1997年04月

封印再度(森博嗣) 瞬間移動死体(西澤保彦)
天狼星(栗本薫) 天狼星U(栗本薫)
蝶の墓ー天狼星Vー(栗本薫)
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封印再度

著者森博嗣
出版(判型)講談社
出版年月1997.4
ISBN(価格)4-06-181959-3(\900)【amazon】【bk1
評価★★★★

詩的私的ジャックに続く第5作目。しかし、森さんが書かれた順から言うと、すべてがFになるに続く作品です。
今回は「F」で話題となった『取り出せない鍵』が命題です。さて、鍵は取り出せるのでしょうか?私は、儀同さんが持っている鍵が取り出せるのかの方が気になっているのですが、誰か判った方がいらっしゃったら、教えて下さい。
もうひとつこの小説の核となっているのが、萌絵ちゃんと犀川先生のラブストーリーなんですね。「詩的私的ジャック」から萌絵ちゃんと犀川先生の仲が微妙に変化したように思うのですが、今回は萌絵ちゃんのあるいたずらから二人の仲が一気に進行(?)します。
「詩的私的ジャック」の感想で、犀川先生の性格を『かなりひねくれた(ある意味で純粋な)』、萌絵ちゃんの性格を『かなり素直な(ある意味で幼い)』と書いたのですが、本当にそのとおりでした。こんな二人だから起こる衝撃的な結末(?)を是非楽しんで下さい。
ところで、今回の本は推薦が京極夏彦氏なんですね。私は特に帯の一言が気に入って(ある登場人物が<言う>言葉なのですが)、いつもは捨てる帯を付けたままで取ってあります。だからここで、その言葉を使って締めくくりましょう。----ごちそうさま。


■入手情報:講談社文庫(2000.3)

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瞬間移動死体

著者西澤保彦
出版(判型)講談社
出版年月1997.4
ISBN(価格)4-06-181958-5(\800)【amazon】【bk1
評価★★★

今回はテレポートする人物のお話しです。またまたいろいろ条件が付いている機能なのが、西澤さんらしいのですが。
ロサンジェルスにいる妻を殺そうとして、主人公はテレポーテーションを使いますが、機会を逃して何もせず戻ってきてしまいます。しかし、そのロサンジェルスの別荘に別の死体が。そこで、テレポーテーションの限定条件が関わってきます。
毎回毎回いろいろな機能を取り込んでそれをトリック(?)の一部に取り入れる西澤さんの才能に脱帽です。

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天狼星

著者栗本薫
出版(判型)講談社文庫
出版年月1989.7
ISBN(価格)4-06-184475-X(\540)【amazon】【bk1
評価★★★★

伊集院大介VSシリウスの最初の事件です。ファッションモデルが次々惨殺されていきます。誰がシリウスなのか。また、何故モデルが次々殺されるのか。カニバリズムを含めて、ちょっとグロい話でもあるのですが、私は伊集院シリーズの中では一番好きな作品です。

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天狼星U

著者栗本薫
出版(判型)講談社文庫
出版年月1990.11
ISBN(価格)4-06-184803-8(\540)【amazon】【bk1
評価★★★

今度は日舞に舞台を移して、伊集院大介とシリウスが対決します。日舞の名花と言われる芹沢胡蝶をめぐって、伊集院大介とシリウスが死闘を繰り広げます。

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蝶の墓ー天狼星Vー

著者栗本薫
出版(判型)講談社
出版年月1993.3
ISBN(価格)4-06-206289-5(\1500)【amazon】【bk1
評価★★★

2作目で胡蝶を追って姿を消した伊集院大介が再び戻ってきます。今回は竜崎アキラという少年の目を通したお話になっています。この竜崎少年はどのように関わってくるのか。シリウスと伊集院大介との闘いに終止符は打たれるのか。がこのお話しの醍醐味です。


■入手情報:講談社文庫(1996.3)

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