小池民男のコラム「時の墓碑銘」(2005年4月〜2006年4月:朝日新聞、月曜、朝刊)の掲載日と取り上げられた言葉の一覧です。

 楽しみなコラムでした。その導きで手に取った本がずいぶんあります。それにふれた「滴水録」との間にリンクを張っておきます。

1 2005/4/4 幾時代かがありまして
茶色い戦争ありました
中原中也
2 4/11 アウシュヴィッツ以後、
詩を書くことは野蛮である
アドルノ
3 4/18 奴はやってきて
「こんにちは」というべきだった
アボリジニの長老
4 4/25 このぬくみは
自分の先行き一生の
ぬくみと信じよう
幸田文
5 5/2 絶望は虚妄だ
希望がそうであるように
魯迅
6 5/9 デモクラシーは
最悪の政治形態だ。
ただし、・・・
チャーチル
7 5/16 君はヒロシマで
何も見なかった。何も。
<彼>(二十四時間の情事)
8 5/23 身捨つるほどの
祖国はありや
寺山修二
9 5/30 抑圧機関が、
奉仕すべき人の主人になってしまった
<X>(ジョージ・ケナン)
10 6/6 事実は真実の敵である <ラマンチャの男>
11 6/20 テレビカメラはどこかね 佐藤栄作
12 6/27 かなしい声や涙で育つ 山之口獏
13 7/4 あなたは居なさい
ぼくは行く。
イシ
14 7/18 海ゆかば 信時潔作曲
15 7/25 鰻を食ふは
楽しかりけり
斎藤茂吉
16 8/1 アンドロイドは
電気羊の夢を見るか
P・K・ディック
17 8/15 この小さなノートを
残さねばならない
渡辺一夫
18 8/22 冥土のみやげにたらふく
飲んで死んじまおう
古今亭志ん生
19 8/29 血も涙も、もう充分に流しました。
もう充分です。
Y・ラビン
20 9/5 下りのエスカレーターを
駆け上ろうとしていた
M・サッチャー
21 9/19 誰かこの苦を助けて
くれるものはあるまいか
正岡子規
22 9/26 小さなうそより
大きなうそにだまされやすい
ヒトラー
23 10/3 名人に香車を引いて勝つ 升田幸三
24 10/10 三日とろヽ
美味しうございました
円谷幸吉
25 10/17 政府とはたかだか、
ひとつの方便にすぎない
ヘンリー・D・ソロー
26 10/24 無駄のなかに
無限の豊かさがある
カレル・チャペック
27 10/31 この道はいつか来た道、
ああ、そうだよ、
北原白秋
28 11/7 人間は自由の刑に
処せられている
J・P・サルトル
29 11/14 三つ星よ、シリウスよ、讃えられてあれ! 野尻抱影
30 11/21 私の中の化物のような
巨大な感受性
三島由紀夫
31 11/28 演奏は競技ではない。恋愛です。 グレン・グールド
32 12/5 此人等信念もなく
理想なし
東郷茂徳
33 12/19 蝶のように舞い
蜂のように刺す
カシアス・クレイ
34 12/26 E=mc2 アインシュタイン
35 2006/1/9 「百姓=農民」ではない 網野善彦
36 1/16 美しき脚折るときに
哲学は流れいでたり
水原紫苑
37 1/23 余白と行間、
そこには犠牲の蜜が流れている
ジャン・コクトー
38 1/30 すべての凡庸なる者たちよ、
お前たちをすべて赦そう
<サリエリ>
39 2/6 世のすべての悪人と
偽善者との上に祝福あれ!
中野好夫
40 2/20 語りえぬものについては、
沈黙せねばならない
L・ウィトゲンシュタイン
41 2/27 若殿に兜とられて
敗け戦
北一輝
42 3/6 千の風に
千の風になって
作者不詳(新井満訳)
43 3/13 なにものも変わらないのに、
すべては変わってしまっていた
サンテグジュペリ
44 3/20 悪の陳腐さについての報告 ハンナ・アーレント
45 3/27 なみだこぼれてゐる
なんのなみだぞ
山頭火
46 4/3 権力は少数者を腐敗させるが、
弱さは多数者を腐敗させる
エリック・ホッファー

<この項終わり>


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