■ お友達 ■


 幼稚園が始まり、早くも一週間が過ぎた。まだ午前中保育なので、送ってからお迎えまではあっという間である。 生活のリズムができてくる来週にはお弁当が始まるので、慣れるも何もあったものではない。なんとも慌しく毎日が過ぎている。

 さて、うちの子である。毎日楽しく幼稚園に通ってはいるが、やはり毎日必ず親と離れる時間があるというのは初めての経験。先週の金曜日には、雨という天気も手伝って、ついにうちの子も寂しさが爆発。 離れられなくなって泣きだしてしまった。そんな事もあって、今週は行きたがらないかなぁ〜と不安だったが、今日もニコニコと幼稚園に行った。長男いわく、幼稚園は楽しいのだそうだ。

 同じクラスに近所の男の子がいる。その子は末っ子。毎日幼稚園で泣いているらしい。私も、その子の母親も、毎日ニコニコ通園しているうちの子に「よろしくね。助けてあげてね。」とお願いしていたのだが、その雨の日、その子がいつもよりも早く泣き止んだらしい。 初めて泣いたうちの子を励まさなくちゃいけないと思ったのだそうだ。母親からのメールで聞いた事を長男に伝えると「そうだったんだー。なんか嬉しい。」と言っていた。誕生日が2日違いの2人。いつの間にそんなふうな気持ちを持てるようにになったのか。母親としては、なんとも嬉しい気分である。

◇◆◇

 日曜日。久々に家族4人で出かけた公園に、その子の家族も来ていた。今までは出会っても、親同士が話をしている側で、お互いを意識しながらも一緒に遊んでいるようで遊んでいないような、不思議な2人だったのだが、今回はまるで違っていた。 親の存在を確認しつつ遊んでいたはずの2人が、親から離れて2人だけで遊んでいる。キャーキャー楽しそうな声をあげて走り回っている。明らかに今までとは違う。これには私も驚いた。それまで遊んでいた子ではあるが、友達ができたね、と思った瞬間であった。

 今日お迎えに行ったら、2人とも笑顔だった。先生に挨拶するために整列している中で、2人でなにやらふざけている。これもまた先週までとは違う光景。幼稚園に入ってまだ1週間。でも子供らは、恐ろしい速さで成長している気がする。


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