柴田賀盆氏インタビュー完結編である。
サターンRPG「エアーズアドベンチャー」を軸に、展開についてと次回作についていろいろインタビューしているのでお楽しみください。

展開について聞く


展開が、独立して起こりすぎる感じが少しして、次はじめたときに、流れがわかんなくなってることがちょっとあったかな、と思うんですけど。

当初、あらすじモードがあったんですけど、それも割愛しちゃったし。
いろいろ、実現しなかったところは、たくさんありますね。
プレイヤーをどこまでも満足させる仕上がりにはならなかった、ってのが正直なところですね。


最初に計画してた展開ってのは、幹の太いものだったのですか?
どうしても、各エピソードの独立してる感じが残念で。

そのへんは、さっきのゲームと物語は成立するのかって命題につながってくるのだけど(インタビューの前にそういった話をしたんである)、ゲームのほうでイベントをつなげちゃった感じになったので、断絶感があるだろうと思う。

ゲーム的な部分でいかにシナリオを割り込ませていくところを偏執狂的にしていかないとダメなんだろうな、と。
たとえばトレジャーハンターGの宿屋みたいな工夫を、積み重ねていかないと。
インドアシーンとかも、迷路抜けてアイテム手に入れるだけじゃなくて、もっともっと仕掛けとか小道具とかビジュアルとか、展開と結びついた感じにしたかったんですけどね。イベントの中とかも、そうですね。


物語作るときって、最初、どういうところから入っていきますか?
セリフですか、場面ですか、世界観ですか?

最初考えるときは世界観なんだけど、やってるときはその場面によってるから。
シーンをつなげるって作りになっちゃってる。
ちょっと、それがバレバレになってる(笑)。
でも、最悪、それぞれのシーンが盛り上がらないと、ね。


柴田賀盆氏


「トレジャーハンターG」
スクウェア/スティングのRPG。米光企画脚本でござる。詳しくは スティングスクウェアで。

マニュアルについて聞く


マニュアルなしでOKってのは意図してますよね?

もちろん。オイラ短気だから、マニュアル読むの嫌いだし。
見るマニュアルをつくろうと。図とか字とかは少なくして。
「Dの食卓」みて、勇気づけられて。あれも、そうなんですよ。


設定も、ちゃんと、ストーリーの中で語るタイプですよね。

そうです、そうです。


ゲームの最初とかに出てくるじゃないですか、文字がダラダラーって。
「昔、大戦があって、勇者が・・・」とかなんとかかんとか。
読まないタイプですね。


そうですそうです。読まない。


読まないですよね。だらだらと出ると腹立つし。

トレGも最初文字でますよね。

えっ。出ましたっけ?

世界のすべては冒険である、って。

ああああ、言ってることと、やってることが違う(笑)。

「Dの食卓」
ワープのアドベンチャーゲーム。そのグラフィックの凄さは、当時、なかなかの衝撃力があった。どこかリンクはる良いページはない?

トレGの冒頭
一応、言い訳しておくと、冒頭の文句は読まなくてもまったく関係なく遊べるようになってるんだよー、ね、ね。


次回作について聞く


次の作品だとか、どうですか?

いまのRPGのフォーマットだと かなり高い視点から見てるから、エアーズは、どちらかというと、個人的なところから世界を見ていこうって感じで、ゲームシステムがひいたところから見てるのでなじみにくい。
バイオハザード的なほうがなじんでいくんじゃないかな。
フィールドあって街があってバトルがあって、というシステムだと限界があるような気がしますね。
でも、あまりに新奇なシステムも、とっつきにくいだろうし。
そのあたり悩んでますね。


システムかストーリーか、って言われると?

2択といわれると、ストーリーをとっちゃいますね。

やりたいのは、2つあって。
大河ドラマ的なもの。予算20億とかね。
もう1つは、コツブだけど、センスのいいもの。あんまりゲーム性をストイックに追及していくのは、オイラの仕事じゃないって感じはしますけど。


「パラッパラッパー」みたいな路線?

そうですねぇ。そういった、こういうのもありなんだ、ってのをどんどん出していきたいですね。
あとは、ゲームの代表格だって言われるような、FFとか言われるじゃないですか、でも、オイラのメディアの代表格がFFだってのもくやしいし(笑)、そういったものを作りたいですね。


柴田さんの体質として、自閉してやるっていうよりも、いろんな人とリンクしてやっていくって感じですか?

こつぶのモノでも、大きいモノでも、各ジャンルのものをちゃんとまとめてやりたいですね。映画なりオペラなり、そのあたりの作り手と同様になりたいですね。


だとすると、ゲームじゃないとまずいんです? 映画とかでは?

うーん、それは、単純に、自分がゲームが好きだからって問題で。


ゲームがいままでのような作り方では、まずい、と。

映画みたい、って言われてるってことは、映画に負けてるってことだから、それじゃまずいよね。


ゲームだけじゃなくて、どんどん他のイベントも巻きこみたいですか?
映画化だとか、そういった感じの何か?

うーん、そうでもないなぁ。逆に、ゲームのほうに巻きこみたいですね。


「バイオハザード」
カプコンのホラーゲーム。「アローン・イン・ザ・ダーク」タイプのアドベンチャー。カラスの描き方とか、すっげーの。どこかリンクはる良いページはない?


「パラッパラッパー」
ラップにあわせてボタンを押すと主人公がダンス! というシンプルなシステムながら、センスのよさでインパクトありあり。どこかリンクはる良いページはない?


FF
説明の必要もないか? の、大有名RPGファイナルファンタジーシリーズのこと。詳しくはスクウェアで。


以上で、柴田賀盆「エアーズアドベンチャー」インタビュー完結。
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