私が知る由もありませんでしたが、原作は大ヒット少女コミックで、TVアニメにもなっていた作品とか。
そうした作品を何故観に行ったかというと、ストーリィに惹かれる部分があったにしろ、一番の理由は主演のへの期待から。
このところTVドラマへの出演が目立つ多部未華子さんを知ったのは、「夜のピクニック」にて。その後のTVドラマ「鹿男あをによし」を合わせ、それ以来注目していました。
人の役に立ちたい、それが喜びと純朴な気持ちを抱いている主人公=黒沼爽子。それなのに、見た目が暗いために同級生たちから「貞子」と呼ばれ、ずっと気持ち悪がられている。
幾らなんでもと、この辺りかなりマンガチックですが、高校入学して同じクラスになった人気者=風早翔太と、お互いひそかに関心をもちあう間柄に。
気軽に爽子に話しかける風早に次いで、千鶴とあやねという同級生も声をかけてくれるようになり、初めて爽子は友だちというものの存在を感じて幸せな気持ちになります。しかし・・・・・。
マンガチックな部分はあるにしろ、それがユーモラス部分となり、またそれだけで終わっていないのが、本作品の魅力。
普遍的な、大切なメッセージを本作品は伝えています。
それは、相手と通じ合いたいと思うなら自分の気持ちを伝えることが大事、伝えようと思うならきちんと言葉に出して伝えなければならない、ということ。
それは爽子についてのことだけではなく、風早にも千津とあかねにも、風早にずっと恋してきた胡桃沢にも言えること。爽子を通じて青春群像になっているところも好ましい。
爽やかで、純粋で、ユーモラスで、胸熱くなる処もたっぷりのストーリィ。
私好みの作品ですが、もちろん多部未華子さんの好演が見逃せません。
2010.09.25
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