花形みつる作品のページNo.1


1953年神奈川県生、東京学芸大学教育学部卒。「ゴジラが出そうな夕焼けだった」にて作家デビュー。98年「ドラゴンといっしょ」にて野間児童文芸新人賞、2000年「サイテーなあいつ」にて新美南吉児童文学賞、01年「ぎりぎりトライアングル」にて日本児童文学者協会賞および野間児童文芸賞、20年「徳治郎とボク」にて産経児童出版文化賞大賞を受賞。


1.
ドラゴンといっしょ

2.サイテーなあいつ

3.ぎりぎりトライアングル

4.アート少女−根岸節子とゆかいな仲間たち−

5.遠まわりして、遊びに行こう

6.君の夜を抱きしめる

7.おひさまへんにブルー

8.しばしとどめん北斎羽衣

9.Go Forward!

10.徳治郎とボク


落窪物語

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1.
「ドラゴンといっしょ ★★☆       野間児童文芸新人賞


ドラゴンといっしょ

1997年08月
河出書房新社

(950円+税)



2022/04/29



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是非読みたいと思っていたのですが、中々機会を掴めなかった花形さんの代表作のひとつ。ようやく読むことができました。

主人公の
宇史(たかし)は、都内の私立有名進学校に通う中学生。
半年前に母親が交通事故死し、今は働き詰めの父親と、6歳下の弟である小一の
トキオ(宙夫)と3人暮らし、とは言うものの3人とも全くバラバラの状況。

そんなある日、珍しく主人公が早く帰宅すると、家政婦は時間前に帰ってしまっていてトキオは一人きり。
そのトキオが、
ポチと名付けたドラゴンを飼っているんだ、と言い出したことから、主人公は流石に慌てます。

良いなぁと思うのは、これまで弟を無視してきた(それなりの理由があるのですが)主人公が、きちんとトキオと向かい合おうとするところ。
そこから始まる兄と弟の物語には、とても心が温まります。

さて、ドラゴンのポチは果たして実在するのでしょうか?
それは終盤における危機一髪のドラマまでお待ちください。

最後のオチが、これまた良いのですよねぇ。
花形みつる作品、大好きです!

         

2.

「サイテーなあいつ」 ★★★     新美南吉児童文学賞


サイテーなあいつ画像

1999年12月
講談社

(1400円+税)



2010/04/17



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4年生になった新学期。カオルちゃんが憂鬱になったのは、汚くて、気持ち悪くって、クラス皆からの嫌われ者=ソメヤの隣の席になったため。
カオルちゃんの言葉によると、そのソメヤ、なんて嫌な奴なんだろう、昔そんな同級生、やっぱりいたなーと思う。

でもそれが、次の章、ソメヤの方から見ると、物事は随分違ってくる。
「カオルちゃんはね、あたまがいいの。うんどうもできるし、かおもかわいい。けど、こわい」と好意的。
大人になった今なら判ります、ソメヤが知恵遅れの少年だということが。でも、いくら知恵遅れだったとしても、皆から嫌われていることや自分に対する仕打ちのことは判る。だから、彼なりに対抗してしまうのだが、それがまた気味悪がられる原因になるという悪循環。
本ストーリィは、カオルちゃん、ソメヤ、交互に2人の第一人称で語られていく構成。

カオルちゃんは、かなりしっかりした女の子。だから、ソメヤにもずけずけとしたものの言い方をしますが、ソメヤにはそれが決して悪意からの文句ではないと判る。
次第にカオルちゃんがソメヤを理解し、ソメヤがカオルちゃんを慕い、その結果としてカオルちゃんに試練が会い、さらにブチきれて“いい子”でいるのはもう辞めようと決意して・・・というストーリィ。
ソメヤだけでなく、実はカオルちゃんにもトラウマになっていることがあった、というのが本ストーリィの重要なポイント。
大人に頼らなくたって、子供たちの間だけで理解し合い、手を携え合えるのだということが、本作品のもっとも大切なメッセージだろうと思います。

ソメヤは気持ち悪いところも可愛いところもある少年、大人になった今なら受け入れることができるかもしれません。
一方、カオルちゃんは物言いといい、行動といい、小気味良いところがとても魅力。
カオルちゃんがソメヤと組んでのバスケ試合。憎たらしい程、カオルちゃんは小癪で、カッコいい。
本書を読んだ人なら、きっと2人の間で生まれた友情に喝采を送りたくなることでしょう。是非お薦め!

    

3.

「ぎりぎりトライアングル」 ★★★ 日本児童文学者協会賞・野間児童文芸賞


ぎりぎりトライアングル画像

2001年04月
講談社

(1500円+税)



2010/04/11



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主人公のコタニノリコは小学5年生、気が弱くて臆病で、いつもできるだけ目立たないようにしている。
転校した当初は美少女サヤカちゃんのグループに入れてもらい嬉しかったが、単なる下僕扱いだった。それでも、サヤカちゃんから突き放され、ひとりぼっちになってしまった今より良い。
そんな私に、何故かクラスで浮いている2人、<伝説の巨大女>と呼ばれるシノちゃんと、<ボンバー>というあだ名のアリサ
乱暴で自分勝手なこの2人、なぜ私に付きまとうのか。

「イヤ」という言葉を口にできないコタニ、2人に振り回されるばかり。でも振り回されているうちに、何となく楽しい、それに自分自身、少し変わったような・・・・。

コタニから見るとクラスで浮きまくっている2人ですが、逆に2人からしても、コタニは浮いている、いつもひとり、モタモタしてるし、ビクビクしているし、からかったらおもしろそー、ということらしい。
この2人、今は死語かもしれませんが、私の子供の頃にはいて当たり前だった、ガキ大将という存在。
ガキ大将がいて、それに振り回される子もいて、その結果として均衡のとれた子供社会が成り立っていた、と懐かしいような気持ち。
乱暴であっても彼女たちの心は温かいのです。おかげでコタニの学校生活まで、ガラリと変わっていくことに。
そんな本書ストーリィが、とても楽しい、嬉しい。ここにあるのは、本来あるべき、子どもたちの世界です。

最後に振り返ってみると、コタニもいい子だし、シノちゃん、アリサも結構いい子。そして、クラスでイケメンのサワムラくんもおとなしいイクオくんも皆、いい子。
皆でそう思い合うことができたら、学校生活も楽しいはずと、心から思います。
型破りな2人とコタニの組み合わせが、心弾むように楽しい、児童小説の佳作。      

       

4.

「アート少女−根岸節子とゆかいな仲間たち− ★★


アート少女画像

2008年04月
ポプラ社

(1300円+税)

2011年09月
ポプラ文庫


2014/04/05


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本書ストーリィには前段となる話があり、Fragile−こわれものというティーンズ向けアンソロジーの中に収録された「アート少女」という篇がそれだそうです。
優秀で実力も備えた三年生たちが卒業で抜けてしまい、部員僅か4名となった美術部、学業優先の校長からの立ち退き命令に対抗し、部長の
根岸節子と美術部員たちが部室に立てこもってロケット花火を打ちまくった、というのがそのストーリィとのこと。

本書はそれ以来さらに校長から睨まれた節子と美術部員たちが、部室がないために学校内をさ迷いながら、再三に亘る美術部存続の危機を撥ね退けようと奇想天外な活動を繰り広げ、その都度校長に睨まれるという、愉快な学園ストーリィ。
他の美術部員たちも皆ユニークな個性をもった生徒ばかりなのですが、何と言っても部長の根岸節子。キレると何をしでかすか判らないくせに、決してあきらめない性格。その節子が部長だからこそ、この美術部はぐいぐいと敢えて修羅の道を進むのです。
その突拍子もない行動故に節子、学内の生徒たちから一定の支持を得ているらしいところが、愉快です。

ユニークで痛快な、根岸節子とその仲間たちが繰り広げるティーンズ・エンターテインメント。
「あきらめないヤツは強いのだ」というセリフ、インパクトあるなぁ。

※是非「アート少女」も読んでみようと思っています。

   

5.

「遠まわりして、遊びに行こう」 ★★☆


遠まわりして、遊びに行こう画像

2010年02月
理論社

(1500円+税)



2010/04/13



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子供の頃から真面目で素直な優等生、中里新太郎
あんたなら安心して放っておける、サッカー名門校に進学できた弟に金がかかるからと、弟おっかけの母親から仕送りを減額するという通知を受け、慌ててバイト先を探し回ることに。
その結果、見事に釣られたというか騙されたというか、新太郎がバイトすることになった先は、胡散臭いおっさん=正宗さんが経営する学習塾兼“遊び塾”?

学習塾はともかく、問題は遊び塾の方。対象は小学1年生から3年生、子供には遊びが大事というのが謳い文句ですが、肝心の子供たちは乱暴な悪戯っ子ばかり(新太郎名付けて「おサルたち」)。一方、新太郎は「キタロー」と呼び捨てにされ、最初からもみくちゃ、正宗さんはいい加減と、とんでもない羽目に。

優等生が悪ガキたちに取り囲まれ悪戦苦闘、という筋立てなのですが、次第に新太郎に変化が感じられていくストーリィ。
本来、子供なんていうのは、自分勝手、悪ふざけ、悪戯、というのが当たり前で、行儀が良くて聞きわけがいい、なんていう方が不自然なのではあるまいか。
子供たちとの付き合いを通じて、そう考えることができるようになった新太郎に、新しい局面が開けていく。
そう意味付けると模範的ストーリィのように受け留められてしまうかもしれませんが、そんな理屈はそっちのけ、子供たちと一緒にワイワイ騒ぐ楽しさ、面白さを謳った一冊。
新太郎のみならず、こんな世界に飛び込んでみれば、元気にならずにはいられない気がします。

読了後はきっと、新太郎と子供たちに喝采を送りたい、という気分になるに違いありません。お薦め!

      

6.

「君の夜を抱きしめる」 ★★☆


君の夜を抱きしめたい画像

2012年07月
理論社

(1500円+税)



2012/08/14



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遠まわりして、遊びに行こうの続編。
中里新太郎、学習塾&“遊び塾”主宰の正宗さんが再登場です。
今回は、新太郎が赤ん坊の世話に大奮闘するというストーリィ。

それなりに大学&バイト生活が軌道に乗ってきた新太郎に、新たに降ってきた災難は赤ん坊の世話。
前作にも登場した正宗さんの友人でルポライター・
二三子さんの次女=瑯紗(ろうさ)が高校中退して赤ん坊を出産。ところが半年経って母親の元にそのを置いて出奔。ところが母性本能にかけている二三子さん、赤ん坊をさらに正宗さんに預けて滅多にないチャンスという海外取材に出かけてしまったという次第。
実はこれには伏線があって、二三子さんの長女=
野枝を育てたのも実は正宗さん、という前科があった。

慣れないどころかどうしたらいいのか見当もつかないまま、正宗さんから押し付けられるようにして、新太郎の子育て生活が始まります。
大学生の男の子が赤ん坊の世話などできなくて当たり前と思いますが、実はそれ、若い父親に対する強烈な皮肉を含んでいるのかも。
新太郎と
トールの日々を描くことによって、子育てがどれだけ大変なことか、母親だろうと、いや母親であるだけにいかにストレスを溜めるものであるかが、丁寧に描かれていきます。
秀逸なのは、各章の初めでトールの声なき声が語られている点。そうそう、世話をする大人が判らないだけで、赤ん坊だってもうちゃんと感情は備えているのです、ということか。
終盤、瑯紗が新太郎の前に登場。瑯紗が何故トールを置いて出奔したかの理由が明らかになります。これによって本作品の印象が一変します。巧妙だなぁ。
前作「遠回りして」と並んで、男女読者を問わず、お薦めです!

※中学生の男の子が子育てに奮闘するという、本作品に似ながらも印象の異なるものとして山本幸久「ヤングアダルトパパがあります。こちらも合わせてお薦めします。

      

7.

「おひさまへんにブルー」 ★★☆


おひさまへんにブルー

2015年05月
国土社

(1400円+税)



2015/06/06



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主人公は小学5年生の拓実
母親が息子よりリストラされた再婚相手を選んだことで、
祖母テルの家に預けられます。しかし、その祖母が厳格で気難しい性格なうえに母親とかねてより折り合いが悪く、孫の拓実に対しても迷惑顔を全く隠さない。拓実自身も前の学校でイジメに遭い、新しい小学校でも不登校のまま。そのため拓実は祖母の家で息をひそめるように暮している、という状況。

そんな拓実、やがて強引に登校へ引っ張り出されるようになるのですが、それでも何時また同級生たちに弾かれるかと戦々恐々。
そんな状況を救ったのが、近所に住む“
オイカワくん”一家の噂話。貧乏で子沢山、あちこちで何かと問題を起しており、近所でも学校内でも有名な存在。
このオイカワくんの存在が本作品の中で光っています。気の毒としか言えないような惨状なのですが、それでもオイカワくん兄弟たちは明るさを失っていません。善悪を超えて惹かれてしまうのがこのオイカワくんの存在であるとして過言ではありません。

他人の目を避けるようにしていた拓実が変わっていくきっかけになったのがオイカワくんの存在であり、そして稲小祭で共同作業をすることになった1年坊主たちとの関わりです。
そして拓実やオイカワくんとの関わりは、人を寄せ付けない姿勢を取り続けていた祖母の気持ちも次第に変化させていきます。

無理矢理や強引ではなく、自然な形で拓実、そして祖母の姿勢が変わっていく姿が素晴らしい。
自分のことばかり心配しているのではなく、他の人に関心を持つことによって人は成長していけるのだなぁと感じさせられるストーリィ。
わざわざ考えるのではなく、自然にそうと感じさせてくれる、花形さんのストーリィ運びはいつもながら本当に上手い!

       

8.
「しばしとどめん北斎羽衣 ★★


しばしとどめん北斎羽衣

2015年06月
理論社

(1500円+税)



2016/06/13



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あの葛飾北斎が江戸時代から現代にタイムスリップ。
奇妙な風体の行き倒れ老人とした見えないその北斎を拾い上げて帰ってきた父親のおかげで、現在不登校中の中学生である主人公の
林為一は、気まぐれな北斎につき合いながらその世話をすることになります。

為一の父親、家業である骨董屋を継いだものの、鑑識眼まるでないうえに、これまで新規事業を手掛けては失敗し、その尻拭いを祖父にさせてきたというどうしようもない人物。北斎に間違いないと、ありえない事実をすんなり受け入れたのは良いのですが、その北斎に画を描かせて街金からの借金を返済しよういう企みは果たしてうまく行くのかどうか・・・・。

為一と北斎というコンビによる、江戸と現代東京を見比べながらの東京見物という辺りは、北斎による未来探検記というべきところで十分楽しめます。しかし肝心なことは、北斎が何故タイムスリップしたのかという事情と、為一が不登校になった理由。
ところで、本書表紙を飾る女子高生らしい姿が気になるところですが、その彼女こそ為一が不登校になるに至った原因である、部活の先輩女子らしい。
北斎と為一の悩み、実は共通するものだったらしい。そんな為一が北斎に背中を押される形で問題にカタを付け、ようやく足を前に踏み出す、というストーリィ。

北斎と為一のコンビ、まるで祖父と孫のようで楽しい。父親から得られないことでも祖父からならすんなり助言を聞けることもある、という象徴的な出来事のように感じられます。

※なお、北斎の娘である応為を描いた
朝井まかて「を読んで間もない所為か、北斎に親近感が持てたこともストーリィに溶け込めた理由かもしれません。
 
1.墨田川両岸一覧/2.唐土名所之図/3.北斎漫画/4.甲の小松/5.千絵の海/6.酔余美人図/7.深川万年橋下/8.相州浦賀/9.陸奥野田能玉川/エピローグ

             

9.

「Go Forward! ゴーフォワード!−櫻木学院高校ラグビー部の熱闘− ★★☆


ゴーフォワード!

2018年01月
ポプラ社

(1680円+税)

2019年09月
ポプラ文庫



2018/02/06



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花形みつるさんの作品はどれをとっても面白いなぁ。本作は初めて?の本格的スポーツ小説ですが、その例外ではありません。

第一の主人公は、進学校である
私立櫻木学院高校の臨時体育教師となった酒田公男。根っからのラグビー男ですが、名門大学ラグビー部ではついにAチームになれず、そのうえ内定した企業が不祥事発覚により経営危機、内定取消となり就職浪人の危機。
やっと臨時教師の口を得ますが、若い女性理事長の
宝生実日子からラグビー部創設、試合で好成績を残すことを契約条件として付きつけられます。
ラグビー部の顧問・監督となった酒田と、彼の元に集まった、いやかき集められた個性的な部員たちが繰り広げる、新米ラグビー部の熱闘記。

個性的なメンバー、部活動の中で鍛えられ、心身ともに成長するというのは高校スポーツ小説の常道とも言うべき展開ですが、本ストーリィもまさにその通り。
それでも、個性的に過ぎる部員たち、無茶ぶりの実日子理事長、それにビビりまくりの酒田、新米監督を易々と凌駕したクレバーさを発揮する3年特進クラスきっての俊才=
司馬史記等々、この青春スポーツ群像劇は実に面白くって堪えられません!
そのうえ、その面白さをたっぷり堪能できる 490頁という分量。

最初こそコミカルなだけでしたが、顔ぶれが増えるにつれ面白さ・読み応えは加速していき、終盤の激突場面では読んでいるだけでも部員たちと一緒に熱くなってしまいます。
青春スポーツ小説の醍醐味、まさにここに在り、という風。

面白さ、熱さ、読み応えともまさに圧巻、青春スポーツ小説の傑作と言って過言ではありません。是非、お薦め!

                   

10.
「徳治郎とボク ★★       産経児童出版文化賞大賞


徳治郎とボク

2019年04月
理論社

(1400円+税)



2019/05/19



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偏屈で頑固者、そのうえ怒りっぽい祖父と、孫息子であるボクとの物語。

ボクが生まれた時にもう祖母は死去済。
三浦半島の浦賀で畑仕事をしながら、雑種犬のシロと共に暮らす祖父の元を訪れるのは、盆と正月、祖母の命日というのが恒例。
その時に集まるのは、次女であるボクの母を含め3人の娘+α、従姉2人とボクという顔ぶれ。
しかし、その中で祖父と一緒に喜んで裏山の上にある畑へ向かうのはボク一人。
祖父と男孫、そこにはやはり喜んだり、楽しいと感じるところが男同士共通するところがあるのでしょうね。

4歳の時から小学6年まで、ボクと祖父の物語が綴られます。
祖父からその「ちっせぇとき」の話を聞くのが大好きだった幼い頃、小学生になって祖父と共に語り合えた頃、そして身体が弱ってからは祖父の身を案じるようになった時。

今では核家族が当たり前ですから、祖父と2人だけの時間を過ごし(両親が離婚したという事情も大きいでしょう)、祖父の思い出話を聞いたりする等、祖父と繋がり合うことができたというのは、とても貴重なことだろうと思います。
とくに本物語では、頑固だけれど腕白児めいた男気のある祖父から、知らず知らずのうちに主人公は勇気をもらっていたのではないでしょうか。

心温まる、祖父と孫の物語。気持ち良い家族ストーリィです。


おじいちゃん/畑/夏休み/ご先祖さま/峠の茶屋/石合戦/平作川/エリカちゃん/ホットレモン/納豆/富士山/シロ/引っ越し/ヨシオさん/お月見/えらばれた人/イーグルス

                        

花形みつる作品のページ No.2

        


   

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