SyncBlink
ユーザをナビゲートするシステムで重要な課題の一つに、
提示された情報と現実世界の事物とのマッチングがあります。
たとえば画面上の地図に進むべきルートや曲がるべき交差点が明示されていても、
それらが目の前のどの道・どの交差点に対応するかに自信が持てなければユーザは迷ってしまいます。
SyncBlink は、環境側の各案内表示とユーザ端末が同期して刺激を発することにより、
どの案内表示が目的のものであるかを容易に識別・確信できるようにする手法です。
ユーザ端末側の刺激としては視覚・聴覚・触覚などを使うことができ、
歩行中やパーソナルモビリティの運転中等、さまざまな状況に対応することが可能で、
複数の同じ・別々の案内を複数のユーザに同時に行うことも容易です。
綾塚 祐二,
“SyncBlink: 同期した刺激によるナビゲーション”
in 情報処理学会研究会報告(2013-HCI-154(1)) (
第154回情報処理学会ヒューマンコンピュータインタラクション研究会, No.1)、Aug. 2013, pp.1-5
[PDF]
GhostTweet
Twitter などの短い文を用いたコミュニケーションのために、
手を掛けずとも発信が可能で、掛けられる手数に応じて自由度が増す新たな作文手法
完成文変更方式を提案しています。
既存の文章入力システムでは文を先頭から入力していき、
文末まで入力したところで文が完成し、その途中は中途半端な状態です。
完成文変更方式では、自動生成され完成した文が提示され、
それをカスタマイズして意図に近づけていきます。
その実装へ向けた第一段の試作として、
位置情報に基づき自動的に複数の候補文を生成してユーザに提示し、
発信のできるシステム GhostTweet を試作しました。
綾塚 祐二, 那和 一成,
“GhostTweet: 短い文の入力のための新たなパラダイム”
in 情報処理学会研究会報告(2012-HCI-149(6)) (
第149回情報処理学会ヒューマンコンピュータインタラクション研究会, No.6)、Jul. 2012, pp.1-5
[slides]
[PDF]
ChatScape
ユーザがテキストメッセージを打って発言すると、
自動的に二枚の写真が撮られ投稿される、ビジュアルコミュニケーションシステムです。
各発言は漫画のコマのようにレイアウトされます。
それぞれのコマで二枚の写真はランダムに切り替わって表示され、
全体の一覧性を損なわずにさまざまな瞬間的な「動き」を表現します。
ビデオチャットと違い「発言したとき」のみ撮影されるので、
「ずっと見られている」状態にはならず、気楽に使うことができます。
Yuji Ayatsuka,
Nobuyuki Matsushita,
Jun Rekimoto,
“ChatScape: a Visual Informal Communication Tool in Communities”
in CHI 2001 Extended Abstracts, Apr. 2001, pp.327-328
[PDF]
綾塚 祐二,
松下 伸行,
暦本 純一,
“ChatScape: 画像と文字で日常を記録するコミュニケーションシステム”
in
WISS 2000, Dec. 2000,
日本ソフトウェア科学会,
pp.39-44
[PDF]
ChatScape+
写真や手書きの画像に対して描き足して行くことを強調し、
それを効果的に見せることに主眼をおいたシステムです。
ChatScape の写真と文字によるメッセージが時系列でタイル状に並べられるレイアウトをベースに、
複数のコマが同期して変化することによるスレッド表現などの手法を取り入れています。
それにより、多くのコマの一覧性と、
会話や書き込みのやりとりの流れの判りやすさとを同時に実現します。
綾塚 祐二,
“描き足していくことを強調した手書きコミュニケーションツール”
in
WISS 2004, Dec. 2004,
日本ソフトウェア科学会,
pp.9-12
[PDF]
AlbumWeaver
「一日で撮られた数百枚の写真」は、
一枚一枚の写真の集合として扱うには数が多く、
かといって動画のような連続性はありません。
このようなメディアを擬連続的メディアと名付け、
それを扱う方法を研究しています。
AlbumWeaver は写真群をアルバムとして整理するためのアプリケーションです。
フォルダ内を一つのアルバムとして扱い、
動画を編集したり文章を編集したりするのと同じようにアルバムを編集しよう、
というコンセプトです。
たくさんの写真を、折りたたんだり並べ替えたりして、
見やすい枚数にまとめていきます。
まとめ方は複数保存できるので、
スライドショー用、ウェブ用などを別々に管理することができます。
→ AlbumWeaver web site
綾塚 祐二,
“Album Weaver: 密度の高い写真群からアルバムを紡ぐ”
in
WISS2007, Dec. 2007,
日本ソフトウェア科学会,
pp.7-12
[PDF]
tranSticks
ネットワークで接続された機器は、
ケーブルを引っ張りまわしたりせずとも様々な機器と繋がります。
しかし、「眼の前にあるこれ」と「あそこにあるあれ」
を繋ごうとすると「名前」などを確認する必要があり不便です。
また、今、どれとどれが繋がっているかが判りにくかったりします。
tranStick を使うと、
同じ印(ラベル)をつけたメディアを挿した機器同士が接続されます。
あたかも途中の線の部分がないケーブル (Wireless Wire) のように、
抜けば接続が切れますし、差し替えて接続を切り替えることが可能です。
ケーブルの長さが足りなかったり、こんがらがったりすることはありません。
tranStick はメモリーメディアとして実装されているので、
「こちらのメディアに入れたデータをあちらから取り出す」
という機能も持っています。
長大な暗号鍵を内蔵しているので、
煩雑な設定なしに安全なデータの転送を行うことができます。
Yuji Ayatsuka,
Jun Rekimoto,
"tranSticks: Physically Manipulatable Virtual Connections"
in
CHI 2005 Proceedings, Apr. 2005,
pp.251-260
[PDF]
綾塚 祐二,
暦本 純一,
“tranStick: 空間を越えて仮想的に繋がったメディア”
in
WISS2003, Dec. 2003,
日本ソフトウェア科学会,
pp.93-102
[PDF]
[video]
Gaze-Link
接続先を指定するための別の直感的な方法として、
カメラを備えた計算機により「見る」ことで接続する対象を指定する
Gaze-Link メタファを提案します。
対象は、カメラで認識可能な二次元コードなどの ID を用いて認識します。
過去に認識したものの写真を選ぶことでも接続することができます。
綾塚 祐二,
松下 伸行,
暦本 純一,
“実世界指向ユーザインタフェースにおける「見ているものに接続する」というメタファ”
情報処理学会論文誌, pp.1330-1337, Vol. 42, No. 6, 2001,
情報処理学会
綾塚 祐二,
松下 伸行,
暦本 純一,
“「見ているものに接続する」というメタファによる実世界指向ユーザインタフェース”
in
Interaction 2000, Feb. 2000,
情報処理学会,
pp.181-188
[PDF]
[video]
UbiquitousLinks
RFIDリーダを備えた端末で、RFID タグを取り付けた実物体を「クリック」
することで、リンクされたウェブページへ飛ぶことができます。
楽曲のウェブページを表示しておいてスピーカを「クリック」
することで演奏を開始させたりもできます。
綾塚 祐二,
暦本 純一,
松岡 聡,
“UbiquitousLinks: 実世界環境に埋め込まれたハイパーメディアリンク”
in 情報処理学会研究会報告(96-HI-67) (
第67回情報処理学会ヒューマンインタフェース研究会)、1996, Vol.96, No.62, pp.23-30
[PDF]
HyperPalette
個人が持ち歩く小さな計算機と、
環境に埋め込まれた大きな画面を持つ計算機とのインタラクションとして、
「小さな計算機を大きな画面の操作デバイスとして使う」
「小さな計算機の画面の拡張として大きな画面を使う」手法などを提案しています。
小さな計算機にジャイロセンサを搭載することで、
掬う・広げるなどの動作により計算機間のデータのやりとりを行うことも可能になっています。
Yuji Ayatsuka,
Nobuyuki Matsushita,
Jun Rekimoto,
“HyperPalette: a Hybrid Computeing Environment for Small Computing Devices”
in CHI 2000 Extended Abstracts, Apr. 2000, pp.133-134
[PDF]
綾塚 祐二,
松下 伸行,
暦本 純一,
“HyperPalette: PDA を利用する複合計算機環境”
in WISS '99, Dec. 1999,
日本ソフトウェア科学会,
pp.109-118
[PDF]
[video]
ShownPass
モバイル通信が普及し、
自分の端末と目の前にある機器 (プリンタなど)
がインターネットを介して繋がっていても、
「LAN内からのアクセスしか許可しない」
などのセキュリティポリシーによりアクセスできないことが多々あります。
「ユーザがある機器に物理的に接近することが許されている」ことと
「そのユーザに (一時的に) その機器の利用が許されている」
ことがおおよそ一致する場合も多いでしょう。
そこで、時間とともに自動的に変化するパスワードを表示する部分を機器のそばに設け、
そのパスワードを用いることによりそのリソースにアクセスができるようにするという方法を提案します。
物理的に機器の近くにいれば容易に知ることができても、
そうでなければ知ることのできない情報を基準にして利用許可を行うのです。
パスワードが時間とともに変化するので、一度利用したユーザでも、
その場を離れた後は利用できません。簡便かつ柔軟に、
ネットワークのトポロジーとは独立に、
実世界の状況に基づくアクセス制御を行うことができます。
Yuji Ayatsuka,
Michimune Kohno,
Jun Rekimoto,
“ShownPass: an Easy Access Control with a Displayerd Password”
(Interactive Poster)
in CHI 2003 Extended Abstracts, Apr. 2003, pp.984-985
[PDF]
綾塚 祐二,
河野 通宗,
暦本 純一,
“ShownPass: 表示されたパスワードを用いたアクセス制御”
in
Interaction 2003, Feb. 2003,
インタラクション2003 論文集,
情報処理学会,
pp.155-162
[PDF]
Fractal Codes
フラクタルコード(Fractal Codes)
は一つのコードの内側に小さなコードが敷き詰められており、
小さなコードが認識できない離れた位置からでも、
外側のコードがカメラの画角からはみ出してしまう
ような至近距離からでも、どれかのコードが認識できます。
ID の一部は複合コード内での相対位置を表すようになっており、
どのコードを認識しても、
複合コード全体の座標系が判ります。
これにより、離れて見るとマップ全体が俯瞰でき、
近づくと個々のキャラクターの動きを見られるといった AR
ゲームなどがカメラのみで実現できます。
Yuji Ayatsuka,
"Fractal Codes: Layered 2D Codes with a Self-Similar Layout" (Demo)
in
Pervasive 2007 Advances in Pervasive Computing, May 2007,
pp.83-86
[PDF]
綾塚 祐二,
“Fractal Codes: 自己相似的に配置される二次元コード”
in
WISS2006, Dec. 2006,
日本ソフトウェア科学会,
pp.101-106
[PDF]
[video]
Active CyberCode
二次元コードの一種である CyberCode を拡張し、
固定部分に加えてに可変部分を設けることで、
そこを指などで隠したりすることで操作を行えるようにしたものです。
二次元コードの拡張として操作の認識を行うので、
低コストかつロバストな認識が行え、
AR アプリケーションなどにおいて、
ユーザは印刷されたボタンを押すことで現れた CG
などに対して操作が行うことができます。
Yuji Ayatsuka,
Jun Rekimoto,
"Active CyberCode: A Directly Controllable 2D Code"
in
CHI 2006 Extended Abstract, Apr. 2006,
pp.490-495
[PDF]
綾塚 祐二, 暦本 純一
“Active CyberCode: 直接操作できる二次元コード”
in
WISS2005, Dec. 2005,
日本ソフトウェア科学会,
pp.3-8
[PDF]
Popup Vernier
GUI おけるドラッグなどの操作で「1ピクセル以下」
の移動を表現するために、
オブジェクトの背後に拡大されたピクセルのグリッドを表示し、
それを移動方向と逆向きに動かします。
1ピクセル以下の移動量は、ノギスなどで用いられる副尺 (バーニア)
を応用し、グリッドの端の目盛で表します。
Yuji Ayatsuka,
Jun Rekimoto,
Satoshi Matsuoka,
“Popup Vernier: a Tool for Sub-pixel-pitch Dragging with a Smooth Mode Transition”
in
UIST'98,
Nov. 1998,
pp. 39-48
[PDF]
Layered Penumbrae
物体の三次元的な操作を行う際に、物体の影は高さの手がかりとしてとても有効です。
しかし、単純な正射影の影では複数の物体があったときに混乱するような場合が生じます。
層状半影 (Layered Penumbrae) は、本影と二層の半影を用いることで、
高さの手がかりを強化します。
アルゴリズムも描画方法もシンプルで、低コストに判りやすいフィードバックが提供できます。
Yuji Ayatsuka,
Satoshi Matsuoka,
Jun Rekimoto,
“Layered Penumbrae: a Effective 3D Feedback Technique”
in
APCHI '98,
Jul. 1998,
pp. 202-209
[PDF]
Yuji Ayatsuka,
Satoshi Matsuoka,
Jun Rekimoto,
“Penumbrae for 3D Feedback Technique”
in
UIST'96,
Nov. 1996,
pp. 165-66
[PDF]