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− 黒岳(小金沢連嶺) −半日( 2 時間 57 分)

3 月××日 【晴れ】

 午前 11 時 30 分に山梨市を出て国道 20 号線をゆっくりと走り、焼山林道に入る。登山地図では湯ノ沢峠まで 40 分の所までしか入れない筈であったが、特に通行禁止の看板もゲートもないので奥まで入った。林道は雪が多くて徐行することもあったが、湯ノ沢峠まで入ることができた。非常に静かな場所で心が和む。着替えてから装備を整え、13 時 35 分に歩き始めた。

 駐車場から湯ノ沢峠の分岐まではほんの 1 分位だが、泥にまみれたグチャグチャの階段であった。今日は最初がきつく、動悸がして苦しい。ゆっくり登ろうとしたが、泥の急坂なのでのんびり登れないのだ。25 分間は急な登りが続き、その後は少し緩やかになった。途中にサラサラした砂の場所(白ザレ)があり、金色にキラキラ光る物が混ざっている。

 「きっ、金だ!」。

 金ではないだろうが帰りに少し持って帰ることに決めた。林に入ると薄暗くなり雪が多くなる。展望はないが杉の香りが強く、甲武信ヶ岳の戸渡尾根を思い出す。精神の疲れを癒してくれる香りだ。

 14 時 18 分に見晴らしの良いピークに立ったが、道標もなく黒岳とは思われなかった。そこから北に向かって進んだが、下りとなる北の斜面は一面の雪で一部は凍っている。コルまで下って黒岳に向かってブナ林の南斜面を登るが、雪があるところでは帰りに凍って硬くなることを考えてステップを切った。14 時 39 分、林の中の山頂に到達。展望はなく、大菩薩嶺に似ている。ザックを降ろして休憩し、山頂写真を撮ってメモを書いた。先に進むか迷ったが、雪が予想以上に多くアイゼンを持っていなかったので諦めた。そこで、早速ラーメンを作って食べることにし、500 ml のミネラルウォーターを沸かした。サッポロ一番塩ゴマラーメンとフリーズドライの具 2 食分を入れた。久々のインスタントラーメンは新鮮で、美味しく食べることが出来た。

 ウーロン茶を飲みながら休憩し、15 時 30 分に下山を開始した。時間に余裕があるので写真を撮りながらプラプラと歩く。途中、東側に小さなピークがあり、道が続いているので 15 分位プラプラと散策した。道標などはなく、ゴミが見つかっただけであった。小さなピークを登り返すのがイヤで巻き道を探したが違う尾根に入り込み、結局戻ったので登り返しが倍以上になってしまった。急坂の下りはズルズルと滑るので気が抜けないが、転倒は免れた。砂地に残っていた自分の足跡は逆ハの字に揃っていて可愛らしかった。キラキラ光る砂をフィルムケースに入れ、残りの急坂を走るように下り、16 時 32 分に湯ノ沢峠に到着した。

 最近の踏み跡はなかったし、だれにも会わなかった。平日に登る人は非常に少ないと思った。

( 黒岳 [ 小金沢連嶺 ] = 1,987.5 m )

 
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