日本全国郷土玩具バーチャルミュージアム:民芸館:岩手県篇(3)



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■岩手のこけし
 花巻市内には、南部(花巻)系の「こけし」を作る工人達がいます。
 このこけしは、頭部がはめこみ式になっていて、胴を持って静かに動かすと、頭がふらふらと揺れます。
 掲載の中央右よりの無地のこけしは、キナキナで、一般のこけしよりも古い歴史を持つといわれています。
製作者記録:
  (南部系)  左藤栄吉  高橋金三  左藤忠雄  煤孫(すすまご)盛造
  (鳴子系)  左藤一夫
   などの各氏がいられます。


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まどぶつ
 最近は見かけなくなったという玩具です。
 昔、この地方の子供達は、旧3月3日の節句に「まどぶつ」(的射ちの意味)と呼ぶ、竹製の弓矢と的を一組にしたもので遊んでいました。的は丸い輪に紙を張り、鬼の絵が描かれています。
製作者記録:村上新太郎「郷土玩具製作所」(住所は前ページ掲載の俵牛・虎舞・参照)
附馬牛(つくもうし)土人形
 遠野市の市内で、佐々木孝和さんがこの新附馬牛人形を作っています。
【附馬牛人形の復活】:附馬牛人形は、遠野市から北25キロの早池峰(はやちね)山麓の附馬牛の集落でつくられていた土人形です。江戸末期から明治初期までつくられていたもので、いまから25年ほど前に発見されました。
 現在の制作者・佐々木さんは、十年近い歳月をかけて、この土人形の製法を見つけ出し、附馬牛の土で昔と同じ製法で復元に成功しました。
 型も昔の附馬牛人形から起こしたものを使っていますが、新作の「民話シリーズ」の評判がいいそうです。ザシキワラシ・オイラサマ・馬と娘ほか、100種類近い型が作られています。
【製法の特徴】:この人形は素焼をしないで、土と和紙を混ぜて天日で乾燥させた「生土(なまつち)」の土人形で、他にあまり例を見ない製法です。
製作者記録:佐々木孝和「佐々木工房」:
  遠野市青笹町糠前42-8-6 遠野郷土人形民芸村 TEL: 0198-62-1335


六原張り子
 北上市の南、金ケ崎町に「」があります。昭和49年、新花巻人形が生まれたのと同じころから作られた人形ですが、ユニークな発想の型と素朴さが特徴です。
 耳くらべ・内裏雛・福犬・亥乗り天神・ジョジョ猫、その他があります。
製作者記録:沢藤範次郎「さわはん工房」:胆沢郡金ケ崎町六原東町50 TEL: 0197-43-3397

◆(註)記事中の制作者の記録は、1995年頃の調査資料ですので、ご了承下さい。

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(1996.05.01.掲載/2000.05.13/2002.06.25/改訂)