日本全国郷土玩具バーチャルミュージアム:民芸館:秋田県篇(4)


しんこ細工・犬こ■
横手の正月には、「犬こ市」があります。この市にならぶのが名物の「しんこ細工」の犬こです。犬の他にも龍、鶴、亀、三宝、などがあります。米の粉(新粉)が材料なので保存ができなかったのですが、保存用に紙粘土製のものも作られるよになりました。
 この犬こは、小正月の夜にくる悪魔を追い払う霊力を持つといわれ、その夜、各家の戸口や窓際に飾って、悪魔払いの守り神としました。また、泥棒除けのまじないとして家の出入り口にも置かれたものです。
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祭りの前日には、
市役所前で「ぼんでんコンクール」が開かれます。
 
ぼんてん
梵天奉納祭の「ぼんてん」をミニテユア化したものです。
■梵天奉納祭(ぼんてん祭り)■
横手市郊外の旭岡神社で2月17日(もとは旧正月17日)に行われ、250年以上の歴史があります。
地元の人達は少しなまって「ぼんでん祭り」と呼んでいます。
ぼんでん」というのは、祭りに奉納される御幣(ごへい)のことです。
祭の日は各町内や職場から、そろいの印ハンテンを着た若者達が、ほら貝を吹きならし「ジョヤサ、ジョヤサ」の掛声とともに、ぼんでんをかついで、旭岡山神社の本殿に先陣を競ってどっと突っ込み、さらにはげしくもみ合い御堂に奉納を競う、豪華、勇壮な行事です。

■ぼんでこ棒(祝儀棒)■
 1月17日、旭岡神社の梵天奉納祭に、参道で売られます。この「ぼんでこ棒」と上記の「ぼんでん」はなんの関係もないものですが、両方の語呂と形が似ているところから、いつのまにか祭りの土産物とされるようになりました。
 この祝儀棒は40センチ位の柳やコシアブラなどの白木を、削り掛け縮みという技法で削り着色した繊細な手工芸品です。
「祝儀棒」は明治時代までは、全国各地にみられた「祝い棒」の習俗の一つであり、子供がたくさん生まれ、豊作を祈る予祝儀礼ででした。
製作者記録:高橋幸一:横手市神明町11-13 TEL:0182-32-8575
◆(註)記事中の制作者の記録は、1995年頃の調査資料ですので、ご了承下さい。

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(1996.06.01掲載/2000.08.13/2002.06.27/改訂)