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お金を貸すことは避けるべきですが、保証人になるよりは、よいでしょう。しかし、お金を貸す際には、下記のように、簡単な借用書をもらいましょう。名刺の裏に書いてもらってもよい、判は、拇印(指印)でも、三文印でもよいのです。返済期日が書いてなくとも、貸主は相当な期間を定めて返還請求できます(民法591条1項)。
借用書を書いてもらうことが難しいときは、銀行振込をし、お金が相手に交付されたことの証拠を確保しておきましょう。
金額は、アラビア数字で、「金120万円」と書いてもいいですが、改変した等との争いを防ぐために下記のように、多画文字で書いた方が問題が起こりません。アラビア数字の「1」は改変され易いので、使わない方がいいです。数字を書き加えられないように、頭に「金」あるいは「¥」を付けましょう。
借用書をとらずにお金を貸すことは避けるべきですが、借用書がなくとも 諦めてはいけません。借用書がなくてもお金を返してもらった例は沢山あります。借用書見本(通常)
借用書 〇〇〇〇殿 金壱百弐拾万円也 上記の金額を私は本日たしかに次の約定に より借り受けました。 1.元金は××〇〇年××月××日までに返済します。 2.利息は年8%とし、元金とともに支払います。 3.連帯保証人 は、借主の債務について連帯保証します。 ××××年××月××日 住所 東京都港区虎ノ門3-18-12 氏名( 借 主 ) 〇〇〇〇 印 住所 東京都港区虎ノ門2-24-25 氏名(連帯保証人) ΔΔ ΔΔ 印 借用書見本(通常2、元金分割返済の場合)
借用書 〇〇〇〇殿 金弐百参拾万円也 上記の金額を私は本日たしかに次の約定に より借り受けました。 1.元金は、平成22年6月末日から同23年5月末日まで毎月末日までに、 金20万円づつ(最終回は金10万円)返済します。 2.利息は年8%とし、元金返済とともに支払います。 3.連帯保証人 は、借主の債務について連帯保証します。 ××××年××月××日 住所 東京都港区虎ノ門3-18-12 氏名( 借 主 ) 〇〇〇〇 印 住所 東京都港区赤坂2-13-16 氏名(連帯保証人) ΔΔ ΔΔ 印 見本(簡単な例)
返済期日が書いてなくとも大丈夫
借用書 〇〇〇〇殿 金250万円也 ××××年××月××日 住所 港区虎ノ門 氏名(借主) 〇〇〇〇 拇印
見本(危ない借用書)
下記の借用書は、「金」と「250万円」の間に空間があります。ここに数字を書き加えられる危険があります。このような借用書は避けてください
借用書 〇〇〇〇殿 金 250万円也 ××××年××月××日 住所 東京都港区虎ノ門 氏名(借主) 〇〇〇〇 拇印 見本(危ない例)
下記の借用書では、「1」は改変される危険があります。このような借用書も避けるべきです。「壱百五拾万円」と書くと安全です。
借用書 〇〇〇〇殿 金150万円也 ××××年××月××日 住所 東京都渋谷区恵比寿南 氏名(借主) 〇〇〇〇 拇印 質問:証人として署名した
友人が170万円借りるのに、「証人になってくれ」と言われ、その場にいて借用書に証人として、サインし、拇印を押しました。
この場合、証人と言うのは「連帯保証人」になってしまいますか。
書類は下記のようになっています。
○○ ○○ 殿 2011年○月○日までに金170万円を返済致します。 2010年0月0日 住所 港区虎ノ門 氏名 ○○ ○○ 拇印 住所 港区赤坂 証人 ○○ ○○ 拇印 弁護士の回答
これは、なぜ証人として捺印したかの解釈の問題です。お金を借りたことを証明する趣旨か(貸主の意思はこのように解釈できます)、確実に返済することを保証する趣旨かが問題となります。
あなたが、どのように考えていたか、貸主がどのように考えていたか(貸主は「立会い証人」と考えていたようです)、借主がどのように考えていたか、客観的にどのように読めるかが問題となります。
古い判例(大審院大正2.6.7)は、「証人との肩書きが、立会人証人か、保証人であるかは、裁判所が自由心証に基づき判断すべし」としています。原審では、保証人の意味に解釈しています。
従って、あなたの場合も、保証人と解釈される危険があります。下記のような借用書なら、誤解がありませんね。改良例
↓
○○ ○○ 殿 2012年○月○日までに金170万円を返済致します。 2011年0月0日 住所 東京都港区虎ノ門 氏名 ○○ ○○ 拇印 住所 東京都港区赤坂 (立会人) ○○ ○○ 拇印 借用書に貼付する収入印紙について
借用証書に収入印紙を貼付する必要があります。 しかし、印紙を貼付していなくとも、借用書の効力はあります。
金銭借用書や金銭消費貸借契約書に貼る印紙は次の通りです。
印紙を貼らないと正規の印紙額の3倍の過怠税を課せられす(印紙税法20条1項)。調査を受ける前に自主的に納付すれば、2.1倍の過怠税で済みます(同法20条2項)。
記載された契約金額 印紙額 1万円未満 非課税 10万円以下 200円10万円を超え50万円以下 400円50万円を超え100万円以下 1千円100万円を超え500万円以下 2千円500万円を超え1千万円以下 1万円1千万円を超え5千万円以下 2万円5千万円を超え1億円以下 6万円1億円を超え5億円以下 10万円5億円を超え10億円以下 20万円10億円を超え50億円以下 40万円50億円を超えるもの 60万円契約金額の記載のないもの 200円参考