日本全国郷土玩具バーチャルミュージアム:民芸館:秋田県篇(2)



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イタヤ細工
 上の「イタヤ狐」はイタヤカエデの幹を輪切りにして削ったものです。下の「親子馬」は篭を編む要領で作られています。
 イタヤ細工は、イタヤカエデの若木の幹を帯状に裂き、それを編んだもので、本州の北緯40度以北には竹が育たないため、このような材料が使われてきたといわれます。
 角館(かくのだて)町雲然(くもしかり)の集落は、イタヤ細工の民芸品で知られています。
製作者記録:菅原昭二「イタヤ工房」:仙北郡角館町雲然字荒屋敷231 TEL:0187-53-2609

押し絵雛
 これは、各家庭で子供の節句のために作られていたものです。掲載は角館の高橋さんの作品。
中山土人形
 この人形は、大伴黒主(おおとものくろぬし)とおいらん、熊谷と敦盛、常磐御前、雛人形など、歌舞伎物を中心としたものが多く200種類あまりの型が保存されていますが、現在作られているのは100種類ほどで、最近は土鈴に人気があるそうです。
 中山人形の由来:江戸時代後期、肥前の鍋島藩お抱えの陶工「宇吉」が、津軽から秋田へと転々と旅をして、湯沢の岩崎藩に落ち着き、窯を築きました。宇吉の没後、息子の嫁・ヨシが義父から習った粘土細工を活かして、(明治初期に)横手の押し絵や歌舞伎絵を題材に、土人形を作り出したのが始まりとされています。
 現在の制作者・樋渡(ひわたし)昭太さんは4代目です。
串姉コ
 横手の「串姉コ」と呼ばれる姉様人形も、樋渡昭太さんの所で作られています。
 これは父親の義一さんが戦後に復活したもので、この地方では、旧藩時代の女子の内職として作られていましたが、一時廃絶していたものです。
 顔は土製、髪や飾りは紙や布。顔の下には長い串が付いています。
製作者:樋渡(ひわたし)昭太「樋渡人形店」:横手市三枚橋4-11 TEL:0182-32-1560
■竿灯人形■
掲載したものは、樋渡義一さんの戦後の作品で、「竿灯祭り」の感じがよくでている秀作です。
→ 竿灯祭りの詳しいことは、参考リンク:秋田竿灯祭り(Media-Akita)
◆(註)記事中の制作者の記録は、1995年頃の調査資料ですので、ご了承下さい。

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(1996.06.01掲載/2000.08.13/2002.06.27/改訂)