展示会報告


2001年1月25日〜30日

摺物アルバム第2回展示会
(新宿高野ギャラリーにて)

昨年の「摺物アルバム第一回展示会」にいらした方は、会場内の変化に驚かれたことと思います。 今回はちょっと趣向を変えまして....

エレベーターを降りると、入り口はいつもと変わっていませんが、

会場内に一歩入ると、昨年には、柔らかな明りを通していた障子のつい立てがありません。
代わりに、パネルがずらりと並んでいます。

入り口からは版画が見えませんが、パネルにちょっと近付くと、...

一枚ずつ、エッセイと対になって向かい合わせに展示されているのがわかります。 版画は額に入っていなくて、しっかりした台紙に四隅を差し込んだ状態です。上に取り付けられたスポットライトが、版画を照らしています。

前回は、展示されている版画が作られた数百年前の状態を再現する形をとったのですが、今回は、それと対照的な展示方法になりました。

版画だけを見るのなら、 去年のやり方で良かったのです。版画の美しさがよくわかりましたから。 でも、お客様からの評判があまり良くなくて、「暗いなあ!」「良くみえないよ!」という声が多かったのです。

それで今年は、普通の展示方法に切り替えました。 ライトはかなり明るかったのですが、浮き出しがくっきり見えるような角度に照らしたので、作品の見栄えは最高でした。

ガラスを嵌め込んだ額の中に入れてしまうと、 版画は扁平で生気が伝わって来ませんが、 こうすると「ありのままの感触」が伝わってくるのです ...

こうして逆方向に立つと、一セット10枚分が一目で見渡せます。

パネルの向かい側には、一年前の作品がずらりと並べられています。 こちらの方は、台紙ごと壁に張り付けてあり、普通の天井からの照明だけです。

先の方に進むと、ちょっと広くなった空間があって、そこは私が摺りの実演をするところです。 道具がセットされています。

左側、作業台と向かい合わせになった壁面には、申し込みについての解説が展示されています。

申し込み用紙はここにあって、配付などはどのようになっているかを示してあります。
(1) 今週申し込むと、 (2)3月には最初の版画と一緒にアルバム用の帙(ケース)もついてきます。 (3)その後は、毎月一枚ずつ作品が届きます。 (4) そして、一年の終わりには、アルバムが完成します。いつものことながら、どんな作品になるのかは、お伝えしません。 そうすると、
開ける時が 楽しみでしょう....

実演する場所のすぐ右に、もうひとつの部屋への入り口があり.....

そこには「百人一首」の作品100枚がずらりと並んでいます。

10枚ずつの列は、製作した順になっています。これは後半の50枚で、前半の50枚は柱の向こうです。

この部屋の終わりのところに、私のことを取り上げた新聞や雑誌の記事の切り抜きを、最新版だけ展示しています。

そこを過ぎると、再びカーテンの開いたところがあって、入り口へ戻ります。 ほとんどの人は、この工程を30分程で終えるようですが、それ以上かける人も多くて、 特に気に入った版画の前では長いこと見つめているようです。

今年は報道関係の取材が少なかったので、来場者は少なめでした。 去年は、展示会直前やその最中にラジオとテレビに出たのですが... .毎年盛況なんてことを望んではいけませんよね。 そうはいっても、結構人は来て、注文の方もまあまあでした。 ...

さあて、本業に戻らなくっちゃ!今年も作品十枚です!


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