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1.カラフルな闇 2.最強の天使 3.たまごを持つように 4.鉄のしぶきがはねる 5.鷹のように帆をあげて 6.わからん薬学事始1 7.わからん薬学事始2 8.わからん薬学事始3 9.伝説のエンドーくん 10.風味さんじゅうまる |
白をつなぐ、つくしちゃんとすぎなさん、ひかり生まれるところ、三島由宇当選確実!、奮闘するたすく、青がやってきた、疾風の女子マネ!、パパとセイラの177日間、思いはいのり言葉はつばさ、空は逃げない |
無限の中心で、日向丘中学校カウンセラー室、零から0へ、かがやき子ども病院トレジャーハンター、日向丘中学校カウンセラー室−十人十色・1匹?色の文化祭−、つる子さんからの奨学金 |
●「カラフルな闇」● ★★ 講談社児童文学新人賞佳作 |
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両親の離婚によって起きた、女子中学生=里中志帆の様々な色合いに揺れる胸の内を描いた作品。 志帆は母親の美砂子と共に、大好きだった家を出て、マンションで2人暮らし。その美砂子は、離婚後気分の浮き沈みが大きく、娘としては苦労する毎日。 クリシュー先輩と知り合ったことから、志帆は窮地に陥ることともなり、またそこから新しい局面を見出すことにもなります。 |
●「最強の天使」● ★☆ |
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「カラフルな闇」の続編。 中学生という早春期において周一郎が味わう、ちょっとした試練を描いたストーリィ。ですから、それ程インパクトのある作品ではありません。 最終場面、志帆の存在もあって、読後感はとりわけ爽やかです。 |
●「たまごを持つように」● ★★ |
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爽やかな青春スポーツ小説。 舞台は福岡にある光陵中学の弓道部。部員は3年生の柏木由佳をはじめとして、主人公である伊吹早弥(さや)、松原実良(みら)、石田春フィリップアンダーソンという2年生が3人。 弓道という、人気がありそうながら、小説には登場していなかったスポーツへの興味。 ※なお題名は、弓は卵をもつようにふんわりと握らなければならない(=「握卵」)という教えから。 |
●「鉄のしぶきがはねる」● ★★ 坪田譲治文学賞 |
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高校青春小説といっても、そこは珍しい、工業高校を舞台に“もの作り”にかける女子高校生を主人公にしたストーリィ。 三郷心(しん)、北九州工業高校電子機械科の1年生。そもそも工業高校に女子は珍しく、心、電子機械科でただ一人の女生徒。 繰り返しになりますが、ともかく舞台設定が珍しい。片川優子さんの大学生青春小説「動物学科空手道部高田トモ!」も珍しいですが、そこは部活動もあり、男女関係のあれこれもありと、もう少し華やか。 ※高等専門学校生たちがソーラーレースにかける、高専校生もの青春ストーリィがあることを後から思い出しました。濱野京子「レッドシャイン」です。 |
●「鷹のように帆をあげて」● ★★ |
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弓道も珍しいと思ったのですが、旋盤を操る女子が主人公というのも新鮮な驚きでした。 よちよち歩きの頃からの親友=遥が突然に交通事故死してから1年、中学生の葉山理央は、事故の直前に2人で見ていたヒナがペットショップ大きく育っているのを見出します。それはハリスホークという種類の鷹。その鳥から目を離せなくなった理央は、ついに両親に請うて鷹を飼うことになります。 なお、理央に貴重なアドバイスを授ける先人として、9歳の頃から猛禽を買い始め、今や女子高生の鷹匠として有名だという平林美咲。 |
「わからん薬学事始1」 ★★ |
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弓道、旋盤、鷹匠と来たところで今度は薬学かぁと嬉しい驚き。 本土から離れた、定期航路もない小島の久寿理島。 人とは違った才能を持つ主人公が、伸びやかに育った田舎から東京に出てきて慣れない学園生活の中で揉まれながらも、徐々に天性の素質を伸ばしていく爽やかな青春ストーリィという処、折原みと「乙女の花束」と共通するところを感じました。 1.旅立ち/2.わからん荘の人たち/3.久寿里(くすり)島のこと/4.和漢学園/5.わからん荘の流儀/6.ブランカ/7.牧野研究室/8.大塔秀有/9.雪さん/10.逃亡マウス/11.Xクラスへ/12.母への手紙 |
7. | |
「わからん薬学事始2」 ★☆ |
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薬学青春ストーリィNo.2。 少しずつ進歩しているように見られる草多ですが、何もかも順風という訳には行きません。焦慮する悩みごとを2つ新しく抱え込みます。その辺りがどう展開は次巻に期待するところ。 薬になるものの声を聴くことができるという持ち味が、ファンタジーながら主人公=草多の魅力と改めて感じる次第です。 1.嵐の危機/2.Xクラス/3.草多ひらめく/4.遥かなる北の大地/5.草多vs.秀有/6.メル/7.真赤とブランカ/8.真赤の決意/9.正太郎あらわる/10.胸のときめき/11.「気休め丸」の声/12.「気休め丸」の作り方?/13.「気まぐれなんかじゃない」 |
8. | |
「わからん薬学事始3」 ★☆ |
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薬学青春ストーリィNo.3にして完結編とのこと。 和漢学園で製薬を学ぶ木葉草多たち、あっという間に2年生〜3年生の時が過ぎます。 “新・気休め丸”への道のりはまだまだ。それなのにあっさり完結編となってしまい「え?」と思うところですが、そもそもの題名が「事始」。そう簡単に新薬が開発できる訳もなく、草多が和漢薬科大学入試に合格したところでちょうど良い幕切れなのかもしれません。 1.気まぐれなんかじゃない/2.忍者と薬草の地へ/3.兵糧丸の歌/4.「気休め丸」はしゃべるか/5.芳原先生/6.きこえない/7.秀有と/8.受験勉強/9.処置室からの声/10.一九九二年秋/11.久寿理島に誓う/12.母への手紙/13.「気休め丸」が教えてくれたこと |
9. | |
「伝説のエンドーくん」 ★★☆ |
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2018年06月
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“エンドーくん”の伝説が伝わる市立緑山中学校。その緑山中を舞台にした生徒と教師たちを描いた連作風長編。 といっても本ストーリィ、主体となるのは生徒よりもむしろ、多感な年頃の中学生たちに向き合う教師の側。 そんな学園ストーリィに加えての本作品の魅力は、なぜエンドーくんは伝説になったのか、というストーリィが最後に用意されていること。 1.エンドーくんは、体育祭の星/2.エンドーくんの愛はふめつ/3.エンドーくんはお金よりつよし/4.エンドーくんは変化をおそれない/5.エンドーくんは、魔王にかつ/6.エンドーくん誕生/7.百周年にエンドーくんは |
10. | |
「風味さんじゅうまる」 ★☆ |
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ストーリィの舞台は福岡県飯塚市、江戸まで繋がるという“長崎街道”近くの錦町商店街。 そんなある日、長崎街道のお祭りで街道沿いの菓子屋が集まり、新作菓子を人気コンテスト形式で競うSS−1グランプリが開かれる、ついては一斗餡も参加しないかと、誘いがかかります。 |
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