は一番多そうです。このごろは会合などに私同様PCを持ち込むひとがざらなのですが、そしてなにを見ているのかというところですが、R9のように1スピンドルの10インチタイプを使っているひとは少ない実感です。これで十分ことはたりると私は思っております。











○ CF-S9LWE JDS

 これでもうLet'sNoteも打ち止めかと思っていたら、とんでもない事態になりました。たびたび書いたように、せっかく校費で買ったソーテック(いまはONKYO)のPCが使い物にならず、非常に困ってしまったのです。ともかく頻繁に、画像が乱れ、そこで完全ハングアップし、どうにも動かない、奥の手はバッテリーと電源を外し、リセットするのみ、察するにこれはマザーボード関係のハードに欠陥があるとしか思えません。

 以前にソーテック創業者の大邊社長をお招きしたり、いろいろ義理とつきあいと思い入れがあった、それが完全に裏目に出ました。もちろん大邊氏以下みんな引いてしまい、オンキヨーの一部門になったところにそんな義理の立てようもなかったのですが、もう一つ魅力的な数字につられてしまったことも事実です。

 BDドライブ内蔵で10万円以下の価格、図体は大きいですが、あくまで大学での授業用だからと割り切って購入した、そしたらこんな欠陥品でした。クレームを出し、修理させる、それが実は大変なのは、ソーテック悪評の主因でもあるのは有名な話しだし、修理に出していては授業に差し支えるし、まったく参りました。高い授業料を今さらにして払わされたのだと割り切るしかありません。ソーテックのデスクトップ機もかなり買ったのですが。


 しかしPCがなければ授業ができないうえに、しょっちゅうハングアップするPCをリセットするに時間をかけていてはなんにもならないので、前記のようにとりあえずLet'sNoteW2を持ち出したりもしましたが、これもソフト対応で問題ありです。つらつら考えるに、もう買い換えるしかない、しかし残り何年授業やるのかわからないなか、また10万円のオーダーで自分の研究費を使うのもいまいましい限り(大学事務では、こうした買い換えも認められると言ってくれましたが)、迷うのみです。
 ちなみに嘉悦大学では、新入生全員にPCを持たせます。そのために、毎年度はじめに同一製品の斡旋販売をやっており、まとめてかなり安く売るようです。年度によって機種が異なるのですが、Let'sNoteはかなり登場している模様です。パナソニックのビジネスは近年ますますこうした事業所向け大量提供販売に傾いているようで、そうすると相当の割引をしているらしいのです。そのぶん一般ユーザーは置き去りの観もぬぐえませんが、メーカーの売り方としてはやむを得ないところもありましょう。そうでなければ、世界の市場を相手にしてボリュームと価格で勝負している台湾メーカー製品などには太刀打ちできませんから。


 ですから私も、ソーテックなどに義理を考えず、その新入生向け販売に入れてもらい、Let'sNoteの新型など手に入れればよかったのですが、事情知らずに赴任した2012年度はじめのこと、いまさらどうにもなりません(もっとも2012年度での新入生向け斡旋販売品は東芝製か何かであったよう)。

 そこで考えました。向こう5年も10年も使うというのじゃないんだから、ともかくまっとうに動くのを中古で入手したらどうなんだろうと。調べてみると、中古市場にはLet'sNoteの旧製品があるインターバルで大量に出るのですな。これはまさしく、事業所向けに大量に入れられたものが、そこの備品償却年数終了・処分買い換えでまた大量に中古市場に流れる、こういう仕組みなんだとわかったのです。それに乗らない手もないだろうと考えたわけです。

 こうした中古は販売価格に比べて相当に割安です。非常に旧式化してしまったものをわざわざ買うような骨董趣味はないものの、現役機とあまり違わないのが、1/4以下の価格で手に入れば、まあ損とは感じないでしょう。扱い店の方でも相当慎重に点検整備もしているようなので、ポンコツ状態のをつかまされる恐れは小さいだろうと割り切りました。




 それで中古で買ったのが、このCF-S9です。Let'sNoteの一連のシリーズの最後の世代となったタイプで、2010年発売の製品、ですからおそらくどっかの事業所で4年たって放出されたのでしょう。同じような条件のものがネットショップ上にいっぱい並ぶなか、説明をよく読んで比較的良さそうなのを選び、通販で買いました。

 じゃっかん心配でしたが、まあまあ値段相応だったと思っております。唯一の問題は、テンキー相当のところだけ色が変わっていたので、おそらく金融関係などでカネの計算に常時使っていたのでしょう。色など気にはしませんが、それでメカがへたっていたりしてはことです。幸いそういう様子もなく、つかえております。


 そんなわけですから、機種番号は市販品にはないもの、あくまで事業用向け製品であったこともわかります。パナソニックはそっち向け(「法人向けモデル」と称す)のカタログまで出しているくらい、力を入れてきていますから。
 したがって、参考画像も実はこの私の入手した製品そのもののではありません。市販品のなのです。



 S9自体はかなりよく売れた製品の印象でしたですね。特にブラックモデルを出したことで、そちらに飛びつき、いまも使っているひとをよく見かけます。私の入手したのは、重さ1.33kg、CPUはCorei5-560M(2.67MHz)で、内蔵メモリ2GB、HDは220GBと、数字上はS8やR9とそんなに違いません。R9と同世代なんですから当たり前ですが。

 電池がS8と同じなのは有り難いところです。考えようによっては、S8のための予備電池をこの値段で本体込みで入手したことにもなるし、逆にS9の附属電池が万一へたっていても、S8用の軽量電池などですぐにカバーもできますから。こうしたところも、中古品のうちでS9を選んだ理由でもありました。あとの各インターフェーススロット、無線LANやWiMax等々、ほとんどS8とR9を足して二で割ったようなもので、まったく惑いがありません。PCカードスロットもあります。ただ、R9とはちがって、LANのコネクタが残っています。まあ、大学内も無線LAN完全カバーなので、ここでも無用のものですが。


 こうした「法人向けモデル」は、いろんなバリエーションがあり、時には特定企業などの仕様注文で特注製造納品されたものもあるらしいので、私の入手したものの正確なデータは公表されていないようです。またそうした各ユーザーの事情からか、Let'sNoteでもサイズは中型ながらワンスピンドルで、DVDドライブなど入っていないタイプというのが相当に売られてきているようです。一般ユーザーの立場からすれば、ある程度の大きさで値段もする、それでいてDVDドライブなどついていないのでは、メリットが乏しすぎて買う気がおこらないだろうと思っていました。持ち歩くに軽さを重視するのなら、Rのような小型10インチクラスを望むだろうし、Sの12インチクラスでありながらドライブレスでは、ソフトをインストールするにも不便となるはずです。

 「いろいろついてます、できます」というのが一般的な商品の売りです。ただ、こうしたビジネスユースの場合、企業や管理者の立場から、ともかく余計なものはない方がいい、その分値段が安い、また使用するスタッフが妙なことをしない方がいいという判断になりましょう。まとめ買いをするのですから、ウン万円の差も甚大になるし、だいたいこうした「法人向けモデル」は、納品時に必要なソフトもぜんぶインストール済みで提供されるようですし。

 そんな「発見」もしました。ですから、中古PC市場にはこうしたワンスピンドルモデルがよく大量に出ています。ただ、一般ユーザーにはいずれにしてもあんまり人気ないと思いますが。


 ともかく、中古機でもちゃんと動き、つかえればいいのです。それでトラブルなく授業ができれば、言うことはありません。ようやく安心できるようになりました。「中古になってもLet'sNote」です。それに引き替え、いまいましいオンキヨー機はどうしてやりましょうか。



 (うえのS9に関する記載は、正確な機種名を含め、かなり間違いがありました。今さらながら訂正をさせていただきます。もちろんそんなに差はないのですが、S9にも相当にバリエーションがあるようで、CPUのグレードアップ、逆にHDの小サイズ化などが認められます。このことは、どうも内蔵メモリに余裕がないなと思い、メモリ増設を思い立って、ようやくに気がつきました。
 それで、4GB増設し、合計公称6GBにしたら、いろいろな動作が抜群に速くなりましたね。実はこれで、S8と交代をさせたのです。どうも長年の使用でちょっとガタも来たようなS8を授業用機にし、S9を日常使用メインに切り替えたのです。どっちも自分の持ち物ですから。まあ、別にS8で授業などに困ることはないし、どっちにしろHDMI出力もあるし、むしろS8にはもう使わないソフトてんこ盛りのままで、もったいないくらいですが。)




 このへんでLet'sNoteも打ち止めとしたかったのですが、技術の進歩と欲望の自己増殖にはとめどがないらしく、「実は」また買ってしまいました。


 Let'sNoteはひたすら一般個人ユーザー置いてきぼりで、同性能同クラスの他社製品に比べれば値段が三倍は高い印象、そんなものにポケットマネーで手が出るわけがないと悟っていたのですが、「どうしても」欲しくなる魅力を備えているのが出てきてしまったうえ、たまたまある事情で、少々のゼニが転がり込んだので(これも円安が絡んでいるのですが)、ついに手を出してしまった次第です。

 その魅力とは、Let'sNote史上「最軽量」というところにありました。


 これを手にしてからのお話しは、また「続報」で。




(2020.6)

CF-S9、片道特攻に旅立つ

 その後、出番もなくなったCF-S9に、特段のミッションが与えられました。

 「片道特攻」であります。要するに、win7機のwin10「アップグレード」の試みを(いまごろ)担わせることになったのです。結果は、下記をご覧下さい。まあ、健気にその使命を果たしてくれました。win7で設定できていた機能がなくなってしまったところもありますが。

CF-S9、win10に「アップグレード」



CF-S8とS9、「電池は同じ」ではありません

 それから、別の作業をしているうちに、気がついたことがありました。うえに、「S8とS9では電池が同じ」と書いたのは、実はそうではなかったのです。

 見た目同じ外形(色だけは、本体に合わせて微妙に違いますが)、端子関係であり、また実際同じように装着使用できるということで、そのようにも共用していたのですが、S9の電池がS8で問題を起こしました。フツーに使えていたものの、AC電源で充電にかかったら、途中で電源ランプが赤点滅になり、それ以上の充電ができません。ある程度は充電しているので、使えないことはないのですが、これは充電池に異常が生じたシグナルでもあります。
 型番は新しくても、もともと中古で買ったS9についていた電池ですから、もう寿命だったのかと諦めかけたものの、思い立って、確認し、もとのようにS9とS8それぞれ付属のものに戻したら、なんということなく完全充電されるのです。グリーンランプがつきます。
 なんとも不思議なことです。もちろん、どこにもそんな注意書きはありませんが、よくよく見るに、電池の型番がAA63728JSとAA6372B2Sと、微妙に違うのですな。なかなかのものでした。

 



その四へ