第6章 体のしくみ

監修:VFE06605 pokorin


1 視野や嗅覚はどれくらいあるの?


1)視覚
 ウサギの視野は広く、片眼当たりの視覚範囲は170〜190度です。ほとんど自 分の背後まで見えているようです。その反面、両方の目で同時に見える部分はとても 狭く約10度程度しかありません。つまり、広くは見えますが物の識別がつきにくく (立体的に見えにくい)、認識力に欠けるようです。逃走する事で生き延びている弱 い動物であるウサギは、視野が広い代わりに近距離の物は見えにくくなっています。

 ウサギは人間や高等な哺乳動物のように、瞳孔を瞬時に広げたり縮めたり出来ませ ん。そのため、明るさに対する適応は低いようです。太陽のさんさんと照る日中は目 を細めてまぶしそうにしている事からも、よく見えていないようです。また、ウサギ を明るい日なたから急に暗い部屋に入れた時も急激な明暗の差に目が適応できずにい るはずです。反対に、ウサギのレンズは多くの光を集める事が可能(光への感度は人 の8倍に及ぶそうです)なので、わずかな光の中でも比較的よく見る事ができます。 この事から、よくウサギは夜行性だといわれています。しかし、ウサギは薄暗がり( 明け方と日暮れ頃)の中で活動する動物といえます。

2)嗅覚
 ウサギの鼻には匂いを嗅ぎ分けられる100万個もの細胞があります。だから嗅覚 はとても優れていて、あのよくピクピクと動く鼻で揮発性のごく僅かな匂いまでも嗅 ぎ分けられるようです。オシッコで臭い付けをしたのはどのウサギなのかを識別でき るほどの鋭い嗅覚を持っています。
 ウサギの鼻は敏感なため、ある種の匂いに不快感を覚える事があります。例えば焦 げた匂い、焼肉とかの匂い、特に匂いの強い洗剤や香水などはウサギには強すぎるよ うです。

3)聴覚
 ウサギの耳の形はまるで細長い「じょうご」のような形をしていることからも解る ように集音効果は高く、音をすばやく聴きとることができます。左右の耳は独自に動 いて、その音の方を向く事ができます。360度の物音を聞き分けられ、どこからか 聞こえて来るかすかな音でもその音の位置を確認する事ができます。特に高音域の金 属やセラミックが触れる音に敏感に反応するという話もあります。
 このように、ウサギは音に対してとても敏感なので、ドアをバタンと閉めたり、大 きな声を出したり、犬が近くで吠えたりする事はウサギを恐がらせます。またそれが 逃げだす(パニックになる)原因にもなります。このような大きな音は立てないよう に注意する必要があります。

4)味覚
 ウサギは8,000種類の味を判別するそうです(犬は48,000種類)。しか し、ウサギの味覚は自分の好き嫌いのためにあり、有毒な物を判別することはできな いようです。だからウサギに有毒な物(毒草など)は飼い主が事前に取り除いてあげ なければいけません。

5)触覚
 触覚の刺激は身体の表面全体で感じます。また、頬ひげはウサギの住んでいる場所 の幅を計るのを助け、暗闇の中で道を見つけたりするのに役立っているようです。そ のためにも、ひげは切ったり、引っ張ったりしないように注意する必要があります。 ( 本章 3 参照)


2 どのくらいジャンプするの?


 ウサギのジャンプ力は一般的に高さで50〜60センチ、幅で1メートル位です。 情報として、犬と追いかけっこをしているウサギの場合、加速すれば3メートル位は 軽く飛べるというのもありました。また、高さに関しても足を掛けながら飛び越える ような形なら1メートル位は飛び越せるでしょう。この事から、低いテーブルや椅子 や本棚などには簡単に飛び乗ってしまいます。

 飛び乗るのは簡単ですが、飛び降りるのは苦手のようです。中途半端な距離だと、 視力の関係から距離感を認識出来ないまま飛び降ることがあるので、ケガをする可能 性があります。ウサギが良く飛び乗る家具は、飛び乗れないように防護するか、降り た時にケガをしないように(フローリングの床なら足下が滑らないようにマットを敷 くなど)気を付けてあげて下さい。


3 ひげ切っちゃったけど、大丈夫?


 野性のウサギの場合には、猫と同じように、自分の通り道の幅を計ることなどにひ げを使うようです。ペットとして飼っている場合では自然に抜けていたり、他のウサ ギとじゃれているうちに抜けたり、ちょっとした不注意から抜けたりすることもある ようですが、1〜2本くらいならすぐに新しいひげが生えて来るので特に影響はない ようです。しかし、一度に全部のひげが抜けてしまった時(切ってしまった時)には 飼い主が注意観察して、様子がいつもと違うようならウサギの周りに危険なものがな いかどうかを確認した方がいいと思います。ひげは大切な役割を持っているので、興 味半分で(特に子供などが)抜いたり切ったりしないように注意しましょう。


4 ウサギが鳴くって聞いたけど、本当なの?


 ウサギには声帯が無いので普通は鳴きません。しかし、ペットとして飼われている ウサギの多くは、食道などをうまく使って、声を出して意思表示をします。怒ってい る時、喜んでいる時など感情によって違う種類の音を出します。
 出生後すぐの子ウサギの頃には「キュキュッ」「クククッ」などと本当に鳴くこと ができるようですが、それもごく限られた期間だけのことのようです。ただし、大人 になった後でも高くて「キャンキャーン」というような声を出して鳴く場合がありま す。これはウサギが恐怖を感じた時や、病気で苦しい時にだす悲鳴といってもいいで しょうこの鳴き声を聞いた時はウサギを注意して観察してあげて下さい。

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