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韓国
Korea

 北村の伝統的家屋群ハノクの瓦。とってもリズム感があります。

 その国の運命は世界の中での位置関係で定まると記したのは、ベトナムに行った時でした。中国に接していたばかりに、南北分断の憂き目に会う宿命がそこにはあったのですが、そんな思いを更に強く持たざるを得ないのが日本のお隣、朝鮮半島です。ベトナム、ドイツが統一を果たした今でも唯一分断が続くここ朝鮮半島。でもその運命は現代ばかりではなく、長い歴史の中で一貫してさらされてきた宿命ともいえるもの。大陸の端に位置している国と、海洋に浮かぶ島の国では全く歴史の過酷さが異なるのです。

 例えば半島と中国の関係をみれば、朝鮮半島は長い間中国の冊封体制に取り込まれ、定期的な朝貢が欠かせなかった訳だし、その中の一時代である高句麗、新羅、百済の三国時代では、敵の敵は味方という構図で、唐から離れていた新羅がしっかりと唐と組み、間に挟んだ百済をまず滅ぼし、続いて高句麗も滅ぼして半島を統一したように、常に中国とのパワーバランスを考えなければいけなかったのです。日本も冊封された時もありましたが、その束縛は遥かに小さかったはずです。
 
 またちょっと下って蒙古襲来の時はといえば、半島の高麗は蒙古に戦乱の果てに占領されて属国になり、日本に攻め込む役を負わされる一方で、日本は神風が吹いて助かる訳だし、逆に秀吉の時代には日本から荒らしに行ってしまったし、更に日清戦争後には中国に変わって台頭した日本によって再び翻弄され、そしてその占領からようやく解放されたと思ったら、朝鮮戦争により未だに南北間は戦争状態にある・・・正にそんな歴史の連続なのです。
 
 そういう目で朝鮮半島を見てみると、彼らが熱い民族であることがなんとなく分かる気がしました。そうでなければ生きていけなかった、いやそうやって生きながらえた人たちが今そこにいる。そんな宿命を背負っているロケーションなのです。
 
 でも、世界の中では逆に日本の方が特殊なのでしょう。そもそも日本人のDNAの構成をみてみると、その昔から北方や南方から多くの系統が五月雨式に渡ってきて、でも特に争いも無くそれぞれに住み着いてしまった結果が読みとれるそうな。台風以外は温暖な気候、豊かな自然は、人々が争うことなく暮らせるだけの恵みをもたらしてくれる。だから日本は負け組の最後の逃げ所、生存競争に敗れた民族の行き着く所、正に究極のヘイブンなのです。朝鮮半島から百済滅亡、高句麗滅亡の際にその支配層がその都度日本に逃避し、渡来人として日本に様々な文化をもたらしたようなことがしばしば起こっていたのでしょう。
 
 そんな日本と韓国の違いを頭に入れつつ、一番近い外国に初めて足を運んでみました。韓国発行の観光案内を開くと独島(ドクト)の写真なんかがしっかり載っていたり、日本海は東海と標記されているけれど、まあ今回はあまりそういうのを気にしないことにしましょう。

 羽田から国際線には乗るのは31年振り、成田開港直前以来です。行き先はソウル中心ですが、やはりエクスカーションを入れたい。さて、慶州はいいけれどちょっと南過ぎる。ではその手前の安東にしよう、などといいながら旅行の組み立てをしていきました。

朝食
午前
昼食
午後
夕食
ホテル
初日
羽田発のJAL便で金浦空港へ。メールで頼んでおいたジャンボタクシーの手配が間に合わず、声を掛けてきたおじさんの車で宿へ
9時頃食べた機内食というか空弁がランチに 宿から仁寺洞でお買い物、お茶などしてぶらぶら。続いて清渓川を通りながら観光公社まで行き、列車の予約を取る。 北村の端、三清洞スジェビに歩いていき、すいとんとチヂミを 北村の一軒家
Arirang House
2日目
宿徒歩1分の食堂で太巻き、麺など 歩いて昌徳宮へ行き、10時の日本語ツアーで見学。やはり見応えはある。 地下鉄構内のベーカリーで買い、宿で。結構日本の値段 昌徳宮から宋廟まで歩いていき、ゆったりと見学。廟こそがここの特徴か。ものすごい雷雨に合い、ずっと雨宿りしていた。 明洞に出向き焼肉を。まあ観光地の店だった 同上
3日目
近所のお粥屋で粥をブランチとして 南大門市場で店を冷やかす。結局キャスターバッグを買う。
宿の後に広がる北村の散策。北村文化センターから北村八景など路地から路地へと歩き回る。冬ソナのロケ地もある。
歩いて龍水山の本店へ。宮廷料理というか韓定食をお腹一杯
同上
4日目
カップ麺とおにぎりを宿で スーツケースを次の宿に預け、清涼里からムグンファ号で安東へ。ゆっくり4時間半乗る。車内は実に賑やかだった。 駅や車内で買ったおにぎり、サンドイッチなど 陶山書院にバスで行き見学。まあ観光地だった。もう少し時間があればゆっくり見られたのに。
安東名物チムダクを市内の食堂で。甘くて旨い。
安東パークホテル
5日目
ホテル指定の近くの食堂で朝定食 河回村へバスで行く。朝一はのんびりだったけれど、どんどん韓国人観光客が押し寄せてきた。村は見事。 市内のテイクアウトで、ハンバーガー、サンドイッチなど 午後の列車で再びソウルへ。空いていた列車は行きと同じでソウル近くは混む。清涼里駅から地下鉄を乗り継いでホテルへ。
タクシーをすっ飛ばし、豚焼肉を食べに行く。ここも旨かった。
パークハイアットソウル
6日目
ホテルカフェで豪華なビュッフェ お買い物デー。先ずは向かいのCOEXMallへ。 結局朝のビュッフェの食べ過ぎで、昼食抜き 次は結局ロッテデパートに来てしまった。5時に手配したジャンボタクシーで空港へ。夜10時前に羽田着。でも家まではさっと着く。
機内食が夕飯になった。

 普通韓国というと、3泊4日か2泊3日が殆どですが、マイレージの消化で行くにしても、行くからにはしっかりと見たいということで、こんな日程になりました。まあソウルは快適な現代都市ですが、地方を訪ね出すと、日本でもそうなように幾らでも行きたいところが出てきます。交通機関や宿がしっかりしていますので、ハングルに慣れれば多分とても快適に旅行出来るでしょうね。でも慣れそうにないかも。

 

漢江越しに見るソウルの町並み。密度は日本の倍近くあるのではないでしょうか。
これだけでなく、どこでも建築活動の勢いの凄さを感じます。結構壮観ですね。