MGM50周年記念として編集・制作されたものですが、予想外に好評だったことから公開したところ、大ヒットになったという作品。さぞ利益率は高かったことでしょう。
当時映画館でこの作品をみたとき、それまで観たことのなかった白黒時代のミュージカル、そしてMGMのミュージカル史ともいうべき内容に興奮して感激した覚えがあります。
フランク・シナトラから始まり、MGMかつてのスターたちがリレーしていくようにミュージカルの名作、スターたちを紹介していくという構成。
ただ、PART2、PART3も見たうえで改めてみると、総花的という印象を受けます。歌えないエリザベス・テイラーまで登場するのですから、MGM史という向きが高い。でも、白黒画面時代のミュージカルシーンは、絶対見る価値があります。
時代はミュージカル全盛、ジェームズ・スチュワートまで歌わされたというのですから何をかいわんや。でも、あのクラーク・ゲーブルの歌って踊るシーンは見物(貴重というべきか)です。初めて見たときあのクラーク・ゲーブルが!と仰天しました。
ただ一人の水中スター、エスター・ウィリアムズのおかげで、ピーター・ローフォードやリカルド・モンタルバン等々幾人もの人気俳優が泳がされたという経緯には、笑ってしまいます。
ジーン・ケリー、フレッド・アステア、ジュディ・ガーランドの出演作品、紹介が多いのは当然のこと。ジュディ・ガーランドについては細切れになっていますが、これをみるとジュディ・ガーランドの売れない時期、ミッキー・ルーニーとの裏庭ミュージカル、「オズの魔法使い」によるブレイクと、彼女のスターへの道のりを知ることができます。
数多くのMGMミュージカルを代表する作品として最後に紹介されるのは、ビンセント・ミネリ監督、ジーン・ケリー、レスリー・キャロン主演の「巴里のアメリカ人」。まぁ、これは納得。
本映画をずっと見て、登場人物の心境と歌・踊りがこれ以上ピッタリのものはない!と思うのは、「雨に唄えば」でジーン・ケリーが雨の中踊りまくるシーン。やっぱりあれは傑作中の傑作です。
踊りが男たち同士の対決となっていて、躍動感が溢れるものになっていたという点では、「略奪された七人の花嫁」を超えるものはないでしょう。
何度見ても、これはもう楽しい、嬉しいと言うほかない作品!
2005.08.24
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