04年1月後半号
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04年1月16日 (金)

残り物には・・・

直木賞は江國香織『号泣する準備はできていた』と、京極夏彦『後巷説百物語bk1リンク が受賞したそうです。大極宮はこれで直木賞トリオになりましたね。こっちはまあどれが受賞しても順当なのかな、と思ってたのでそんなとこですか。対する芥川賞は私が痛いから買うのをやめた金原ひとみ「蛇にピアス」と綿矢りさ「蹴りたい背中」が受賞。講評を聞いていて、彼女たちの作品がすばらしいのか、それとも若いことが良いのか、よくわからなかったのは私だけでしょうか。村上龍氏の「彼女たちが書かなければ、彼女たちの世代が何を考えているのかわからない」というのは言い得て妙。綿矢りさのデビュー作『インストールbk1リンク を読んだときの不思議感をそういう風に表現することもできるかと思いました。綿矢りさのほうは読んでみようかな。

職場には持ち回りでお茶当番という流しの掃除当番があるのですが、一昨日が私はその当番だったのです。流しを掃除していると、皆でお金を出しあって買っているお菓子がまだ残っています。しかも「うまい棒」です。お、流しの掃除が終わったら貰って帰ろう、と思ってたのです。

で、忘れずにそのうまい棒を取り上げて、何味なんだろーと思って見てみると。。。

なっとう味。

売れ残ってた原因がわかりました。こっそりお菓子ストックの場所へ戻しておきました。

ただいまの読書

横山秀夫『看守眼』 bk1リンク

新刊案内

講談社文庫が出てました。恩田陸『麦の海に沈む果実』 bk1リンク殊能将之『黒い仏』 bk1リンク が文庫落ち。

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04年1月17日 (土)

門前の小僧

いかにも「今日は天気悪いよ、覚悟しな」と言わんばかりの空。ただ思ったより寒くないような気が(外出てないからか)。まだ雪は平気そう。受験生の皆さんガンバレ。

受験生と言えば、このところ来年度の法科大学院に開設に向けて、大量の法律書を突貫工事で処理しています。もともと法学部はあるのですから、そんなに買う必要もないように思われたのですが、大学にある法律書はほとんどがドイツ語。恐らく専門がそちらのほうに偏っているのでしょう。憲法とか、労働法とかですか?貿易関係は確か英語のが多かったように思います(しかもルーズリーフで扱いにくい)。

で、最近の流行は民法とフランス語。Droit civilはもう見るの嫌です。大学で学んだ第2外国語はフランス語だったのですが、法律用語は普通の文章と全く違います。まず辞書が全然使えません。『フランス法律用語辞典』なるものがどこかで購入されるのを見て、事務用でも買ってしまいました。みんな争って見てます。

しかもそうやって毎日のようにフランス法の本を見ていると、フランス人って実は法律好きなんじゃないか、と思えてきました。なんでもかんでも法律なのです。"Code du vin"というワインの法律を見つけたときは、こんなのにも法律があるんだーと感心しました。「ワイン法」っていうのがフランスらしい・・・(*1)

というわけで、今我々の近くの人々はフランスの法律用語に妙に詳しくなっています。これもまた門前の小僧?

*1: ちなみにEU諸国のワイン製造国には、どこにもワイン法があるそうです。フランスのはそのお手本とされているとか。そう言えば日本には酒税関係の法律しかないの?誰か詳しいかた教えて。
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04年1月18日 (日)

蹴りたい背中ラリー

昨日とはうってかわって良いお天気。気温も昨日と比べると窓開けててもそれほど寒いというレベルじゃないですね。さっそく洗濯物を干してしまいました。自分も外に出て光合成しないと。。。

昨日は歯医者行くついでに『蹴りたい背中』買おう。。。と近所の本屋(入荷は早くはないが、そこそこ大きい)に行ってみたところ、江國も京極も同じ著者の『インストール』もあるのに、目的の本はない。これはもう売り切れたか、返本されてしまったかどっちかだと思って、もう1軒、今度は買い物ついでにスーパーと同じ建物にある本屋(こちらは雑誌中心でコンビニに毛が生えた程度)に行ってみたところ、みんなに聞かれるらしく棚に「蹴りたい背中は売り切れです」と書かれてた張り紙がしてありました。が、そこに売れ残りの最後の1冊が。で、そいつを買ってきて読みました。重刷は本屋の張り紙によると1月下旬とのことです。bk1も今入荷待ちのようですね。すごいな、どのくらい売れるんだろう。

それ以外は部屋ごもり。思い立ってアップルパイなんぞを作ってましたが、ビジュアル的にいまいちなものが出来てしまいました。味は同じモノを混ぜてるので問題ないのですが、少しサクサク感も足りなかった・・・。大学生の頃作ってたときにはもう少し巧くできたのにな。無塩バターも余ってるので、今度は別のものを作ろう・・・。

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フランシス『興奮』 bk1リンク

こちらもメールでのおすすめ。競馬と言えば。。。というフランシスですが、訳者が私の鬼門である菊池光氏なんですよね。それで手が出てなかったのです。1冊読んでみるかと、シリーズの中でも競馬が沢山でてきそうな1冊を選んでみました。ちなみにしおりは負け馬券です(他の時も負け馬券はしおりに再利用してるんですが)。

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04年1月19日 (月)

雪が過ぎれば

東御苑の梅。もうちょっとかな。15日の夜から、私のページのログでは、検索キー競争で「金原ひとみ」、「綿矢りさ」の叩き合いが続いています。どっちも一歩も譲りません。ちなみに3番手の10倍という大差。下手するとリンク元として一番多い「ミステリ系日記更新されてますリンク」を超える勢いです。検索キーでここまで来るのは非常に稀。すごい人気ですね。綿矢りさ氏の本の感想はこちらからどうぞ。

昨日は2レースの未勝利戦で▲石橋脩騎手が13頭中9番人気のハセノサンサンを猛烈な追い込みで3着にもってきてくれたお陰で、昨日の負けをすべて取り返して競馬は打ち止め(*1)。相方をたたき起こして予定通り光合成をしにお出かけしました。本当に天気良かったです。雲一つ無い空。

東御苑で冬の花がちらほら咲いてるということで、皇居をお散歩してみました。ここまでお天気な日中に広角レンズを持ち出すのって久しぶりで、買ってからあまり出番の無かったC-PLフィルターが活躍してくれました。ロウバイやツバキがちょうどシーズンだそうですが、既に白梅が咲いてました。平川門の工事区間手前の木はちらほら(写真)。諏訪の茶屋の前の白梅はまだでした。大手門手前のボケ?がもうほんと後少し!って感じです。春もすぐそこ?

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フランシス『興奮』 bk1リンク

*1: 実は見習い騎手大好きで、期待の石橋、松岡が乗っていると、ついつい人気薄でも買ってしまうのです。でもそれで大分儲けさせて貰ってるので、ますますお気に入り
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04年1月20日 (火)

ターンテーブル落ちた

電子レンジにはどれにもターンテーブルなるものがついていると思います。レンジに入れたものをグルグル回して、温めにムラがないようにしてくれるというあれです。たまに大きなものを入れると、はみ出してしまって回転が止まってしまったりすることもあるあれです。

随分前、あのターンテーブルを落として割ってしまった大ばか者がいました。もちろん私です。実家のレンジでは、ターンテーブルの素材は割れないような鉄板系だった気がしますが、高級感を出すためなのか、それとも何か別の理由があるのか、我が家のTOSHIBA製では陶器(恐らく)製なのです。重い上に、割れるという、ある意味実用的でないターンテーブル。案の定購入1年過ぎた辺りで落とし、真っ二つに割れてしまいました。しかし綺麗に2つになったことで、お、これなら修理も可能、とボンド(陶器もいけるらしい)を使ってくっつけて使っていたのです。

それから再び1年ほど経ちまして・・・。またしてもやってしまいました。そろそろボンドが乾ききってしまっていたのか、それとも何か隙間ができてしまったのか、また同じところから真っ二つ。やはりボンドでは接着力が小さかったようです。ここはやっぱり割れたレコードも元通りにしてくれるという、アロンアルファしかない、と瞬間接着剤アロンアルファを買ってきました。

が、さすが瞬間接着剤。位置決めが微妙な形状なのに、合わせたとたんにくっつき始めました。なんとか平らを保つような形にはしましたが、どうも若干ゆがんでます。これでも大丈夫でしょうか。おそるおそる使ってるのですが、このターンテーブルって消耗品として売ってるものなんでしょうかね。

私のようなおっちょこちょいの方、レンジのターンテーブルが割れる素材ではないか確認したほうがいいですよ。ガラスとか陶器とか、見た目で選ぶと痛い目に。

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フランシス『興奮』 bk1リンク

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池永陽『ひらひら』が文庫落ち。これで池永陽全部読めます。幻冬舎のメルマガで、ホラーサスペンス大賞受賞作が面白そうだったので高田侑『裂けた瞳』 bk1リンク を購入してきました。こちらも楽しみ。

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04年1月21日 (水)

呼称

配偶者に「相方」という使い方は失礼では?という意見があるようです。確かに辞書的には「遊郭で相手をする遊女・若衆」を指す場合があることは知っていました。メールでも「相方という言い方が気になる」とおっしゃる方もいました。メールの問い合わせには返信させていただきましたが、結構話題なようなので、一応私の見解というか、使っている理由を書いておこうかと思います。

まず、この文脈の中で出てくる「相方」を、まず遊女という意味で考える人はいないと思うのです。そして、恐らく相方=彼氏・彼女・配偶者の元となっているのは漫才の相手役としての「相方」。その漫才の世界では、相方とは非常に大切なものであると私は考えています。相方を亡くしていらっしゃる西川きよし氏なんかを見ていると、それは「仕事上のパートナー」というだけでなく「人生の上でのかけがえのないパートナー」であった雰囲気を感じます。彼らが使う「相方」には深い愛情があると思うのです。それが転じてステディな相手や自分の配偶者を表すようになったのもうなづけます。

googleで「相方」を調べてみると、結構たくさんの方が自分の彼氏彼女または配偶者を「相方」と言ってますね〜。意外と市民権を得ていることを知りました。私が最初に彼女のことを「相方」という人に出会ったのは、大学生のとき。その人は京都出身でした。関東出身の人間の多かったサークルで、その言い方はちょっと変わっているように受けとめられてました。ただ、現在ここまで普通に使われているところを見ると、もしや当時から関西では若い人の間で使われる言い回しだったのでしょうか。

また漠然と感じていたことを、googleで調べて改めて気づいたという感じですが、最近の「相方」という言い方では漫才などの芸を一緒にする相手、そして問題の彼氏彼女、夫・妻以外の使われ方はあまりされていません。さらに彼氏彼女の場合でもステディや同棲してるような相手に対して使うもので、かつて遊女をも指していた言葉から、すっぽりと遊び感覚の性的関係みたいなものが抜けてるのが面白いですね。漫才というフィルターを通すことで(実際目に見える漫才の相方同士の関係が作用して)、言葉自体が浄化されたとでも言えばよいでしょうか。マネーロンダリングみたいなものですか(違うよ)。一方これが同じような意味の「パートナー」になるとビジネスパートナーを筆頭に一気に金銭がからんできます。性的な意味で使われる例も散見されます。あえて「パートナー」ではなく「相方」が使われるのも、そんな無意識の区別があるからかもしれません。

それに旦那とか主人とか言う言い方はなんとなく嫌なんです。外では(特に年齢が上の人には)仕方なく使いますが、私は奉公人じゃないですからね。それに共働きで稼ぎも変わらない私にしてみると、なんとなく「じゃあ私の家での立場はなんなのよ」、と言いたくなる。確かそれってウーマンリブ運動が華やかなりし頃によく言われていた気がしますが、そこまで強く思わなくても、時代的に子どもの頃から「男女平等」という感覚が刷り込まれているのと、核家族や恋愛結婚が多くなることで夫婦という枠が家制度の一部ではなく、それぞれ個人的なパートナーという意識が強くなってきたのが「相方」という言葉が広がった要因のひとつでは、と思うのですが、いかがでしょうか。フツーに夫って使えばいいんですけど、それって書類とかに書く続柄でしょう。なんか取り澄ました言い方のような気がするし、しかも相方を知ってる方は、夫というとギャップを感じるのでは?(笑)。なによりそれじゃこっぱずかしいのもある。そして本当に漫才してるみたいなんですよね<我が家。大抵私がドジったりボケたりして、相方がツッコミ役なのですが(しかも大体それぞれの行動が読めるようになって、年々上手くなってる気がする)、それを見た相方の友人によく「普段もそんな感じなわけ?」と大笑いされるんですけど。と若干のろけてみたり。

というわけで、私の中では「相方」という言い方が一番愛情が感じられ、それでいて不特定多数の他人が見ているこのページ上でも、ベタベタした感じを与えないすっきりくる言い方だったんですよね。それが言いたいために、やたらと長い言い訳をしてしまいました。私の勝手な解釈なので、「やっぱり変だよ」と思われる方や不快に思われる方もいるかもしれませんが、一応若者(一応ってつけちゃうところが弱いぞ)ってことで「しかたねーなー今の若い奴は、言葉の使い方もわからんのか」程度?で許してやってください。まあこればっかりは私が「リスペクトする」が嫌いなのと同じで、つきつめると造語・新語にありがちな好き嫌いの問題になっちゃうので、どうしようもないですね。でもここまで使われてたら、『広辞苑 第7版』くらいには載ってるかも?

言葉って、本当に面白いですね。例えば「おまえ」。「御前」と言えば、昔では最上位の方を指すものだったわけですが、今は「おまえ」を他人に対して使わないですよね。ユンソナが誰かを「おまえ」と言って「おまえって言うな」と言われてましたが、本当は非常に良い意味だったのに、今では使ってはいけない言葉。清少納言が使っていた「をかし」。恐らく誰もが古典の授業で習うと思われますが、今の「おかしい」とは微妙に違う意味。恐らく1000年の間のどこかで(今の奇異の意味は平安時代末頃から表れているらしい)「おかしい」から興趣が抜けて、言い方によってはあまり良い意味ではない「滑稽」「奇異」の意味で使われるようになったのでしょう。少なくとも「あの人おかしいよね」に「すばらしい人」という意味は含まれないと思います。時代によって意味が変化する言葉は沢山あります。時代だけじゃなくて文脈でも変化するものですし、それに、社会での使われ方によって良い意味が悪い意味になったり、悪い意味が良い意味になったりすることだって多々あると思うのです。それこそ「言葉は生き物」ってことなのでは。

ちなみに我が夫は私を他人に紹介するときは「ヨメさん」と言います(あえて漢字ではなくカタカナ。そんな感じのヨメさん)。他人の奥さんを指すときも「○○のヨメさん」と言ってます。ちょっと変です。

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高田侑『裂けた瞳』 bk1リンク

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04年1月22日 (木)

椰子の実人間観察

おととい、駅でキレてる人をみました。なんと、ちょうど止まった電車のドアのところで大人同士が喧嘩してるのです。喧嘩というか、一人が一方的に手を出しているという感じだったのですが、仮に手を出している人をAさん、被害者をBさんと言いましょう。AさんもBさんもちゃんと背広を着たサラリーマン。姿形も崩れた雰囲気はなく、いかにも会社帰りといった感じ。しかしAさんはBさんを離しません。大抵こういう喧嘩だと、加害者のほうが怒鳴り出すのが通例ですが、このAさんは静かです。ただ顔を真っ赤にして、怒っているのは間違いない。最後には首を絞め始めました!ひえー周りの人たちもさすがにやべーんじゃねえか、という雰囲気で、隣にいたおじさん(こちらは明らかにサラリーマンではない競馬場で良く会うタイプ)が、二人を引き離しにかかり事なきを得ましたが、その後は二人とも電車に乗っていってしまったので不明です。雰囲気からして、一方的にAさんが悪いのかどうかはわらかないのですが、それでも係員がきて大騒ぎになったら、「下手すると暴行や殺人未遂の罪に問われる」という理性をどこかにぶっ飛ばすだけの何があったのか、それを私は知りたかった。

そんな日はすごい人に会うものです。駅前の雑貨屋で、今度は顔中ピアス(耳はもちろん、頬にも唇にも複数)の男の子を見ました。あまりのご面相にちょっと驚いたのと、もしや舌は蛇になってるかとの興味があり、思わず彼の顔を見てしまいました。するとそれだけピアスをしているのも、やはり自己顕示欲の表れなのか、私の反応に彼は少し満足そうでした。

そして雑貨屋でゴミ袋を買おう並んでいる私の隣で、「食後じゃなくても飲める風邪薬」を薬剤師に所望している金髪のお兄ちゃんがいました。それはいくつ食べても絶対太らないケーキとか、いくら飲んでも検知器にひっかからない日本酒をお願いしてるのと同じじゃないかと思っていると、案の定薬剤師も困っています。「漢方薬なら平気ですけどね〜。あまり強くない薬にしておきましょうか」と出してきたのが葛根湯顆粒。それを見たお兄ちゃん、「あ・・・」と迷っています。「これって顆粒ですか?」そりゃ箱に書いてあるからね。何が問題なわけ?しかし薬剤師は慣れたもの。「あ、顆粒は苦手ですか?」「ちょっと・・・」ちょっとってあんた、その歳になっても粉薬が飲めんかい!と私は驚きました。が、意外と多いですよね。粉薬が飲めない、錠剤が飲めない人。私は子供の頃の華やかなりし病歴のお陰で、粉薬と錠剤5個でも平気で一遍に飲めるし、水なんて10mlもあれば十分。錠剤2,3個なら水が無くても平気です(ただ「飲める」のと、それが良いかどうかは別ですが)。金髪のお兄ちゃんが「粉薬飲めない」と言ってるのは、少々微笑ましいものがありますが、もともと病気をしない丈夫なタイプなのでしょう。

世の中いろんな人がいるもんだ。

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高田侑『裂けた瞳』 bk1リンク

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04年1月23日 (金)

教えてちゃん

私は銀座の駅にいました。というか、地下を銀座の駅に向かっていました。銀座の駅の構造は結構複雑です。というか、どこからどこまでが駅の部分なのかよくわかりません。銀座の地下を縦横無尽に走る地下道と、隣接するビルの地下と直結し、ますます迷路になっています。東京の地下駅は改札を出てからが勝負です。

ただ、逆にだからこそ看板も充実しています。地下鉄には黒に黄色い字で書かれた看板・標識があちこちにあって、それを見れば目的の出口に出られます。それさえわかってしまえば、地下道をさまよい歩くこともありません。

さて、銀座駅です。最後の階段を上ろうとして、上から派手なおばちゃんが走ってきました。

「ちょっと、銀座四丁目の駅ってどっちかしら」

明らかに人にものを尋ねる言葉遣いではありません。おばちゃんにありがちなフレンドリーというか、年下を軽視する失礼さを含んだフレンドリーさです。なので私も、教えてちゃんに対する失礼さを含んだフレンドリーで返しました。

「こっちじゃないです、あっち。」

おばちゃん大仰に振り返って、「あら、そう」と言います。「何番出口?」

あんたねー私は駅員じゃないんだから、そんなどこが何番出口かなんて覚えてないよ。しかも当然銀座四丁目と言えば銀座の中心ですから、ビルの名前さえ書いてある看板に書いてないわけありません。しかも天井から下がる看板に(そこからはっきりみえる場所に2つも!)「銀座四丁目↑」と書いてあるのです。

「ほら、あそこに四丁目こっちって書いてありますよ」

私は看板を指さしてやりました。しかしおばちゃんは不満だったらしく、そのままお礼も言わずに私の指す方向に走っていきました。そして私は銀座の駅にパスネットを通そうとしているとき、そのおばちゃんは立っていた警備員に出口の場所を尋ねていました。私のいた銀座の駅は数寄屋橋のところなので、ここから四丁目までおばちゃんは何度も人に尋ねて歩くのでしょう。

『東京の地下鉄の歩き方』っていうガイド本(携帯しやすいように小さい奴)でも売れば、意外に売れるかもしれないですよ>営団・都営さん。

ただいまの読書

高田侑『裂けた瞳』 bk1リンク

面白いです。あとちょっと。

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竹内真が出ているかと思ったら見あたらず、「このミステリーがすごい!」大賞受賞作柳原慧『パーフェクトプラン』 bk1リンク が出てました。

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04年1月24日 (土)

お菓子の家

この前自由が丘スイーツフォレストに行ったんです。自由が丘って行ったことある人はわかると思うのですが、自由が丘駅では大井町線と東横線が斜めに交わってるんです。ちょうど30度ぐらい。しかし自由が丘自体は比較的碁盤の目状の道路なので、私は惑わされやすいんです。あれ、さっき踏切渡ったのにとか、同じ方向に行ってるつもりで、斜めに向かってたりとか。というわけで、何度か買い物がてらチャレンジしながら、迷ってたどり着けなかったスイーツフォレストを、ようやく発見した、というのが正しいのですが・・・。

私は何度か書いているように甘いものはちょっと苦手(もちろん嫌いではない)。特にフランスのお菓子のような「私は砂糖でできてます」みたいなのとか、「生クリーム大量」みたいなのは、ご遠慮したいタイプ。フツーの女の子が大好きなケーキバイキングとかにあまり魅力は感じません。

が。これだけお菓子屋があって、どこも良い匂いがしてて、見た目もおいしそうで、それをバイキング形式でどれでも食べられるわけではなく、どれかを選んで買わなければならない、となると超目移り。本当はル・スフレのスフレを食べたかったのですが、案の定そんな時間に行っても「本日の営業は終了しました」の看板をむなしく眺めるだけでした。しかも、本当タッチの差で終わってしまったらしく、まだ中ではお客さんがスフレを食べててかなしー。で、2番手のアップルパイを購入。

次は絶対スフレを食べるぞ。と誓う片桐でした。

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東野圭吾『幻夜』 bk1リンク

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東野圭吾『幻夜』 bk1リンク が出てました。さっそく読み始めてますが、またまた重たそうな雰囲気。楽しみです。カッパノベルスで大沢在昌『闇先案内人』 bk1リンク が、幻冬舎ノベルスで大沢在昌『砂の狩人』 bk1リンク bk1リンク が新書落ち、井上尚登『キャピタルダンス』 bk1リンク恩田陸『ドミノ』 bk1リンク が文庫落ち

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04年1月25日 (日)

綺麗に撮れてる?

綺麗に撮れてるか心配なダンスインザムード映画『シービスケット』も公開されて、観に行かなくちゃ、と思いつつも、岡部ジョッキー復帰戦ってことで中山競馬場に行ってしまいました。

復帰は7レースの条件戦だったのですが、500万下牝馬限定(しかもダート戦)というはっきり言ってぱっとしないレースなのに、パドックは最上階のベランダまで人がびっしり。まるでGIレースのよう。しかも止まれの号令がかかってからがすごい。「おかべー」「おかべー」の雄叫び。黄色い声ではありません。雄叫び。期せずして拍手が起こり、それでなくても牝馬戦なのに、狭いパドック内で馬が暴れてます。ちょっとかわいそう。馬の担当ではない係員が慌てて逃げていきました。

しかし今日のメインはなんと言っても9レースの3歳500万下の特別レース、若竹賞。注目は岡部騎手が騎乗する関東期待の牝馬・ダンスインザムード。さっきを上回るパドックの混雑ぶりに、サンデーの仔である彼女は目を真っ赤にして怒っているというか、入れ込んでるという雰囲気。さすがに岡部騎手が跨ったら落ち着きましたが、本当にこの馬が走るのか?(*1)と疑った片桐。私には前走ダイワメジャーに競り勝ったモンスターロードというふざけた名前の馬がよさそうに見えたのですが・・・でも疑ってごめんなさいだったのでした。結局今回も持ったままでゴール。余裕勝ち。

さてさて、パドックからゴール前に流れた群衆は、今度はウィナーズサークルです。そこに現れた勝利騎手・岡部を見た群衆からどよめきが起こりました。なんと、坊主になってたのです!騎手はパドックでもレースでも深いヘルメットをかぶっているので、髪型がわかりません。随分前に後藤騎手が金髪にしたときも、彼が勝利騎手となって口取り写真を撮りにきたときにビックリした覚えがあります。恐らく岡部も気合いを入れる意味以外にも、それを狙っていたのではないかと思ったのでした。しかしさらに考えて、「もしや微妙に減量できず、髪の毛を剃ってなんとか間に合わせたのか?」と私は思っていたところ、相方も同じことを言ってました。真相は闇の中です。(インタビューでは「ゼロからの出発」と言っていたそう。)

私も、今年に入ってから負けていた分を今日で取り戻したので、ゼロから再出発です。

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東野圭吾『幻夜』 bk1リンク

*1: ちなみに新馬戦は馬なりで2着に6馬身差の快勝、当然今日もほとんど元返しの抜けた1番人気。
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04年1月26日 (月)

焼き肉とBSE

「今の気温は1度です。」というニュースの言葉に、ますます寒さを感じてしまう今日このごろ。日があたってると暖かいのですが、日陰とか、風が吹いてたりすると、ブルブルブル、という感じ。

昨日は相方の誕生日だったもので、焼き肉を食べに行ってきました。鶏も牛肉もいろいろ言われてるときですが、やはりいつもの焼き肉屋は満員でした。値段も普段どおりでしたし。多分信頼されてるお店は、そんな騒動ではびくともしないものなのでしょう。でも、そういう信頼関係がなかったら、本当、今食べるものが無いですよね。

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東野圭吾『幻夜』 bk1リンク

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04年1月28日 (水)

断ったら懲役?

昨日書いたのに、アップロードするのを忘れてしまいました。。。くやしいので、そのまま今日の分にしてみます。

一昨日、裁判員制度の与党内調整が終了した、というニュースをやっていたのです。それを聞いてびっくり。いや、今まで全然知らなかったのですが、裁判員に選出されたら嫌とは言えず、しかも正当な理由(には家庭の事情や仕事の都合は入らないらしい)無く出頭しない場合には罰則もあるとか(*1)。かつ、そうやって無理矢理出頭させておいて、裁判で得た情報を話そうものなら、最悪懲役もあるって、ええーーなにそれ、恐怖政治ですか、という感じ。

さらに、その裁判員が裁くのは、最近人気の法律番組で取り上げられるような、「夫が昔の彼女の写真を大事にしまってるから離婚したい」とか、「隣の家の犬がうるさい」とか、逆に「え!なにそれ!法律を杓子定規に解釈しちゃうと、そうなっちゃうわけ?」みたいな民事の案件ではなく(それこそ社会経験豊富な人たちにそれはこっちでしょ、って言って貰いたい気が)、裁判員の票によって被告は死刑か無期懲役、みたいな重大犯罪(ということは刑事ってことなんですね)だというではないですか(*2)

ってことは「被告は人を殺したと思われますが、それは有罪ですか、無罪ですか」、っていうのを自分で判断して決めなくちゃいけないんですよね。すごく嫌。裁判中は追い回すであろうマスコミだって怖いし、世間の目だって恐ろしい。下手に有罪にして7年とかで出てこられたら、報復も怖い。次に裁判所に来るのは被害者としてだった・・・なんて笑えない事態が起きる可能性も。そりゃ法律だの規則だので多少は守られるんでしょうけど、誰もが法律を守るんだったら、そもそも犯罪なんて起きないわけで。さらに、もしこの票でこの人が死刑になると思ったら、本当に有罪に票を投じることができるのか不安。泣き落としされるのは被告ではなく、裁判員かもしれません。しかもそんな重大犯罪に出会った事なんて無いし、被告人にとってだって、「こんな分厚い調書、忙しいのに読めないよ」「この漢字わかんね〜」なんて人に裁かれるのが、本当に公平なのかどうか。さらにそれが冤罪なんじゃないか、なんてことになったら目も当てられない(冤罪事件は決して珍しいものではないです。詳細はこちら)一生負い目になりそうです。私なら1億円もらったって、そんな割に合わない仕事はしたくない。裁判官って偉い、と思いましたよ。

実際裁判員に選ばれる確率は、非常に少ない(200-300人に1人というレベル)らしいですが、もしそれが当たったときは死刑宣告を受けるようなものだ、と思うのは私だけでしょうか。なんかこれこそ「社会経験豊富な人に市民感覚で」論じて貰いたいところです。裁判員制度導入のメリットが全くわからないのも、賛成できない理由。

そしてここに裁判員制度大反対と書いておくことで、将来「裁判員の資質をチェック」の段階で不合格の判子を捺されることを願うところです。

参考

  • 司法制度改革推進本部-裁判員制度・刑事検討会
    こちらも意見募集の結果には、「断れないのはおかしい」という意見が少なくない。また、裁判員の資質に対する疑問が多い。結局「法学部出身」「最低でも大学卒」とかなるなら、裁判官に裁いて貰う(難しい司法試験に合格してるんだから、少なくとも試験問題を理解し、解答できる頭脳は持ってるんだろうし)のと同じじゃん、と思うのは変なのかなあ。
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天童荒太『幻世の祈り 家族狩り第一部』 bk1リンク

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新潮文庫が出てました。有栖川有栖『絶叫城殺人事件』 bk1リンク恩田陸『ライオンハート』 bk1リンク 、乃南アサ『結婚詐欺師』 bk1リンク bk1リンク が文庫化。森博嗣『女王の百年密室』 bk1リンク は、既に幻冬舎でも文庫化されてるので、再文庫化ですね。天童荒太『幻世の祈り 家族狩り第一部』 bk1リンク が出ました。『家族狩り』を基礎にして完全に作り直した、という作品。読み始めてますが、確かに全然違うようです。しかし前のを完全に覚えてるかと言えば、ちょっと怪しくもあり(笑)。続けて「95年版」 bk1リンク も再読したくなりそうな気もします。ちなみに95年版も残るそうなので、未読の方はどっちから読むか、迷いそうですね。

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04年1月29日 (木)

10年後・・・

この前じいちゃんと金融投資の話をしてたのです。するとじいちゃん「俺らが10年のなんてもう要らないが、おまえらはまだ若いから10年債とかならまあそこそこの利回りになるんじゃないか」と言うのです。が、アナタ、10年前を考えてみましょうよ。時は1994年。まだインターネットは日本には入ったばかり。私も大学でようやく接続した頃でした。あのころYahoo!株を買っていれば、数年後のネットバブルの時代に1億円になっていました。私は初めて携帯を買ったときだったように思いますが、今の3倍ぐらいの厚さがあったように思うし、まだメールなんてできませんでした。徐々に出始めて話題になっていたのはCDMAOneでした。山一証券だってまだ生きていました。社会の変化もそうですが、逆にじいちゃんたちと違って私の年齢の10年はプライベートでも変化が大きい時期だとも思うのです。10年前は私はまだ大学生だったし、10年後も同じ場所に通ってるなんて思ってもいませんでした。10年の間に結婚もしたし、引っ越しもしたし。3年後もわからない時代に、10年なんて長いもの、それって結局ハイリスクローリターンってこと?

昨日はとうとう薄く丸められるディスプレーが実用化できるメドが立ったというニュースが流れていました。まだ白黒だそうですが、カラーになるのも時間の問題でしょう。気づくと、柱とかに貼られたポスターも、紙のポスターに見せかけて、実はディスプレー(時間によって内容が変わったりして)になったりして。そう言えば、人の動きに反応する街頭メディアのニュースもありました。組み合わせたらすごいことになりそう。壁を広告がついてきたり・・・(ちょっと気持ち悪い)。まだプラズマディスプレイも厚さ10cmありますから、これが本格的に使えるようになれば、壁紙がディスプレイになってるなんてことも、テレビ大好き日本人ではあり得るかも。

なんかこのところ、魔法のような技術が次々出てきてますね。そう言えば来年愛知万博ですが、85年の万博のときに隆盛だった3D画像なんて玩具にしか見えなくなるようなものが出てきそうですね。

ただいまの読書

柳原慧『パーフェクトプラン』 bk1リンク

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04年1月30日 (金)

都会のカラス

家の近くに2車線のちょっと太めの幹線道路が通ってるのですが、そこを渡ろうと信号待ちしていたときのことです。ちょうど車がとぎれたところで、一羽のカラスがその道路の真ん中で何かをしていました。なんともなしに見ていると、そこへ車が再びまとめてやってきたのです。あ!カラス危うし・・・と思ったら、その嘴でつついていたモノを慌てて手放し、横っ飛びに逃げました。カラスって意外と飛ばずにちょこちょこ走って逃げたりしますよね。何でなんでしょうね。いざというとき、やはり飛ぶ、という動作は時間がかかってすぐにはできないものなのでしょうか。

しかしカラスはその手放してしまったモノが諦めきれないようです。車列を恨めしそうにながめて、少しでもとぎれると、元いた道路の真ん中に戻ろうと反復横跳びを繰り返してします。フットワークはとても軽いです。さすがです。

何度か車に轢かれそうになりながら、反復横跳びを続けていたカラス。とうとう信号が変わる直前になって、その道路の真ん中に残してきたモノを再び口にし、慌てて道路脇へと走っていきました。しかし、彼?が命を賭けて取り戻したのは何だったのか、結局わかりませんでした。

都会のカラスは今日も元気です。

ただいまの読書

柳原慧『パーフェクトプラン』 bk1リンク

ちょっとフツーの誘拐劇ではない様子。どんなオチが待ってるのか楽しみ。

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辻原登『ジャスミン』 bk1リンク が面白そうだったので購入。竹内真『真夏の島の夢』 bk1リンク は大学近所の本屋では入荷してくれないようなので、bk1に注文しちゃいました。

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04年1月31日 (土)

ウィルス撃退

MyDoomとか言われるウィルス、非常に激しいですね。最初に「あれ、どうしたのかな」と思ったのは先週の頭頃でした。ASAHI-NETのメールアドレスに1時間おきにウィルスメールが来てるのです。ウィルスバスターがバチバチ立ち上がって、ガシガシ削除していました。相方に「今日すごいウィルス攻撃に遭った」と言うと、「ああ、増えてるらしいで」とのこと。私だけじゃなかったかと少しホッとしましたが、日を追うにつれてひどくなり、翌日だったか、翌々日だったか、私の見ているパソコン系メルマガにも「感染拡大の恐れ」と出始めたのでした。

今回のもメールアドレスを偽装するやつのようですが、その偽装されたアドレスは、恐らく誰かのアドレスなんですよね。中には非常に長い(スパムを嫌って長くしたのであろう)携帯アドレスやら、明らかに会社のものと思われるアドレスやら、あーこれって公開されちゃ困るんじゃないかなぁと思われるアドレスも大量にあって、感染してる人は責任重大ですよ。

面白いのは、私はこのASAHI-NET以外にも5つほど普段使いわけてるメールアドレスがあるのですが、ASAHI-NETと同じくらい使っているもう一つのプライベートアドレスには全く来ないんです。ASAHI-NETのアドレスはホームページでも公開してるし、片桐裕恵名義でのメールのやりとりはすべてこれでしてるので、明らかに広く公開してるのが原因。もう一つのプライベートアドレスは、メールの受信が主で(でもASAHI-NETよりも受信量は多い)、このアドレスでの送信はほとんどしていません。もちろん公開もしてません。やはりメールアドレスは絶対公開しない受信用(メルマガ受信とか、サイト登録とかに使ったりする)と、パブリックに使う普段使い用(これにはウィルスチェックを常にかけ、Outlookなどの危険なソフトウェアは絶対に使わない)、あとHTMLメール受信用(は今は某webメールサービスを使用。絶対にメールで受信はしない)くらいに分けたほうがいいかもしれないですね。

でもこういうことがあると、普段は暇なウィルスバスター君が、支払い相応の働きをしてくれてることがわかって、ちょっと安心です。

ただいまの読書

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