私の読書の時間

世界ハッカー犯罪白書<2000.10.3>
 セルジュ・ル・ドラン/フィリップ・ロゼ著 桑原透訳
 文春文庫 文藝春秋
 ISBN4-16-713626-0
 
 ハッカー犯罪白書という書名になっているけれど、ハッカーやクラッカーが起こした事件だけではなく、コンピューター関連犯罪全般に渡っている。サイバー犯罪というには、今となっては少しばかり古色然となっているような感もあるが、ショート・ストーリーにまとめられて、ちょっとばかり脚色された小説のような感じ。まあ、ゴシップ記事を読む感覚とでもいうか。
目次へ もしかして読み物!?へ なんか、へん?ホームページへ

マーガレットとご主人の底抜け珍道中 旅情篇<2000.10.8>
 坂田靖子著
 ハヤカワ文庫 早川書房
 ISBN4-15-030581-1
 
 SFテイストがちょっぴり入ったフィーリングが楽しい。奥さんのマーガレットさんのオトボケぶりもまた楽しい。というわけで、『時間を我等に』で結構お気に入りになった坂田靖子さんの作品。
 こんな奥さんがいたら大変だけれど、楽しいかな。しかし、旅行に行く趣味はないんだけれど、なんだか、マーガレットさんのように気ままにふわっとどこかに出かけて行きたくなるなぁ。ライトな絵柄もお気に入り。
目次へ もしかして読み物!?へ なんか、へん?ホームページへ

漫画の時間<2000.10.9>
 いしかわじゅん著
 OH!文庫 新潮社
 ISBN4-10-290009-8
 
 漫画であるが読んでいるようで読んでいないのである。漫画週刊誌は真面目に読んだことはなかったし、好きな漫画家も手塚治虫、石ノ森章太郎といったことろや、月間マンガ少年やマンガ奇想天外といったメジャーではない狭い範囲の漫画しか読んでいなかったのだ。しかし、この本の著者のいしかわじゅんは違う。少年誌も青年誌も少女漫画もレディスコミックも目を通しているという強者ぶり。ということで、いしかわじゅんの漫画評論本である。'95年の発行された著書の文庫化ということで、最新の状況とはもう言えない部分もあるかもしれないが、さまざまの漫画家についての評論を読んで、いくつかチェックしてみたなぁという気になった。
目次へ もしかして読み物!?へ なんか、へん?ホームページへ

シリコンバレー・スピリット<2000.10.15>
 デイビット・A・カプラン著 中山宥訳
 ソフトバンク パブリッシング
 ISBN4-7973-0616-5
 
 この本は、インターネット書店で買ったものだ。インターネットでは、ほしいと思う本の在庫もほぼ確認できるし、大型書店まで交通費を使って出かけて探す手間と時間を考えれば、送料がかかっても納得がいく。・・・が、立ち読みして、本の内容を確認して買えないのが、ちょっと物足りないのだが。で、この本であるが、出だしは、パソコン黎明期に活躍した人々の列伝で、この辺は他の書籍やNHKのテレビ番組でもう知っているよという感じで、この内容なら買うんじゃなかったと思ってしまった。立ち読みしていれば、買わなかったかもしれない。けれど、中盤からは、シリコンバレーの新興企業に出資しているベンチャーキャピタルの話に重点が置かれていく。ベンチャーキャピタルがどんなふうに出資したり、新興企業に関ったりしているが、描かれているのだ。そこには、株式公開で高い株価が付けられるベンチャーに出資して大儲けするというバブルな感覚が見える。単に技術的、あるいは商業的な成功ということではなく、お金と人というなんだか泥臭いことを思い起こさせてくれるのだ。
目次へ もしかして読み物!?へ なんか、へん?ホームページへ

青い鳥の住む島<2000.10.20>
 崎山克彦著
 新潮文庫 新潮社
 ISBN4-10-137222-5
 
 『何もなくて豊かな島』という本の続編なのだが、そちらの方は読んでいない。フィリピン、セブ島の沖合いにあるカオハガンという島の所有者が著者である。所有者といっても、島には住民がちゃんと生活しており、NGO「南の島から」の代表でもあり、ちょっとした独立国のような・・・いや、ただの村なのかもしれないが。とにかく、自然のなかでの素朴な生活が何ともいえず羨ましい。のほほんと島を買って隠遁生活をしているのはなく、島民の生活や経済にも関っていることもなんだかすばらしい。小さな均衡や成長かもしれないが、なんだか羨ましいものがたくさんあるように思えてしまう。どうも、近ごろ時間が過ぎるのが早すぎて疲れてしまうので、青い鳥の住む市までの生活という入れただけでも十分憧れてしまうというのに。
目次へ もしかして読み物!?へ なんか、へん?ホームページへ

前のページ 次のページ
もしかして読み物!?へ なんか、へん?ホームページへ
Copyright(C)2000 Masaaki Hatano