■ 気になる発言 ■
YaguPapaは、会社から帰ってくるのが猛烈に遅い。よって、普段はYaguがチビらと3人でお風呂に入っている。
その夜も、いつものようにおしゃべりしながら入っていた。自分の髪を洗いながら、最近少しずつだがひらがなを読めるようになってきた長男に
「すごいねぇ。」
と言うと...
「かっこいいじ(漢字のこと)で、なまえかちたい!(書きたい)」
と言うので答えた。
「1つちょっと難しい字があるからねぇ...まずはひらがなでかけるようになろうね。」
その時だ。長男が突然、真顔でこんな事を言った。
「ぼくが7さいになるとね、あかちゃんうまれるんだよ。」
◇◆◇
なぜ「赤ちゃん」の話になったのか?まだ話は続く。
「あかちゃんね〜、かわいいんだよ〜。」
「へぇ、そうなんだ。」
「そう。おねえちゃん、あれ?おとうと、あれ?ちがうな。」
といろいろ考えている。私はあまりに唐突な話題なので当然の質問を投げる。
「なんでいきなり赤ちゃんなの?」
「なにいってんの!ままからうまれてくるんだよ!!」
「え?ママから生まれてくるの?」
怒られてしまった。なんだぁ?またお得意の「もっともらしい話」か?と思ったが、これが今回はなかなか長い。まだ続いている。
「ひかりちゃん、っていうんだよ。」
「誰か幼稚園にひかりちゃんっているの?」
「いないよ。」
「じゃなんでひかりちゃんなの?」
「わかんない。でもひかりちゃんなんだよ。いいなまえでしょ。
たいようのひかりと、おんなじ『ひかり』なんだよ。」
確かに良い名前だけど...だいたい作り話はどこかでつじつまがあわなくなるのだが、今回は違った。
「7さいだからもうおっちぃでしょ?だからひかりちゃん、だっこもでちるの。」
と、7歳と言い張っている。
「ぼくベビーカーもちゃんとおせるよ。ひかりちゃんちっちゃいからね。とってもかるいんだ。」
う〜ん...なぜ『7歳』? なぜ『ひかりちゃん』?
子供ができた時、男女どちらの名前も決めた。2人とも男だったので、女の子の名前は出番がなかったが、その名前というのが「ゆかり」なのだ。この話はたぶん長男にしたことはないと思うので「ゆかり」と「ひかり」が似ているのにも驚いた。 幼稚園の年長さんに「ひかり組」というのがあるので、そのせいかなぁなどと思ってみたり...もうすっかり頭の中はひかりちゃん一色である。子供は何人?という話題で、今日話をしたにはしたが、バザー部の部会の昼食の時で、長男が知るわけもない。
◇◆◇
正直な話、今のところは2人でいいと思っている。私には手が2本しかない。2人までしか手がつなげないからだ。上の子は今でもいろいろとガマンしてくれている。とても聞き分けがいい子なので、説明するときちんとわかってくれる。 下の子を妊娠中、抱っこするとお腹が張って少し痛いという話をした後、私にだけ「だっこ!」と言わなくなった。2人で出かけた時、5mほど歩いては縁石に腰掛けお茶を飲み休憩、また歩いては休憩を繰り返した。 遊んでいるのかと最初は思ったが、疲れ果てて眠たくて、もう歩けなくなっていたのに、私は抱っこできないから...と頑張って歩いてくれていたのだ。「いいよ、抱っこできるよ。」と言うと、「いいの?」と聞いて、うなづくと飛び付いてきた。抱っこするとすぐに寝てしまった。 真夏のあの日、汗だくになって歩いてくれた、あの姿が忘れられない。思い出すたび涙が出てくる。もう十分ガマンをしてくれている。そして思うのだ。長男が、手をつながなくなるその日までは...
そこへ今日の「7歳の時」発言だ。もう手はつながずに1人で歩いているであろうその頃、我が家にはひかりちゃんがやってくるらしい。なんとも微妙に現実味のある気になる発言。 何が彼にそんなことを言わせたのか、まったくもって不思議でならない。でもまだ何年か先の事。その時は果たして来るのかな?
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