圧縮エアでの圧力の微妙な変動を見る
なぜ圧縮エアを使うのかというと、セッティングが楽なため、そしてエアの方が圧力の微妙な変動が現れやすいためである。
ここでの実験方法は次の通り。250kPa程度の圧縮エアをデリバリパイプに加え、インジェクションテスターを用いてインジェクターを実車同様に駆動させて、その際の圧力の変動を見る。なお、インジェクターは3本同時に動かすのではなく、1本→2本→3本と徐々に増やしていった。またプレッシャーレギュレーターはバキュームポンプに接続していない。即ち負圧によるコントロールはしていない。
最初にパルセーションダンパーが無いデリバリパイプで試してみた。ムービーではシャッタースピードの関係で、燃圧計の針がゆっくり動いている。実際は激しく振動している。この針の振れが、圧力の変動を示している。
インジェクターの駆動本数を増やすにつれて、圧力の変動も大きくなっていくことがわかる。
次にパルセーションダンパーを付けたデリバリパイプで、同様の実験を行った。先の実験では、インジェクターの駆動本数を増やすにつれて、圧力の変動も大きくなっていった。パルセーションダンパーが付いていると、このような変動が緩和されると考えられる。またパルセーションダンパーの動きが見えるように、筐体の一部をカットしたものを付けている。圧力の変動とあわせ、パルセーションダンパーの動きも見て欲しい。
なんということだ、パルセーションダンパー有り/無しで、圧力の変動に違いが見られない。肝心のパルセーションダンパーは、エアを加えたときに動いただけで、その後は全く変化しない。実験前は、圧力計の針とパルセーションダンパーが逆位相で動くことで、圧力の変動を緩和していくと考えていたのだが・・・パルセーションダンパーは全く機能していないとしか思えない。
気体を使ったからパルセーションダンパーの効果が見られなかったのか?? 次頁では、水を使って圧力の微妙な変動を見ていく。