アニメーション内でBGMを流そう

アニメーションを swf (または exe)ファイルで公開するか、直接ムービーファイルで書き出す場合は、音声ファイルも扱うことができます。
例えば、アニメーション内にBGMを入れるといったことも楽勝です。
今回は、音声ファイルを読み込んで、音量の調整をして、BGMとしてアニメーションの背景に音声を流すことに挑戦してみたいと思います。

音声ファイルの扱いについて

まずはサンプルのアニメーションを見てみましょう。
真ん中の再生ボタンでムービーがスタートします。
(BGMが流れるので音量に注意!)

まずは、アニメーション内にBGMを入れる前提として、書き出しの問題があります。
本格的なアニメーションを制作する場合は、Flash からは映像のみを連番ファイルで書き出して、Premiere などの動画編集ソフトで音声を入れるのがベストです。
つまり、Flash で音声ファイルを編集するということは、ほとんどの場合は、swfファイルで書き出す必要があるか、動画編集ソフトを持っていないため、直接ムービーファイルとして書き出す必要があるかのどちらかということになります。
また、Flash 内で音声ファイルを加工する場合は、そこまで複雑な編集はできないため、簡易的な機能と考えておいたほうがよさそうです。

音声ファイルの読み込み

Flash で音声ファイルを扱う場合、まずは音声ファイルを flaファイルの中に読み込みます。
Premiere などの一般的な動画編集ソフトの場合は、音声ファイルを外部リンクとして扱うのに対して、Flash の場合は音声ファイルにリンクを張るわけではなく、完全に flaファイルの中に取り込みます。
読み込みの手順としては、メニューバーの『ファイル』→『読み込み』をクリックして、『ステージに読み込み』か『ライブラリに読み込み』を選択します。
『ステージに読み込み』を選択した場合は、現在選択されているフレーム上にダイレクトに音声が配置され、それと同時にラブラリ内にも保存されます。
『ライブラリに読み込み』を選択した場合は、一旦ライブラリ内のみに保存され、必要に応じて狙った箇所に使用します。
思いもよらないフレームに、間違って音声を配置してしまわないように、ひとまず『ライブラリに読み込み』を選択したほうがよいでしょう。

音声の挿入方法

音声ファイルの挿入は、フレームに対して行ないます。
つまり、画像ファイルと同じような感覚で扱うことができます。
音声ファイルを扱う場合は、アニメーション用のレイヤーと混同しないように、音声専用のレイヤーを作成しておくとわかりやすいです。
以下、音声用に作成したレイヤーで作業することとします。

まずは、音声を再生させるタイミングのフレームに空白キーフレームを作成します。
この空白キーフレームに対して音声を割り当てます。
割り当てる方法は、『プロパティインスペクタ』の『サウンド』ポップアップメニューをクリックして、読み込んだ音声ファイル一覧の中から、使用するファイル名をクリックすれば完了です。
または、割り当てる空白キーフレームを選択状態のときに、ライブラリの中から音声ファイルをドラッグして、ステージ上にドロップしても OK です。

音声の詳細設定:効果

音声に詳細な設定を適用するには、『プロパティインスペクタ』を使用します。
『効果』ポップアップメニューから、サウンド効果を選択して、『編集』ボタンをクリックすると、『エンベロープの編集』ダイアログボックスが表示されます。
『エンベロープの編集』を使用すると、音声の開始位置を設定(イントロ部分をカットするなど)したり、停止位置を設定(2コーラス目をカットするなど)することができます。
また、四角のハンドルを追加したり上下に動かしたりすることで、左右のスピーカーの音量を個別に調整することができます。
例えば、飛行機が右から左に飛んでいくアニメーションを制作した場合、飛行機の動きに合わせて、飛行機のエンジン音も右から左に移動していくような効果を与えることができるというわけです。
ただし、swfファイルで書き出す場合は、音声がモノラルになるのでボユームの調整のみとなります。
ムービーファイルで書き出す場合は、ステレオでの出力が可能なので、個別の音量調整を生かすことができます。

音声の詳細設定:同期

『同期』では、用途に適した再生モードを選択します。
各モードの特徴は以下の通りです。

上記のなかで、『イベント』『スタート』『ストップ』は、インタラクティブな要素が強く、基本的には swfファイルで使用することが前提です。
純粋なアニメーション作品の制作では、『ストリーミング』のみを使用します。
『ストリーミング』を選択すると、フレームに波形が表示され、アニメーションと音声のタイミングをキッチリ合わせることができます。
また、再生ヘッドをドラッグするだけで音声が再生されるので、アニメーションの編集作業が効率良く行なえます。

音声の詳細設定:サウンドループ

swfファイルで書き出すことが前提ですが、音声をループさせてBGMなどとして使えば、ファイルサイズを節約することができます。
音声をループさせる場合は、最初と最後のつなぎ目が不自然にならないように、あらかじめ音声編集ソフトでループ用の加工をしておくか、『エンベロープの編集』で自然なループになるよう調整する必要があります。
ループ再生を無限に繰り返すには『ループ』を選択し、特定の回数だけループさせるには、『繰り返し』を選択してループさせる回数を入力します。
いずれにしても、純粋なアニメーション作品を制作する場合には必要無い項目です。

以上が、音声ファイルのおおまかな使用方法です。
最初のほうにも書きましたが、本格的なアニメーションを制作する場合は、Premiere などの動画編集ソフトで音声を入れるのがベストです。
インターネットブラウザーを通して、swfファイルでアニメーションを公開するか、ローカルで再生してもらうために、exeファイルで書き出すか、または高品質ではないものの、直接ムービーファイルで書き出す必要がある場合には、積極的に音声を活用することで、作品に奥行きが加わることと思います。