■ 熱唱の日々 ■


 GWが過ぎ、また長男が幼稚園での出来事をあまり話さなくなった。入園直後もそうだった。いっぱい遊んで楽しい気持ちと、家族と離れて寂しいような複雑な気持ちとすべて思い出してしまうので、話す事ができないようなのだ。先日「茶話会」というクラスのママさん達の集まりがあったが、その席で「やっと幼稚園に慣れたと思ったら、連休明けたらまた毎朝泣くように...」と言っている方がちょこちょこおられた。 泣く泣かないと程度の差はあるけれど、どこも皆同じなんだなぁと思った。

 しかし、以前とは明らかに違う点がある。「歌」である。入園したての頃は、帰ってきたら弟とモクモクと遊び、幼稚園の事など思い出しもしない(思い出したくない?)というふうな様子だったが、最近は遊びながら常に歌を歌っている。校歌ならぬ園歌、幼稚園の歌をずっと歌っているのだ。 ブロックで遊んでいる時も、外で遊んでいる時も、お風呂に入っている時も、常に口ずさんでいる。なるほど、上の子がすでに幼稚園を出ているママさん達が、入園式で3番まで全部歌えるわけだ!

 他にも出番が多いのが「チューリップ」だ。こちらは振り付きなので、歌うタイミングに寄ってはかなりコマリモノである。一番困るのが寝る時だ。うちの子は二人とも寝るのが好きではない、というより嫌いである。楽しいから寝たくないというのが理由らしい。 だから夜いくら遅くなっていても、眠たくて白目をむいていても、全身全霊をかけて起きようとする。そんな時に「歌」はとても便利な道具らしく「ママ、お歌うたってー。」と最初は静かな子守唄系なのに、どんどんおかしくなってくる。そこで「チューリップ」の出番だ。歌うだけではすまない。 私まで両手で花の形を作って「さ〜い〜た〜♪さ〜い〜た〜♪」とやらなくてはならなくなる。そうなるともう長男のペースで、ウトウトしていた弟までも、「ふぁ〜、ふぉ〜♪」とあやしげな歌を歌いだす。しまいには手遊び歌大会のようになってきて、「あーたま、かーたー、ひーざーポンッ!ひーざーポンッ!ひーざーポンッ!」と振りの大きな歌まで出てくる。 子供らは相当眠たいので、テンションはウナギ上りでもう手がつけられない。「もっと早く〜!あーたまかーたひーじゃポンッ!ひーじゃポンッ!ひーじゃポンッ!」と声もひっくり返り、次男も絶叫。こうなってくるともう寝るどころの騒ぎではなくなってきて、そこへ追い討ちをかけるようにYaguPapaが帰宅。怒涛の大手遊び歌大会へと突入するのだった。

 長男はもともと歌を歌うのは好きなタイプだったが、幼稚園に入ってからさらにパワーアップした気がする。幼稚園の話はちょこちょこっとしかしないが、毎日様々な歌を歌っている。知らない歌もいろいろ覚えてきて「あれ?そんな歌も知ってるの?」と聞くと、「幼稚園でやったのよ。ちょ〜っとムズカシイんだけど、いい歌なんだよねぇ〜。」とわかったふうな返事をして、また続きを歌っている。 時々わからなくなって変な歌になったりしているが、とても楽しそうだ。

 無理していろいろ話してくれるよりよっぽどわかりやすい。楽しい熱唱の日々である。

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