-エンドトキシンの生物活性(2)目次-
B.細胞レベルでのエンドトキシンの作用
b. 接着分子(adhesion molecules)発現に対する効果
★接着分子up-to-date
C.エンドトキシン結合タンパクとレセプター
★トール様受容体(toll-likereceptors; TLR)
-エンドトキシンの生物活性(3)目次-
D.エンドトキシンエンドトキシントレランス
★エンドトキシントレランスの機序についての新しい説明
b. 接着分子(adhesion molecules)発現に対する効果
1) 接着分子について(58)59)の総説を参考にした)。
前述したように、エンドトキシンを投与すると一時的に血中好中球が減少するが、これは好中球が血管内皮細胞に接着することによる (circulating
poolの減少とmarginal poolの増加)。最近、これはエンドトキシン刺激で発現された好中球の接着分子と、血管内皮 細胞の接着分子の選択的結合によるものであることがわかってきた。そこでここでは最初に接着分子について概説し次にエンドトキシンとの関わりについて触れ
る60)。
接着分子は細胞同士の接着のための単に「糊」として機能するばかりでなく、細胞の機械的な接着というみかけの機能を通じて外界を認識するあるいは外界の情
報を細胞内に伝達するという機能をもっていることが次第に明かになってきた。(液性因子と細胞表面の結合部位はそれぞれリガンド、レセプターと呼ぶが、接着分子同士では、片方がレセプターとした場合は一方をカウンターレセプターと呼ぶことがある)。
表4に接着分子ファミリーをあげた。