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●「
城 」● ★★★ |
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角川文庫
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測量師Kは、村に到着したその時から、城へ近づく努力を強いられ、ストーリィはそのためにだけ展開する。 Kから見た村の人間、城の人間は得体の知れない人間達である。ふとしたことから関係を結んだ宿屋の娘フリーダと、フリーダを介して知り合った宿屋の内儀のみが、唯一の人間らしい接触である。 だが、これはKの側から見た村および城の印象であり、逆に村の側からKを見た場合どうなのか。Kこそ、測量師というだけで正体不明の人物、村のしきたりを無視する、まさに無用の人間である。村長もまた「測量師など不要だ」と言っている。 Kこそ、他の人間に同化できない、面倒をただ引き起こすだけの存在に他ならない、そういう見方もできるのである。 |
●「フェリーツェへの手紙(1)」● ★★☆ |
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1981年03月
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毎日毎日、恋人であるドイツ人女性フェリーツェ・バウアー宛てにカフカは手紙を書いている。 |