■ 胎内記憶(長男編T) ■


 胎内記憶、という言葉をご存知だろうか?読んで文字のとおりなのだが、自分が母親のお腹(胎内)にいた時の記憶の事である。私が聞いた話によると、この胎内記憶。 3歳頃がピーク、というか「聞き出すチャンス!」らしい。あまり早いと言葉が達者でないので思うところを伝える事ができないし、それを過ぎていくと記憶もどんどん薄れていくというのだ。

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 私は長男を妊娠している時にはボーナス欲しさに臨月突入まで会社ビトだった。何ヶ月の頃だか、結婚して関西へと異動してしまう友人が

  「頼むから聞いてよ、お腹の中の時の事。本当に覚えてるのかな?」
  「だったらスゴくない?私さ〜、興味津々なんだよねぇ〜!」

という言葉を私に残して去っていった。それをふとした拍子に思い出したYagu。その頃、長男は3歳を過ぎた頃だった。よし!早速、やってみるべし...

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 最初に聞いたのは、お風呂の中でだった。中間色の照明が、なんとなくそれっぽくて思い出すかなぁ〜という作戦だ。

  「ねぇ、お腹の中にいた時の事とかって、覚えてるの?」
  「う〜ん...覚えてるよ。」

というではないか!本当かどうかはナゾだが、まずは聞いてみる事にした。

  「そっか〜。(ポイント1:あくまでもさりげなく)お腹の中で何してたの?」
  「こ〜やっててね〜。(と、まんまるになって)もぞもぞしてたな。」
  「そうか、もぞもぞしてたか。」
  「あとはね...寝てたな。」

これはイケそうだ。よしよしよし...

  「他にはどんな事してた?」
  「えっとねぇ〜、パパとママとお話してたんだよ。」
  「お話してたの?」
  「そうだよ。電話で。」

...はい? で、電話、だと?!

 盛り上がっていただけにガックリきたYaguをよそに、ヒートアップしていく長男。

  「そうよぉ〜。こぉんな〜の(と手を伸ばす)のびてるのよ。」
  「それでパパとママと話ができるの。もしもしぃ〜?今ぁ?今どこぉ?赤羽?」

おかしくなってきたので早々に切り上げたのだった。(ポイント2:おかしくなってきたら切り上げる)しかし、まるまっている形ともぞもぞしてたというのは、偶然だろうとなんとなくそれらしいではないか! 彼は本当に覚えているのだろうか?また今度挑戦してみようと思うYaguであった。


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