第5章 ウサギを理解する

監修:VFE06605 pokorin


1 ウサギって夜行性なの?


 一般に夜行性といわれているようですが、明け方と日暮れ頃に最も活発に活動する そうです。これはウサギの視力に関係しているようです。(視力については  第2編 第6章 体のしくみ 1 参照)
 じっとしていることが多い昼間でも人がいれば動き回りますし、電気を消したり ケージに戻されたりすると夜でも寝ますので、ある程度人の生活時間に適応すること ができるといえます。


2 ウサギは目を開けたまま寝るって本当?


 ウサギは目を開けたままで寝ることができます。ウサギは弱い動物なので不意に襲 われてもすぐ逃げられるように身構えているためだと思われます。ただし、よくよく 見ると寝ている時はうつろな目をしていたり、瞬膜(目頭のところにみえる薄い白い 膜)が目の中程までニューッとのびていることもあるようです。水鳥がやるように手  足を隠して丸くなり、目の焦点がぼけていたら寝ていると思っていいでしょう。
 また、寝ている時には、ひげ等の顔に生えている長い毛がピクピクと小刻みに震え ていたり、しきりに歯をこすり合わせていたりします。時には、ビクッとして足をば たつかせたり、船をこいでいたりもします。
 家庭で飼っているウサギの場合は、熟睡する時は完全に目をつぶって寝ることもあ ります。
 ウサギの睡眠時間がどれくらいとは一概には言えませんが、多くのウサギの場合、 食事時間と朝夕などの活動時間以外は寝ていることが多いようです。


3 首の下を物にこすりつけるのはなぜ?


 あごの下に臭腺があり、そこから臭液が出ます。その液をものにこすりつけて猫の ように自分のテリトリーを主張しています(猫の場合は目の上にあります)。一応オ スでもメスでもしますが、オスの方に多いともいわれています。家の中では、イス、 テーブルの脚、自分のケージ、餌入れなど尖ったものや突起物に良くするようです。
 また、人間や自分以外の動物に対しても自分に属すると主張したりします。


4 オス・メスの性格や行動って違うの?


 性格の違いはオス・メスというよりも個体差の方が大きな要因だと思います。
 行動も、性別ではっきりしているのは、オスのオシッコ飛ばし(テリトリー主張や メスへの求愛行動、自分より下位のウサギに対する力の誇示)と、メスの巣作り行動 ぐらいだと思います。
 発情行動は雄雌関係なくありますが、メスは乗っかられると尻尾を上に向け、お尻 を突き出すような仕草をし、キュプキュプというような独特の鳴き声をあげるようで す。(発情行動については 第3編 第4章 発情 4と5 参照)
 同性のウサギが複数いる場合は、オス同士は発情期になるとけんかをしますが、メ ス同士では比較的仲良く暮らすようです。


5 喜怒哀楽の表現ってどんなのがあるの?


 ウサギって寝てばかりだし、鳴かないし、反応が無いし、つまらない…と思われが ちです。でも一緒に暮らしてよ〜く見ていると、ちゃんと全身で喜怒哀楽などいろい ろな感情を表現しています。以下にその例をあげてみます。

<うれしい時、楽しい時、喜んでいる時>

<怒っている>

<甘えている時、愛情の表現>

<怖がってる、警戒している、興奮している、驚いている>

<悲しんでいる>

<すねている>

<遊んで欲しい、かまって欲しい、おねだり>

<気持ちいい、安心している>

<好奇心を持っている時>

<いらない時、邪魔にする時>

<顔に水などがついて、気持ち悪い>

<服従を表す>

<叱られた時>

<気づいて欲しい時>

<痛い時>

<オシッコをひっかける時>

 これらが全てのウサギにあてはまるものではありません。自分の家のウサギがどの ように感情を表現するか、よくよく観察して自分のウサギの言葉を是非探してみて下 さい。


6 人を噛む癖がついたらどうすればいいの?


 人を噛む癖がどうしてつくのかはわかりませんが、大体、次に挙げることが原因と 考えられます。
  1. しつけをするために無理強いをしたり、ウサギのことをよく理解しないで すぐに怒ったりすると噛まれることがあります。また、その時に必要以上に 叩いたり、噛まれた時に応戦して余計攻撃的にしてしまう場合にも、ウサギ を怒らせて噛まれることがあります。
  2. 子供の頃(まだ本気で噛むことと甘噛みすることの区別がつかない時)に 上手に教えることができなくて、甘噛みと本気で噛むことの区別がついてい ないことにより、強く噛むことがあります。
  3. ウサギの嫌いな臭い(例えば漂白剤などの刺激がある臭いの場合)が人間 に付いている場合、攻撃的になってその部分を噛むことがあるようです。ま た反対に、ウサギの好きな食べ物の匂いがついている時に指などを間違って 噛んでしまうこともあるようです。
  4. 鼻先に手を差し出すと、反射で噛んでしまいます。
  5. 「いや」という意思表示(通り道を塞いだり、いやがることを無理矢理や りすぎる時など)の場合に噛むことがあります。
  6. 性別で考えると、オスの場合は自分のテリトリーを主張するために噛むこ とがあります。メスの場合は出産を経験したウサギは母性本能が強くなり噛 むようになることがあるようです。
  7. ウサギがなめている途中で突然噛みつく場合があります。
 ウサギに噛み癖がついた時には、なかなか簡単には治りません。
 一応、噛んだ時の対策として個々の原因に対してあげてみました。

  1. ウサギに噛まれた時に軽く鼻ピン(鼻先を指ではじく)をして、いけない ことだと教える方法が有効な場合があります。しかし、これもやり過ぎると 反対に攻撃的になる可能性がありますから注意が必要です。
  2. 赤ちゃんウサギによくありますが自分の歯のテストを人に対してする時が あります。この時期は甘噛みとの区別がつかない時なので、小さめの声でキ ーキーとかギャーギャーとか言ってみてください。この音によってウサギが 噛んではいけないことだと理解するようです。よく犬や猫など動物の子供が やるように兄弟同士で遊んでるうちに、どの程度で噛めば痛くないのかを理 解することと同じと考えて下さい。
  3. ウサギをさわる前になるべく手を洗うようにしたりするなど、余計な臭い をつけないようにします。
  4. ウサギの鼻先には、特に目の高さで近づいて来るような状態で手を出さな いことです。反射で噛まれます。なれると噛まなくなる場合も、あるようで す。
  5. つねるような感じでぎゅっと噛む時は、人の体や他のウサギが進路をブロ ックしている時によくするようです。その時は退いてあげて下さい。
  6. オスの場合は去勢をした場合に噛む癖が治る場合があるようです。たぶん テリトリー意識が薄れるためだと思います。メスの場合も同じように避妊手 術をした後ではおっとりとする可能性があります。
  7. なめている時にいきなり噛むのは、ウサギ同士で毛繕いをしている時に毛 にゴミがついていると噛んでとってあげる習性があるためです。だからこの 時も叱らないであげて下さい。あまり思い切り噛むようだったら(2)のよ うに声を出すと少し噛み方がゆるくなります。
 以上の対策がすべてとは限りません。最終的には、ウサギのことをよく理解して接 することが必要だと思います。例えば、しつけをする時にもできないからと叱るので はなく、できたことを誉めてあげましょう。ウサギを余り興奮させずに、優しくして あげる方がウサギといい信頼関係ができるようです。

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