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『切り抜き情報』
2003年6月15日号

【免疫力を強める】

発行者・マルジナリア研究所

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◎渋みのもとであるカテキンに効用あり

◎緑茶の抗がん効果

◎痴呆防止に赤ワイン

◎がん抑制にりんご生ジュース

◎出回り始めた介護食品

◎免疫力を高める効果を持つバナナ

◎抗がん効果のあるヤクルト菌


【文献 1】

渋みのもとであるカテキンに効用あり

2000/03/14『朝日新聞朝刊』

[お茶には様々な成分が含まれている。中でも、渋みのもとであるカテキン類は最も研究が進み、抗がんや抗菌など様々な作用があるらしいことが明らかになっている。埼玉県立がんセンター研究所の中地敬専門調査員らは、四十歳以上の約八千五百人について、一九八六年から追跡調査をしている。調査開始から十年間にがんと宣告されたのは四百十九人いたが、うち、緑茶を一日十杯以上飲む人の平均発症年齢は三杯以下の人より、女性で約七・三歳、男性で約三・二歳遅かった。発症を遅らせる効果があるという結果だが、がんになるリスクを下げることでもあるという。藤木博太所長によると、動物実験などから、カテキン類が有効成分とわかった。]

[がんは、遺伝子が突然変異した細胞が異常に増殖することで発症するとされる。静岡県立大学薬学部の中村好志助教授(衛生化学)によると、カテキン類は突然変異を起こす物質と反応して変異が起きて遺伝子に傷ができても修復力を高めたりして、がんの「芽」が出るのを抑えるなどの作用がある。また、「芽」が出ても、育ちにくくしているという。]

[昭和大学医学部の島村忠勝教授(細菌学)は、カテキン類には、インフルエンザを防ぐ効果もあるという。細菌やウイルスの感染を防いだり、その増殖を抑えたりするからだ。島村さんらは、約三百人を半々に分け、秋から春までの五ケ月間毎日二回ずつ、紅茶エキスでうがいをしてもらった。その結果、きちんと実行していたのは六割だけだったのに、「うがい集団」のインフルエンザ感染率は三五・一%で、「非うがい集団」の四八・八%より低かった。島村さんによると、動物実験も実施して、有効成分は紅茶の製造過程でカテキン類から変化した物質であることがわかった。緑茶のカテキン類でも同様の効果があると考えられるという。「病原性大腸菌O157をはじめとする食中毒菌や、院内感染が問題になっているMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対しても効果がある。」

[さらに、静岡県立大学短期大学部の小國伊太郎教授(食品栄養学)らの研究では、胃かいようの原因といわれ、胃がんとの関連も指摘されるピロリ菌の活動を弱めたり、除菌したりすることがわかった。このほか、血糖値の上昇を抑える、「善玉コレステロール」の濃度を上昇させてきた。]

[静岡県立大学食品栄養科学部の横越英彦教授(栄養化学)らは、テニアンを摂取した人と水を摂取した人の脳波を比較する実験をした。脳が安静状態のときに現れるとされるα波の出現頻度は、水を摂取した人は平均で一時間当たり百五十回、時間数では九分だったが、テニアンでは二百五十回、十四分だった。お茶には興奮作用があるカフェインも含まれているのに、飲むとリラックスするのはなぜか。横越さんは実験はお茶を使っていないのではっきりいえないとした上で、「テニアンがかかわっている可能性があるという。]

[カフェインには別の効用もある。静岡大学農学部の杉山公男教授(栄養化学)らは、動物実験で、ウイルス性肝炎に近いタイプの肝障害の発生を抑えることを突き止めた。]

[また、発がんを抑えるのはカテキン類だけではない。中村さんらは、動物実験で、他の成分にも同様の作用があることを確かめており、成分の特定を急いでいる。]

[お茶の効果をより発揮させるには、どんな工夫をしたらいいのだろうか。中村さんによると、お茶にしたとき、カテキン類がより多く含まれているのは、番茶や茎茶、粉茶などだ。また、動物実験で、えさを食べる十分前にお茶をとったネズミの方が、えさと一緒にとったネズミよりも胃がんのリスクが下がったとみられる結果が出たことから、食後よりは食前に飲んだ方がいいという。]

[これに対し、藤木さんは「がん予防には一日十杯以上」と薦める。]

[ただ、埼玉県立がんセンター研究所の調査では、十杯以上飲んでいたのは、男性で三○%、女性で一三%だけだった。たくさん飲むのはなかなか難しそうだが、十杯以上の多くは、食事時以外でも口にしていたという。]

[インフルエンザを防ぐには、「お茶で一日二回以上うがいを」と島村さんは言う。濃さは飲用の半分くらいでもいい。つくりおきでも、二、三日はもつ。食中毒予防には、食事中か食後に飲むのがよいという。]

[入れ方によっては、成分を調節することもできる。大妻女子大学家政学部の大森正司教授(食品学)によると、同じ葉でも、水出しするとテニアンなどのアミノ酸が、ぬるめのお湯だとカテキン類が、熱いとカフェインがそれぞれより多く抽出され、効果が異なってくるという。勉強前には九○度以上で、寝る前は四○−五○度で入れるなど、変えるといいそうだ。]

[大森さんは、お茶を「食べる」ことも勧める。「お茶の葉にお湯や水を入れて出てくるのは、水に溶ける成分のせいぜい六○%。葉の重さのうち、○・五%にすぎない。食べることで、水に溶けにくいたんぱく質や植物繊維、ビタミンもとることができる」 食べなくても、抹茶や粉茶を使えば、食べたのと同じことになる。せん茶をすりばちですりつぶせば、家庭でも簡単に粉茶をつくれる。]

[でがらしも捨てずに利用したい。おかかやゴマなどを混ぜてしょうゆをたらせば、おかずや酒のつまみになる。また、二、三回電子レンジにかけて乾燥させたものを粉にして料理に混ぜてもいい。]

(お茶の成分 乾物中)

カテキン類……玉露(中級)10.79 せん茶(中級)13.56 番茶12.33 ほうじ茶8.32 抹茶6.20

カフェイン……玉露(中級)3.10 せん茶(中級)2.80 番茶2.02 ほうじ茶1.93 抹茶3.52

テニアン……玉露(中級)1480 せん茶(中級)1210 番茶── ほうじ茶── 抹茶1790

(単位はパーセント。テニアンはミリグラムめ100グラム。(注)抹茶はカテキン類とほぼ同じ物質の粗タンニンの値) 『茶の科学』(朝倉書店)などをもとに作成

20030531記

【文献 2】

緑茶の抗がん効果

20000611『朝日新聞朝刊』緑茶。

[カテキンの有効性を見いだしたのは静岡県立大短期大学部の小国伊太郎教授(食品栄養学)だ。厚生省の「人口動態統計」で、県内のがん死亡率が男女とも全国平均より低いことに着目し、実態を調べるために一九六七年から十五年をかけて全市町村を歩いた。その結果、通常の一・五倍の緑茶を飲んでいる茶産地では、胃がん死亡率が全国平均の八割台だった県平均をさらに下回り、二−六割台であることが分かった。この傾向はほかのがんにも当てはまった。小国教授がこうした結果を動物実験を通じて明らかにしたのは八五年ごろ。世の中はまだ「半信半疑の反応」だった。しかし、そのうちに多くの研究者が緑茶の効能について報告し始め、いまでは小国さんのデータは広く引用されるようになった。カテキンには高血圧や高脂血症、高血糖など、現代人の生活習慣病を防ぐ可能性があることも分かってきた。]。

[静岡県では農水省野菜・茶業試験場(金谷町)や県茶業試験場(菊川町)、大学や民間の研究機関で茶の研究が進んでいる。静岡大では京都府立大や伊藤園中央研究所とともに、細胞の突然変異を防止する効果や腫ようの増殖を抑える働きの研究を進めている。緑茶研究の歴史はまだ浅いが、日本一の生産量と全国の集散地という役割だけにとどまらず、健康や医学にすそ野を広げた新産業の拠点になりつつある。]

米ヒューストンのテキサス大学MDアンダーソンがんセンター。がん患者に緑茶の抽出物を投与し、最大許容量と安全性を確かめている。[テキサス大が試している緑茶の抽出物は、静岡県相良町にある伊藤園中央研究所が提供した。]。関心を持ったテキサス大が四年前、独自のがん予防効果の研究のために協力を求めてきたのがきっかけとなった。[前がん症状の患者を対象に、発がん作用の抑制効果や、前がん細胞を消滅するような作用があるかどうかを見いだしたい」と担当のウォン・キー・ホン教授は話す。すべての試験と分析を終えるには十年はかかるとみられる。]。

[緑茶の主な成分と効用。

カテキン 発がん予防 抗腫よう 抗酸化 血中コレステロール低下 血圧、血糖上昇防止 血小板凝集防止 口臭防止など。

ビタミンB 糖尿病予防 肩こり、腰痛防止

ビタミンC 動脈硬化防止ストレス解消 風邪防止

ビタミンE 老化防止

カロチン 発がん防止

カフェイン 覚せい 利尿

フッ素 虫歯防止

テアニン カフェイン打ち消し作用 リラックス効果

フラポノイド 口臭防止

多糖類 血糖低下

(小国伊太郎・静岡県立大教授調べ)

   20030614記

【文献 3】

痴呆防止に赤ワイン       

 赤ワインの薦め。〔腕動脈が太くなることから、動脈壁の最も内側にある血管内皮細胞の機能が改善される可能性〕など。2002/02/25/『朝日新聞朝刊』/

ポリフェノール。赤ワインに圧倒的に多い。

〔このポリフェノールが、病気や老化を招く体の酸化を防ぐことがわかった。次いで、ポリフェノールの中でも特にリスベラトロールに、がんを抑える働きがあることが明らかになった。メルシャン酒類研究所(神奈川県藤沢市)の佐藤充巳所長は、「最近注目されているのが、痴ほう症を抑制する効果です」という。90年代にフランスのボルドーで高齢者を調べた二つの疫学調査により、ワインを飲む量と脳欠陥障害、脳神経障害などとの関係が明らかになった。ワインを適量飲む人は、飲まない人に比べ、認識障害が少なく、アルツハイマー症の発症率は約4分の1、その他の痴ほう症も約5分の1で、調査期間中の死亡率も約30%低かった。(中略)

大内尉義・東大教授(老年病学)らは、赤ワインを飲むと腕動脈が太くなることから、動脈壁の最も内側にある血管内皮細胞の機能が改善される可能性を示した。吉川純一・大阪市大教授(内科)らは、同様に心臓の冠動脈の血流量が増えることを確かめ、心臓を保護する効果があるとみている。〕

【文献 4】

がん抑制にりんご生ジュース

「りんごの生ジュースには、がんを抑える効果がある」と城田安幸助教授2002/05/24/『朝日新聞朝刊』/

[「りんごの生ジュースには、がんを抑える効果がある。青森県・津軽地方にある弘前大の城田安幸助教授が23日、こんな研究成果を明らかにした。今秋の日本癌学会総会で発表する。リンゴの消費減退に悩む地元も期待している。研究は城田助教授が7年前から続けてきた。マウスを10匹ずつ5群に分け、群ごとに違う飲み物を与え、45日後にがん細胞(マウスの繊維肉腫)を植え付けて経過を観察した。2%生ジュースの群は、がん細胞が小さくなったり消えたりして8匹が治り、水の群は7匹、その他の群は4〜5匹が死亡し、平均寿命は50〜40日だった。リンゴから抽出したポリフェノールやペクチンの抗がん効果に関する報告はあるが、生ジュースは初めて。城田助教授は「マウスに与えた量は人間なら1日コップ1杯程度。取りやすい食品であることに意味がある」と話している。]

【文献 5】

出回り始めた介護食品

介護食品が増える。キューピー、日本ハム、旭松食品など。

2002/03/06/『朝日新聞朝刊』/

〔キューピーは1月、市販用介護食のシリーズ「やさしい献立」に10品目を新たに加えた。〕比較的元気な高齢者の「大きめの具を」との要望に応えたもの。また介護を受ける人と家族も同じ料理を食べられるようにしたものも。〔高齢者向けに日本ハムは先月、レトルトタイプの肉と野菜の煮物「元気いっぴん亭」を発売した。(中略)同社は昨年、かむ力が弱っても食べられるやわらかいソーセージも出した。(中略)同じ商品でも食材の粒が残るきざみ食タイプとペースト状のミキサー食タイプの二つを用意したのが、旭松食品の「カットグルメ やわらか百菜」シリーズ(通販のみ)だ。3年前に発売を始め、現在60種類まで広げた。(中略)冷凍だが、いずれも電子レンジなどで温めても溶けないゼリーで固めてある。〕

〔商品の食べやすさややわらかさについての表記は各社ばらばらなのが現状だ。このため、業界では4月、業界団体の「日本介護食品協議会」を設立し、統一した基準づくりを始める。日本缶詰協会によると、市販ゃ通販の家庭用介護食品は、4年前ごろから増えてきたという。(中略)例えばキューピーの場合、やわらかさについて「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくて良い」と4区分して表示している。〕

【文献 6】

免疫力を高める効果を持つバナナ

帝京大学薬学部の山崎正利教授ら、バナナの効果が際立っており、免疫賦活剤よりも高かったと/バナナは体内の酸化を抑える効果も。現金沢大学大学院客員教授の大久保一良氏ら/

2002/07/06/『日本経済新聞朝刊』/

バナナの効用。[帝京大学薬学部の山崎正利教授らは、体内の免疫機構で重要な働きをする白血球の働きの変化に着目。体内に異物が入ったときに白血球の一種「マクロファージ」が分泌する腫瘍壊死(しゅようえし)が増える割合と、バナナの関係を調べた。TNFはウイルスやがん細胞を殺す働きを持つ。バナナの汁をマウスに注射した後、感染症を受けたような刺激をマウスに与えて血液中のTNFの量を測定した。バナナ果汁を与えたマウスのTNFの量は、生理食塩水を与えた例より百倍以上も多かった。スイカや、ブドウなど果実でも確かめたが、バナナの効果が際立っており、がん治療に使われる免疫賦活剤よりも高かったという。

「最初に実験結果をみたときは手順を間違ったのではないかと思った」(山崎教授)  もっとも、バナナのなかの免疫力を高める物質や、人間へ効果のほどは、まだはっきりと分かっていない。山崎教授は「たんぱく質やビタミンなどの五栄養素以外に、食物には約一万種の非栄養素成分がある。このなかの複数の成分が総合的に働いているのではないか」とみる。]

[バナナは体内の酸化を抑える効果があるという研究報告もある。()東北大学大学院農学研究科教授(現金沢大学大学院客員教授)の大久保一良氏らは、食物が持つ抗酸化の力を光で補足する方法を独自に開発。この技術で五十種以上の食物について抗酸化力を調べたところ、バナナが最も高かった。]

【文献 7】

抗がん効果のあるヤクルト菌

ヤクルト本社、乳酸菌飲料に使う「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(ヤクルト菌)」など菌2種のゲノム(全遺伝情報)を解読/

2002/09/15/『日本経済新聞朝刊』/

[ヤクルト本社は乳酸菌飲料に使う「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(ヤクルト菌)」など菌二種のゲノム(全遺伝情報)を解読した。

ヤクルト菌の遺伝子数は約三千とみており、約三万−四万とされる人間の十分の一前後という。()。ヤクルトは腸の働きを改善するヤクルト菌などに抗がん機能の活性化などの効果があるとみて研究を続けてきた。今回のゲノム解読もその一環。]

【日録・余録】       

20030531

小生が言いたいのは、いざという時、介護する人が、患者との日々の接触において、手っ取り早く、何を為すべきか、ということである。「手っ取り早く新聞」と思うし、「手っ取り早く免疫力をつける」ことだ」と思う。


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