登山NO.010 甲 武 信 岳( 甲武信岳:2,475m ) 1989.9.9登山


 木賊山への登りから見た甲武信岳( 1997.7.12 )

【甲武信岳登山記録】

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NO.10 甲武信岳登山記録

長い間、甲武信岳は信州側からしか登ることができないと勝手に思い込んでおり、 従って、我が家からは小海線を使って信州側に回り込む必要があるため、日帰り登山は無理な山だと思いこんでいた。
しかし、何気なく登山コースガイドをめくっていたら、山梨県側の西沢渓谷からの登山路が紹介されているではないか。
これはシメたと小躍りしたのは言うまでもない。
尤も、当該コースは下山路としての紹介であり、登りに使えば約 6時間を要するとのことで、なかなかハードな山行になることが予想されたのであるが、 近頃 自分の脚力に自信が出てきたところであり、是非このコースを登ってみたいとの欲求が強く沸いてきたのであった。

いつものように、横浜経由にて高尾まで行き、高尾始発の列車で塩山下車。 そこからはタクシーを使って西沢渓谷へ直行する。
西沢渓谷に着いたのが 8時30分、車通止めを越えて林道を進み、崩れかけた小屋のところで右に道をカーブして暫く進むと、 やがて登山口であった。
登山口はうっかりすると見過ごしてしまいそうな目立たない所にあり、戸渡尾根を示す小さな札が 1枚あるだけであったが、 先日 8年ぶりに同じコースを辿ったところ、同じ場所に日本百名山甲武信岳登山口と書かれた立派な指導標が立っていたのでびっくりしてしまったのだった。
今は当時とは比べものにならないくらいの百名山ブームであり、そのお陰で山頂や登山口及び途中の指導標が大変立派になっていることに驚かされることが多い。

道は登山口からいきなり急な登りとなるが、それも長く続かず、やがて硅石を採掘していた当時に運搬に使用していたトロッコの軌道跡がそこかしこに残るほぼ平坦な道となる。
所々スパッと切れ落ちた危険な個所がいくつかあるものの、軌道跡や積み卸し駅跡のような場所を見て当時の様子が想像でき、楽しく歩ける所である。
やがて若干下りとなり、2つ程沢を横切ると、結構 大きな流れのヌク沢にたどり着く。
この日は結構水量が多く、水面スレスレに頭を出している岩の上を慎重に飛びながら向こう岸へと渡ったのだが、 先日再訪した時には木の橋ができていたので、今は安心して渡ることができるようになっている。

ヌク沢を渡りきると急登が始まり、ほとんど視界がきかない中、結構息を切らされるが、 この登山道はかなり緩急があり、やがてシャクナゲが多く生えたほぼ平らに近い尾根歩きとなる。
左の方には木々に囲まれた洞窟が見えたが、恐らくあれが珪石採掘現場跡なのであろう。
平らな尾根が暫く続いた後、今度は木賊山への最後の登りとなったが、これが大変長い。薄暗い木々の中を、 木の根や時には倒木をまたぎながら進むこととなる。

一旦平らな場所に出たので、もう終わりかと思うとまた登りが延々と続いており、 また途中に目安となる場所や指導標が全くないために、今どの辺を登っているのかを知るには、 自分の歩いてきた時間と地図上の所要時間だけが頼りとなって、結構 体力とともに気力を使わされてしまう登りである。
途中、踏み跡が多く分かりにくい箇所もあるが (特に下りの場合は、曲がる箇所が分からずそのまま進んでしまう危険性がある所もある)、 やがて溝状になって明瞭な登山道に変わり、暫く進んで一旦下り始めると嬉しいことに木賊山と破風山との分岐を示す指導標が目の前に現れる。

その分岐から道を左にとり、暫く登ると立派な標識がある木賊山の頂上になり、 ほぼ今日の登山も先が見えてきたことを知らせてくれる。
暫く樹林帯の中を下ると、やがて樹林が切れてザレた斜面に変わり、そこから正面に待望の甲武信岳を見ることができるようになる。
ここから見る甲武信岳はよくガイドブックに掲載されている写真の構図で、三角錐をした山容が立派である。
思わず嬉しくなってカメラのシャッターを切ったが、生憎 甲武信岳の左下の方から霧が上がってきて、 なかなかスッキリと全体の姿を現わすことがなく、イライラさせられてしまったのであった。

ザレて滑りやすい斜面を下り、再び樹林帯に入って暫く進むと、やがて甲武信小屋の前に飛び出す。
小屋から頂上まではあと少しである。
小屋でジュースを飲んで鋭気を養い、最後の頑張りで登り切ると、甲武信岳と書かれた横長の大きな標識とともに、 直径 2m近い大きなケルンが迎えてくれたのだった。
時刻は 12時20分、約 4時間で登り切ったこととなるが、このように地図上の時間を大幅に短縮した時間で登ることができると大変気持ちがよい。

残念ながら雲が多くて山頂の展望はあまり得られず、わずかに見えた山々も知識不足から名前が分からなかったものの、 時折 差す太陽の光の中で昼食をとりながらのんびりと過ごした 1時間は大変楽しいものであった。
その後下山に取りかかったが、途中、笛吹川源頭に下り立ち、水を水筒に詰め込んだのは言うまでもない。
源泉と聞くだけで美味しく感じてしまうが、実際 水は冷たく大変甘露であった。
また甲武信小屋の横に濃いピンクのヤナギランの群落があったのも印象的であった。


甲 武 信 岳 登 山 デ ー タ

上記登山のデータ登山日:1989.9.9 天候:晴れ時々曇り単独行日帰り
登山路:西沢渓谷入口−ヌク沢−硅石採掘場跡−戸渡尾根分岐− 木賊山−甲武信小屋−甲武信ヶ岳−甲武信小屋−木賊山−戸渡尾根分岐−硅石採掘場跡−ヌク沢−西沢渓谷入口
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(京浜東北線)−東神奈川−(横浜線) −八王子−(中央線)−高尾−(中央本線)−塩山−(タクシー)−西沢渓谷入口
交通復路:西沢渓谷入口−(タクシー)−塩山−(中央本線)−八王子 −(横浜線)−橋本−(相模線)−海老名−(相鉄線)−瀬谷
その他の
甲武信岳
登山
(1) 西沢渓谷入口− ヌク沢−硅石採掘場跡−戸渡尾根分岐−木賊山−甲武信小屋−甲武信ヶ岳−甲武信小屋−木賊山−戸渡尾根分岐−硅石採掘場跡−ヌク沢−西沢渓谷入口   (1997.7.5:晴れ時々曇り)
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(2) 毛木平−千曲川信濃水源地標−尾根−甲武信岳−三宝岩−三宝山−尻岩−大山−十文字峠−十文字山−十文字峠−五里観音 ?− 毛木平   (2008.6.14:晴れ)
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(3) 道の駅 みとみ駐車場−西沢渓谷入口−西沢山荘−(徳ちゃん新道)−近丸新道分岐−戸渡尾根分岐−木賊山− 甲武信小屋−甲武信岳−(往路を戻る)   (2010.1.9:快晴)
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(4) 道の駅 みとみ駐車場−西沢渓谷入口−西沢山荘−(徳ちゃん新道)−近丸新道分岐−戸渡尾根分岐−木賊山− 甲武信小屋−甲武信岳−(往路を戻る)   (2010.1.9:快晴)
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(5) 道の駅 みとみ駐車場−西沢渓谷入口−西沢山荘−(徳ちゃん新道)−近丸新道分岐−戸渡尾根分岐−木賊山− 甲武信小屋−甲武信岳−(往路を戻る)   (2010.9.20:曇り)
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(6) 道の駅 みとみ駐車場−西沢渓谷入口−西沢山荘−(徳ちゃん新道)−近丸新道分岐−戸渡尾根分岐−木賊山− 甲武信小屋−甲武信岳−(往路を戻る)   (2014.3.23:快晴)
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(7) 大弛峠−国師ヶ岳−国師のタル−東梓−両門ノ頭−富士見−水師−毛木平分岐−甲武信ヶ岳−甲武信小屋−木賊山− 戸渡尾根分岐−近丸新道・徳ちゃん新道分岐−西沢山荘−道の駅 みとみ   (2017.9.30:曇り時々晴れ)
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