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2.パーク・ライフ 3.7月24日通り 4.ひなた 5.悪人 6.静かな爆弾 7.さよなら渓谷 8.あの空の下で 9.元職員 10.キャンセルされた街の案内 |
横道世之介、平成猿蟹合戦図、太陽は動かない、路(ルウ)、愛に乱暴、怒り、森は知っている、橋を渡る、犯罪小説集、ウォーターゲーム |
国宝、続・横道世之介、アンジュと頭獅王、逃亡小説集、湖の女たち、オリンピックにふれる、ミス・サンシャイン、永遠と横道世之介 |
●「パレード」● ★★ 山本周五郎賞 |
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2004年04月
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男3人、女2人の2LDKマンションでの同居生活。 杉本良介、21歳・H大学経済学部3年/大垣内琴美、23歳・無職/相馬未来、24歳・イラストレーター兼雑貨屋店長/小窪サトル、18歳・自称「夜のお仕事」に勤務/伊原直輝、28歳・インディペンデントの映画配給会社勤務 |
●「パーク・ライフ」● ★★ 芥川賞 |
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2004年10月
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中篇2作品を収録した一冊。 舞台は東京のまさしく都心、日比谷公園。 パーク・ライフ/flowers |
●「7月24日通り」● ★★ |
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2007年06月
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帯には「ラブ・ストーリィ」とありますが、恋愛関係を描いたストーリィというより、主人公が恋愛にどう向かい合うかを描いたストーリィと受け留めるべきでしょう。 舞台は地方のとある街、主人公はごく普通のOL、小百合です。この主人公、自分の住んでいる街をポルトガルのリスボンに見立て、ひとり楽しんでいるのが常。題名の
「7月24日通り」とは、そのリスボンにある通りの名前らしい。 |
●「ひなた」● ★★ |
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ちょっと面白い、家族小説。居心地の良さが魅力です。 夫婦2人+大学生の次男坊・尚純という大路家。 |
●「悪 人」● ★★★ 毎日出版文化賞・大仏次郎賞 |
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2009年11月 2021年06月
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21歳の生命保険外交員が殺害され、遺体で発見される。 読んでいる間は、まるでストーリィに呑み込まれたように、顔を背けることもならず。 犯罪はもちろん罪ですが、だからといって罪を犯した人を単純に“悪人”と言ってよいのだろうか、決め付けてよいのだろうか。 力作という言葉にまこと相応しい作品。読めたことを幸せに思います。 |
●「静かな爆弾」● ★★ |
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2011年03月
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神宮外苑でふと出会い、恋人関係への道を踏み出した俊平と響子の2人。しかし、響子は小学生の時に聴覚を失った、耳の不自由な女性だった。 ラブ・ストーリィだというのに「静かな爆弾」という題名は穏やかではありません。何なのだろう?と疑問をもつのが自然なことでしょう。 タリバンによる仏像破壊行為に何の意味があるのか、また俊平の側ばかり語られていて響子の側が殆ど何も描かれないので、どことなく釈然としない思いが残りますが、要は俊平がどれだけ響子の立場を理解しようとしたか、響子の口から出されない声をどれだけ真摯に聞こうとしたか、を問うストーリィと言って良いでしょう。 ストーリィについては、いくら耳と言葉が不自由といっても過剰に反応し過ぎではないか、ことさらに響子を不自由な人に仕立て上げ過ぎているのではないか、と思います。 恋愛全体を描くのではなく、言葉が相手に届いているか、という一点に絞って書かれたラブ・ストーリィ。 |
●「さよなら渓谷」● ★★★ |
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2010年12月
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渓谷近くある町で起きた4歳の女の子殺人事件。そして少女の母親が容疑者として警察に逮捕される。 何故、加害者と被害者が同棲するに至ったのか。 結局誰も許してくれなかった。意外に簡単に許されてしまった。 決して明るい訳でなく、また感動的ということもできませんが、この卓抜した作品を今読めたことを、幸せだと思います。 |
※映画化 → 「さよなら渓谷」
●「あの空の下で」● ★☆ |
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2011年05月 2011/05/31 |
ANAの機内誌「翼の王国」に連載されていた小説12篇+エッセイ 6篇の単行本化。 私も旅、飛行機は大好きです。 旅好き、飛行機好きだからこそ楽しめる、短篇+エッセイ集。 願い事/自転車泥棒/エッセイ(旅たびたび・バンコク)/モダンタイムス/男と女/(旅たびたび・ルアンパパン)/小さな恋のメロディ/踊る大紐育/(旅たびたび・オスロ)/東京画/恋する惑星/(旅たびたび・台北)/恋恋風塵/好奇心/(旅たびたび・ホーチミン)/ベスト・フレンズ・ウェディング/流されて/(旅たびたび・スイス) |
●「元職員」● ★★ |
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割と短い長篇小説。主人公=片桐がバンコクの空港に降り立ったところから始まります。 このバンコクは、皆が本当でないことを本当として過ごしている街である、と武志は主人公に告げます。 最後、主人公が行き着く結末は、私が予想もしなかったもの。 |
●「キャンセルされた街の案内」● ★★ |
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2012年06月 2009/11/25 |
街での出会い、すれ違い、再会等々を様々なストーリィの形に描いた短篇集。 出会い、すれ違いと一口にいっても、ストーリィは実に様々。 日々の春/零下五度/台風一過/深夜二時の男/乳歯/奴ら/大阪ほのか/24 Pieces/灯台/キャンセルされた街の案内 |
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