私の読書の時間

ダーウィン以来<2000.5.8>
 スティーヴン・ジェイ・グールド著
 ハヤカワ文庫 早川書房
 ISBN4-15-050196-3
 
 ダーウィンの進化論、人類の進化、成分の進化のパターン、地球環境の変遷と進化との関係、動物の大きさと知能、社会環境、人間性と進化との関係を語ったエッセイをまとめたもの。進化上、人類をどこに位置するか、人間性と進化の関係など、改めて考えさせれる点をいくつも提起する。「科学は真実を現すもの」という常識がドグマに過ぎないことの指摘などは、ちょっとドキリとさせられる。
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やけくそ天使3<2000.5.22>
 吾妻ひでお著
 秋田文庫 秋田書店
 ISBN4-253-17552-X
 
 どうも、1,2巻は、いまいち私の思っている吾妻ひでおじゃなかったが、この3巻になって、いよいよ不条理SFへの進化を遂げた?そうそう、これこれっていう感じ。さて、ほかの作品も読み(返し)たくなったぞ。
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アトムキャット<2000.5.28>
 手塚治虫著
 SUNDAY COMICS 秋田書店
 ISBN4-253-06502-3
 
 手塚治虫自ら鉄腕アトムをモチーフにサイボーグ猫の活躍を描く。飼い主と共に交通事故にあったアトムと名づけられた小猫は、事故の加害者の勘違いで飼い主の中の鉄腕アトムの記憶をもとに治療(復元)されてしまう。そして、鉄腕アトムの7つの威力そのままに、アトムばり?)の活躍をするのだ。
 ということで、鉄腕アトムと知っている人にとってはパロディ性も合わせて、けっこう楽しめるし、エピソードが7つで終わっているのもちょっと残念な気もするけれど、鉄腕アトムの世代でなければ、面白味は少しばかり落ちるかもしれない。
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リモコン変化 SFバカ本<2000.5.29>
 岬兄悟・大原まり子編
 廣済堂文庫 廣済堂
 ISBN4-331-60815-8
 
 SFアンソロジー、SFバカ本シリーズの一冊。小室みつ子のバンパイアとオヤジの葛藤(?)を描く『フロム・オヤヂ・ティル・ドーン』。なんだかよくわかんないような気もするが、なんだかおもしろい未来の大相撲を描く波多野鷹『大宇宙大相撲』。職業化された仮の家族を描く中井紀夫『Vファミ』。心霊派ミステリーと思わせつつ実は・・・、安達瑶『花瓣の椿』。老人社会に築かれたシステムの中で生きる老人を描く麻城ゆう『老人憐みの令』。不老不死を望む美青年の臭い悲劇、田中啓文『怨臭の彼方に』。精神世界の拡大によるタイムトラベル(?)を描く、かんべむさし『書斎からの旅』。吸血鬼と思わせつつ実は・・・、久美沙織『如何なる神酒より甘く』。三途の川ならぬ霊界への出口になってしまった男の物語、岬兄悟『出口君』。
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田宮模型の仕事<2000.6.12>
 田宮俊作著
 文春文庫 文藝春秋
 ISBN4-16-725703-3
 
 戦闘機や軍艦に少しでも憧れた少年ならば、一度は誰もが作ったことがある田宮のミリタリー・プラモデル。最近のお子さんならば、ミニ四駆のブームで育ったことを思い出すかもしれない。その田宮模型の歴史と仕事を、社長自ら書きおろした一冊。田宮模型のプラモデルというとちょっとお堅い印象もあるのだが、なるほどこんなふうに仕事をしているから、その誠実ぶりが現れたものなのかと納得。ミニ四駆ブームの裏側や仕掛けも伺えて玩具とブームと世代交代と企業のあり方についてのお話しも興味深い。
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