私の大好きな恩田陸「夜のピクニック」の映画化です。
ストーリィは、一昼夜を徹して80キロを歩くという高校の伝統行事。その最後となる3年の歩行祭には一人一人懸けた思いがあった、というもの。
率直に言って映画の出来栄えを期待したのではありません。好きな作品だから、歩行祭という行事が映像になるとどういうものかを確かめたかったというのが動機といえますが、要は好きな作品だから映画も観てみたかった、というに尽きます。
原作の良さは、一応主人公である甲田貴子と西脇融のストーリィはひとつの要素に過ぎず、高校最後を飾る一人一人の思いが伝わってきたこと、それに自分の高校時代への懐かしさがシンクロするところにありましたが、それを映画に求めるのは元々難しいこと。映画を観てそのことは感じました。
本を読んでいると様々にイマジネーションは広がっていきますが、まず画面を見せられる映画ではそういう膨らみには繋がらない。原作と比較して映画に物足りなさを感じるとしても、それは必然的なものと思うのです。
本映画、観たかった映画ですからそれなりに愉しめました。
たまたま昨日は、私自身の高校のクラス会。こうした行事が我が高校にあっても良かったなぁと思うのですが、都内の高校で周辺の街中をそんなに歩いてもつまらないし・・・。
2006.10.22
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