雲取山( 雲取山:2,017m ) 1997.11.9登山


 七ツ石山から見た雲取山( 1997.11.9 )

【雲取山再登山記録】

【雲取山再登山データ】

フォト

初回登山


雲取山再登山記録

私の百名山登山記録の中で唯一写真を掲載していないのが 雲取山である (今は掲載した)
本来写真が掲げられるべき欄に 『 その言い訳 』 を書いておいたが、写真は残っているものの、 ネガがどうしても見つからないため掲載不可能だったのである。
よく考えるとこの頃はあまり山の写真撮影に熱心ではなく、同じフィルムの中に家族との行楽などの様子も撮していて、 それでどこかへ紛れ込んでしまったものと思われる。
従って、いつか雲取山は再訪したいと思っていたのだが、秋の晴天が続く今日この頃、山に雪が降る前に登ることをハタと思いつき、 車を使っての日帰り登山を急遽試みることにしたのであった。

コースは鍾乳洞のある日原から登るもので、林道歩きが大変に長いのが気になったが、 それも登山のうちと割り切って、日曜日の早朝 4時15分に横浜の家を出発する。
国道16号線で八王子へ向かい、八王子バイパスの中央自動車道八王子IC入口近くの丁字路を右折してからすぐに左折し、 国道411号線に入る。
サマーランドを過ぎて多摩川を渡り、青梅を過ぎると畑中一丁目の交差点からいつのまにか県道の奥多摩青梅線に入ったが、 そのまま道なりに進んでいくと、古里 (コリ) という場所で再び国道411号線と合流することになった (実は411号線はこの奥多摩青梅線と多摩川を挟んで平行に走っている)

やがて右、奥多摩駅の標識がある交差点が見えてきたので、そのまま直進して橋を渡り、 最初の信号を右折する。
この道路が日原鍾乳洞へと続く道で、途中狭い箇所がいくつかあるが、日が昇っていないうちは、対向車をヘッドライトで確認できるから好都合である。
長い日原トンネルを抜けると今まで寂しかった道路際に民家、商家が現れ賑やかになるが、ここが日原の集落で、 その少し先の小川谷橋を渡った所で道が二股に分かれることになる。
最初は、左の道を進んだものの、すぐに車両通行止めの標識が立っていたので、引き返すことにし、 小川谷橋の所から今度は日原鍾乳洞の方へ行き、そこの駐車場に車を止める。

身支度を整え日原鍾乳洞前を出発したのが 6時30分で、 小川谷橋まで戻ってから、先ほど少し車で行きかけた林道を進む。
この林道は傾斜もほとんどなく緩やかな道であって歩行は楽であったものの、本当に長くて辟易とさせられる。
約30分で八丁橋に着いたのだが、橋の手前のスペースに車が 2台止めてあり、悪路ではあるが車が十分に通行できる道のため、 通行止めの標識があったとはいえここまで車でくるべきだったと反省させられたのだった。
また、この八丁橋の所にも車両通行止めのフェンスが置かれていたが、十分に車は進める状況で、恐らくもっと先に進んでいる車もあるに違いないと思われる。

道は、左下に渓谷、右には落石が心配される崖といった状況がずっと続いており、 また小川谷橋起点であろうか、0.5km毎に距離を示す標識が立っていてある程度の目安となってくれていたが、 先にも述べたようにとにかく長い道でウンザリさせられる。
せめてもの慰めは、盛りを過ぎたとは言え黄・赤・茶などに色にづいた山々の美しさである。
一方で、八丁橋の所に雲取山、そして少し先で天祖山への登山口を表す標識があっただけで、他に一切山に関する標識はなかったので、 その林道の長さと相まって少々不安になってくる。
しかし、6.5kmの標識を過ぎると、富田新道 (および唐松林道) への入口を表す標識があったので、一安心である。

時計を見ると 8時丁度で、ここまで 1時間30分かかったことになるが、 帰りもこの林道を戻らねばならないと思うと些かゲンナリさせられる。
傍らの大石の上で、暫し地図を見て今後のルートを研究する。
その結果、地図で見る限りではこのままもう少し先まで林道を進んで大ダワに向かった方が山の傾斜も緩いように思われたので、 富田新道へ下りることを止め、さらに先に進むことにする。
この付近にも車が 1台止められていたが、ルールは別にしてもここまで車で来ることは大正解であると思う。

7.5kmの標識を過ぎた所で、地図を描いた大きな表示板と大ダワへの標識があり、 やっと長い林道歩きから解放されることになったが、この時の時刻は 8時15分であり、 山に登る前にこのような長い林道歩きを経験するのは初めてであった。
林道から谷へと下り、谷川に架かる木製の橋を渡るとカツラの大木があって、そこからジグザグの急登が始まる。
今までほぼ平坦な道だったとは言え歩きづめだったので、結構この登りは苦しかったものの、雲一つない青い空から注ぐ太陽の光を浴びて、 楓などの紅葉した葉が透き通って見えたのが非常に美しく、登りのキツさを慰めてくれる。

登り切った所からは左下に大雲取谷を臨む緩やかな傾斜の道となり、場所によってはほぼ平坦な道もあって、 快適に足を運ぶことができるようになる。
暖かい日差しが当たり、風が木を揺さぶって枯れ葉を舞い落とす中を登っていくのは大変気分が良く、 またほとんど人に会わなかったので、私としては理想の山歩きができて大きな満足感を覚えたのであるが、 一方で、熊が出るかもしれないと言われて、熊よけのために付けた背中の鈴の音がやや興を削ぐ。
最初の急坂以外はほとんど苦しい登りもないままに、少し樹相が変わったかなと思っていると、上部の笹の林の間から人の声が聞こえてきて、 やがて三峰山からの縦走路と合流する大ダワに到着する。
時刻は 9時55分で、かなり快調なペースで登ってきたことになる。
ところで、この大ダワに着くまでに雲取山の姿をカメラに収めようと努力をしたのだが、どの山かを確定することが全くできず、 「山の雑記帳」−「山を撮る」に書いたような状況となってしまっており、 それが大変悔やまれる。

大ダワからは 2本ある道の左の道を登り、途中から右にルートを変えて雲取ヒュッテの前を過ぎ、 やがて 10時10分に雲取山荘に到着する。
雲取山荘では、小屋の主人と挨拶を交わしただけでほとんど休まずにそのまま最後の登りに取り付いたが、この登りが思っていたよりも長い。
シラビソの樹林の中を喘ぎながらジグザグに登っていき、10時35分にようやく雲取山頂上に立つ。
頂上は、8年前に訪れた時とほとんど変わっておらず、当時と同じように雲取山の標識の後ろに 富士山を見ることができる。
また、南アルプスの山々も、やや霞んではいるものの 甲斐駒ヶ岳仙丈岳北岳塩見岳赤石岳などのお馴染みの山々を確認できる。
近くでは 大菩薩嶺甲武信岳などの秩父の山々を ハッキリと見ることができ、またその北北西には、あの 浅間山が見えていたので少し感激したのであった。

頂上には人も多く、今までの登路ではほとんど人を見かけなかったのに、 どこから皆さん登ってきたのであろうか という疑問が湧いてくるほど大変賑やかである。
ポカポカ陽気の気持ちの良い中、昼食をとりながらこの後の下山路について考えたが、先にも述べたように雲取山の姿をとらえられなかったため、 七ツ石山からならこの雲取山の姿を捉えることができるであろうという期待もあって、当初下山路に使う計画の富田新道を止めにして、 ブナ坂から七ツ石山を往復したのち唐松林道を下ることにする。

11時5分に山頂を後にし、立派できれいになった雲取山避難小屋の脇から下り始めたのだが、 そこからは明るい尾根歩きとなり、富士山を右に見ながらの楽しい天上散歩という感じであった。
富田新道を左に分け、樹林の中を下り、やがて山腹の左を巻いていくとまた展望が開けるようになって、左下には雲取奥多摩小屋がある、明るい尾根に出る。
この明るさが秩父の山の特徴なのかもしれない。
尾根を下っていくとやがてブナ坂に着いたので、そこから七ツ石山への登りにかかり、急斜面をジグザグに登ることおよそ 10分、 11時55分に七ツ石山の頂上に到着する。
ここは思った通り雲取山の好展望台で、今までその全体の姿が明確でなかった雲取山の姿をハッキリと捉えることができ、 その丸いなだらかな頂上が今まで歩いてきた石尾根のかなたに一際目立っている。
今までどうして雲取山が百名山なのか と思うほど目立たない山のように思われたのだが、こうして見てみると、 やはりこの周囲を取り仕切る親分のように堂々としている。

雲取山の姿を何枚か写真に収めてから再びブナ坂まで戻り、そのまま唐松林道を下る。
ここの下りはかなり急であって膝がガクガクさせられ、逆に登ってきたらかなり難儀であったことが想像できる。
その長く続く急坂も、途中からは緩やかな道となって楽に歩けるようになったものの、やはりこの道も長く飽き飽きとさせられる。
しかも、余りに静かなので途中で熊などに出会わないだろうかとの心配が出てき始める。
やがて富田新道との分岐点となり、そこから少し進むと、林道のガードレールが木の間越しに見えるようになる。
そして、ジグザグの急坂を登っていくと、今朝ほどの富田新道の入口に辿り着いたのであった。 時刻は丁度 1時30分

ここから 1時間半程の林道歩きを考えると、日原に着くのは 3時頃だなあなどと考えながら林道を歩いていたところ、 ラッキーなことに周囲を見回っている林業関係の人がトラックに乗せてくれ、何と 2時には鍾乳洞前に着くことができたのであった。
聞けば、日曜日はこのい林道も車の乗り入れができるのだそうで、その林業関係の人は車のナンバーをチェックしては、 不審な行為 (樹木を持ち去るなど) がないかを見張っているのだそうである。
そう言えば、林道に辿り着いて暫く歩いていると、ワンボックスカーが脇を走り抜けていったが、その後ろの窓からはいくつかの樹木が見えていたので、 山から採取したのかもしれない。
本当に山の樹木、草花を採取する行為は絶対に止めて欲しいものである。

その人とは丁重にお礼を言って分かれたが、最後の林道歩きをカットできたのは本当に幸運であった。
日原鍾乳洞を朝 6時30分に出発して、戻ってきたのが午後2時、途中車に乗っけてもらえるという幸運もあったが、 このコースを 7時間30分で歩き通したのは早いペースではないかと思う。
空も晴れ、歩き応えもあり、また山の展望も素晴らしく、なかなか充実した 1日であった。


雲 取 山 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1997.11.9 天候:快晴単独行日帰り
登山路:日原鍾乳洞−小川橋−八丁橋−富田新道入口 −大ダワ林道入口−大ダワ−雲取山荘−雲取山−富田新道分岐−雲取奥多摩小屋−ブナ坂−七ツ石山−ブナ坂−(唐松林道)−富田新道入口
交通往路:瀬谷−八王子−青梅−奥多摩−日原鍾乳洞駐車場(車にて)
交通復路:富田新道入口−(車に乗せてもらう)−日原鍾乳洞駐車場−奥多摩−青梅−八王子−瀬谷(車にて)


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