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「いや、最良の芸術形態のうちには、
完全にその場かぎりのものだっていくつかあるさ」
(F.Leiber, “猫の創造性”より)
[写真1]・彩雲
太陽と同じ側の空に掛かった雲の縁に、あるいは中に斑に、 赤や緑のパステル調の色が着くことがあります。 これが彩雲 (さいうん) です。 英語では cloud iridescence とか、iridescent cloud と呼びます。 ほんの少し、申し訳程度に色がつく場合から、 かなり鮮やかな場合まであります。 景雲や慶雲、瑞雲などとも呼ばれ、昔は、吉兆を示すものとも思われていました。 「古来、天にあらわれた、めでたいしるしの随一のものとさえいわれる」 (“空の色と光の図鑑”より引用) ほどですが、実際は「ちぎれ雲が空を流れている時には大体いつでも見られるほど、 非常にありふれた現象」 (“太陽からの贈りもの”より引用) で、一度見つけると、かなりたやすく見つけることが出来るようになります。 めでたいしるしがありふれているのであればうれしいですけれどね^^;。
さて、この現象が見られる仕組みは、基本的には 光環と同じで、 雲の水滴による光の回折です。 太陽から来た光が比較的均一な大きさの水滴の集まりを通過すると、 光の波長と水滴の大きさに応じた縞模様を作ります。 一方、雲の縁近くでは、雲の水滴がどんどんと蒸発していっています。 そうすると、水滴の大きさは (雲の縁に近付くほど小さいサイズで) 揃う傾向になります。 この二つを合わせると、雲の縁からほぼ雲の形に沿って、色が着くことになります。 色が淡いのは、他の波長の光(の縞)も幾らか混ざってしまうからです。 見えやすい色は、赤、緑、青の順のようです。
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彩雲は、高層の巻雲や巻層雲や巻積雲、高積雲などでよく見られます。 水滴の蒸発が盛んで、どんどんと雲の形が変わっていくような時や、 強風に雲が運ばれていく時には、 一瞬の間に色の変わっていく彩雲も見ることができます。 これは、もちろん、色が太陽に対する場所と水滴の大きさに依存しているからです。
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太陽に非常に近い位置だと、光環と彩雲は区別が付けづらいことが、 というかあんまり厳密に区別は出来ないような場合もあります。 筆者の考えとしては、太陽を中心とする円形、もしくはその一部に近ければ光環、 雲の形に依存したような形であれば彩雲、と思っています。
広い範囲で雲の中に鮮やかな色が現れる、 環水平アークが、 彩雲と誤解・誤認識されることもあるようです。 しかし、環水平アークは各色がはっきりとしていて (特に、 青色が彩雲では環水平アークほどきれいに現れないことが多い)、 かつ横に長く現れるなどの違いがあるので、 判っていればだいたい見分けられる思うのですが、 見分けづらいことも多いようです。 そういうのも引っくるめて広義の彩雲と呼ぶことも考えられるでしょう。
NHKの朝の連続テレビ小説“まんてん”の 2003/3/4, 5 放送分で、 “にしき雲 (彩雲)”として登場していました (漢字で書くと“錦雲”でしょうか)。 影から推測される太陽の方向に対してずいぶん離れたところを見ているぞ^^;、 というのはおいておいて、 解説パネルに書いてあることはだいたい正しかったようです。
(last modified: 2003/03/08)E-Mail: aya@star.email.ne.jp