■ 使用法限定「おばちゃん」 ■


 上の子ももうすぐ4歳。下の子だって10月には2歳になる。Yaguの母歴も当然4年近いわけだが、未だにどうしても馴染む事のできない事がある。「おばちゃん」と呼ばれる事だ。

 近所のママさん連中は、さりげなく「おばちゃん」という言葉を使っている。「おばちゃんに貸してみな!」とか「おばちゃんがやったげよっか?」などと、子供に対して自分を「おばちゃん」と言うのだ。彼女達は私よりもママ歴が長い。全員ではないが、同じくらいの年齢のママ達は上の子が小学生、末っ子がうちの上の子と同じくらいの歳。 そのせいもあるんだろうが、実に巧みに「おばちゃん」を使いこなしている...気がする。子供達とのコミュニケーションもスムーズだ。

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 公園などで知らない子供に「おばちゃん、これ借りていい?」と言われるとドキッとする。誰に向かって言っとるんじゃ、こらぁっ!と内心思うが、その感情を剥き出しにするほど若くもなくなってきたので、笑顔で応対してしまう自分がいる。 体型もおばちゃんに片足突っ込んでいるYaguは、ここで自分を「おばちゃん」と認めてしまっては、本当に正真正銘のおばちゃんになっちゃうじゃないか!しかし気付いたのだが、子供らにとって「友達のお母さん」というのはまぎれもなく「おばちゃん」だ。 ここで「○○くんのママ!」などとやられると何ともまどろっこしいし、何か公園でも何でもフルメイクで行かなくてはならないような響きを持っている。そこへいくと「おばちゃん」という言葉は、なかなか親しみがあって優しい言葉なんじゃないか?!

◇◆◇

 最近、公園の砂場などでうちのチビらと遊んでいる時、ふと気付くと知らない子供らも輪に加わり、Yaguが抜けるに抜けられなくなる事がある。寄ってくる子供はたいがい親同士が話し込んでいて、かまってもらえない子達だ。みな口々に「おばちゃん!」「おばちゃん!」と、こっちの気も知らずに笑顔で話し掛けてくる。

  「プリンがうまくできない!」
  「どれ?おばちゃんにまかせな!下の方の黒い砂で作るといいんだよ。」

  「おばちゃん、トイレ行ってくるね!」
  「は〜い!(...っつか母親に言えよ、母親に!)」

我に返ると、私も自分の事をおばちゃんと呼んでいるではないか!そうなのだ。気付いたのだが、この「おばちゃん」という言葉、こまった事に非常に便利。 名前を知らない同士が遊ぶ時「○○くんのママ」と呼ぶ子は少ない。「おばちゃん」大活躍の場となるのだ。

 まぁいいか。子供達と遊ぶ時に限定して「おばちゃん」を認める事としよう。自分としては「おばちゃん」ではないぞ!と思うが、いたしかたない。ただ電車の中なんかで私を「おばちゃん」呼ばわりするヤツは、絶対に許さん! 私は幅15cmのところに無理矢理座ったりはしないぞ!!っということで、今日からYaguも「おばちゃん」デビューである。

でもなぁ...ちょっと嫌だな、やっぱり(^^;


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