連載コラム・藤子な瞬間


月刊FFMM 2001年4月号(2001/04/03発行)より




▼その7「ヒゲ男」

 現実の出来事や日常生活の中でふと「こんな場面がマンガにあったな」と思う事はありませんか。それが「藤子な瞬間」です。ここでは私が体験した「藤子な瞬間」を紹介していこうと思います。第7回はA先生のブラック短編から「ヒゲ男」です。

 先日、たまっていた写真を整理していたところ、1年前の写真が出てきたのでついつい見てしまいました。その中には自分が写っているものもありまして、それを見て思い出したのが「ヒゲ男」です。

 理由は簡単、当時の私がヒゲを剃っていなかったからです。ちょっとした山の中で合宿生活のような状態だった私は、その間(約2か月半)ヒゲを剃るのをやめていました。でも・・・あの主人公みたいに仕事が好転したりはしなかったですねぇ。
 我ながら「美しくない」と思ったこともあって私は、山を下りる前にヒゲを剃り落としたのでした。一年経った今、改めて当時の写真を見てもやっぱり「剃った方がマシ」と思うわけで、「ヒゲ男」みたいに「自分のヒゲを保存したい」なんて思うこともなく、私は、当時も今も平和に暮らしています。

<『ヒゲ男』あらすじ>

 主人公はさえないイラストレーター。町で偶然会った男に勧められてヒゲを生やしたところ、個性と自信が生まれて売れるようになってきた。そんなある日、ヒゲを生やすことを勧めた男と再会したのだが・・・。さて、この男は何故主人公にヒゲを生やすことを勧めたのだろうか。

<収録>

●愛蔵版ブラックユーモア短篇集(中央公論社)
●ヒゲ男(奇想天外コミックス/奇想天外社)
 ほか

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