日本列島・全国郷土玩具の旅

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----宮城県篇・第1回----

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宮城県郷土玩具ガイド(掲載されていないもの、廃絶品を含みます)
唐桑町:さっぱ船。弾き猿。風車。
気仙沼:土人形。日の出凧。
鳴子町:鳴子系こけし。
南郷町:左仲天旗(そうちゅうてんばた)(天旗=凧)
作並温泉:作並系こけし。
秋保温泉:こけし。
遠刈田温泉:遠刈田系こけし。
鎌先温泉:こけし。一文天狗旗。
小原温泉:こけし。
白石:こけし。
仙台:堤人形。仙台張り子。木ノ下駒。ぽんぽこ槍。蘇民将来。こけし。
施設
日本こけし館:宮城県玉造郡鳴子町尿前....TEL:0229-83-3600
       12月16日〜3月31日、休館。鳴子駅、西、徒歩15分。

みやぎ蔵王こけし館(蔵王町伝統産業会館):刈田郡蔵王町遠刈田温泉新地西裏山
                 TEL:0224-34-2385(蔵王町役場、商工観光課)
参考情報リンク
宮城県ホームページ(宮城県公式ページ)

CPH・全国郷土玩具マップ→宮城県
    堤人形,仙台張り子の福助。左仲天旗(そうちゅうてんばた)。
    創作こけし。みちのく和紙人形.。伝統こけし。木地玩具。


◆(註)記事中の制作者の記録は、1995年頃の調査資料ですので、ご了承下さい。



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木ノ下駒
 木ノ下駒は東北の代表的な木馬の一つに上げられ、青森の八幡駒、福島の三春駒と共に有名な馬玩具でした。
 木ノ下駒の起源は、陸奥の多賀城に国府があった時代からということです。
 その頃、国府の長官から、朝廷の8月の公事「駒牽(こまひき)」に馬を献上していました。その馬は木ノ下薬師堂で催される「駒市」で選抜されていましたが、選ばれた馬には胸に「馬形」という木で小さく馬の形に刻んだものを下げて都へのぼりました。
 それをまねて作られた木馬が、下薬師堂の祭礼や、岩沼市の竹駒神社の初午祭の露天で売られるようになりました。
 しかしこの有名な「木ノ下駒」も製作者の後継がなく、現在では残念なことに、途絶えているようです。
 製作者記録:(2001年、調査では作者とは連絡がとれません)菅野実:仙台市若林区連坊1-1-24(旧資料)

松川だるま■(次の仙台張り子、参照)
仙台張り子の中でもよく知られているのが、このだるまです。正月の縁起物として売られ、前面の腹に描かれた飾り模様には、宝船、えびす大黒、滝のぼり、一富士二鷹三茄子、十二支、その他があります。(掲載のものは、鯉の滝のぼり)
 明治44年刊「うないの友」には、「仙台産松川達磨、伊達の藩士松川豊之進という人の達磨を作り発売せしものなりとぞ」と記されていて、松川だるまの名前はこの藩士からとったものと考えられますが、別の説ではこの松川豊之進は実在していないともいわれています。
■仙台張り子:夫婦福助・おぼこ
 福助は本来は男性一人ですが、夫婦福助は一対の夫婦に作られています。だるまのように「起き上がり」になっています。
 おぼこは、張り子の首人形といった感じのもので、紙や布の着物を着せて遊んだものと思われます。
製作者記録:佐藤吉夫:仙台市青葉区堤町2-10-10 TEL:022-233-6409
製作者記録:「本郷だるま店」本郷けさの:仙台市青葉区柏木1-3-7 TEL:022-233-5658


■堤土人形・芥子
 次ぎの堤人形の一つの型で、高さ5センチほどの男女一対の童の座像。  この土人形については、「玩具と縁起」(昭和10年。佐藤潔著)に、「堤焼の便所の神ー便所の隅に棚を作り二体を祀り、便所の守神とす。或は縁談、出産を祈願し、念願叶う時は新しき一体を添え返納する。又友引の葬式には棺中に此れを入れ友引をさくるにもちいう」と記されています。
堤人形
 この堤人形は、岩手の花巻人形や山形の相良(さがら)人形と共に、東北の三大土人形の一つとして有名です。
 堤人形は、花巻や相良と比べて、まず種類の多いことが特徴で、しかもそれらはよく知られている型ばかりです。制作している芳賀家に所蔵されている土型は200個余りにのぼるといわれています。
製作者記録:芳賀 強「芳賀堤人形制作所」:仙台市青葉区堤町1-9-15 TEL:022-275-1133
製作者記録:佐藤吉夫:仙台市青葉区堤町2-10-10 TEL:022-233-6409


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(1996.07.01掲載/2001.03.05/2002.07.03/改訂)