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信州・北佐久と小県の温泉めぐり byやませみ


【第3回】 高峰と鹿沢


高峰温泉「高峰温泉」

   http://www.takamine.co.jp/
  小諸市高峰高原 TEL/0267-25-2000 無休 11-14時 入浴のみ600円

<掲示> 浴室入口に分析表掲示
  高峰温泉(H6.11) 東部町大字滋野字北山4162
  Ca・Na・Mg−HCO3 *26.2℃ pH=6.6 湧出量記載なし 成分総計=1522mg/kg
  Na=85.5(23.3) Mg=40.2(20.7) Ca=175.5(54.9)
  Cl=7.4 SO4=125.0(16.0) HCO3=819.7(82.6) HS=0.3 H2SiO3=67.2 CO2=177.5 H2S=0.9
  *注)源泉井は深度135m、孔底では42℃あるが途中の地下水混入で低温になるという

標高2000mにある有数の高所温泉です(実際は1985mとか)。立ち寄り時間帯が短く、宿泊もなかなか空きがないのでこれまで未訪問でした。建物は新築のものなのでピカピカ、質の良い木材をふんだんに使った館内は明るく温もりが感じられ快適。ネイチャーガイドも努めるスタッフはみな若く、いつも笑顔できびきび対応する様子が気持ちよいです。温泉にこだわりのない方にも薦められる、新秘湯の宿の代表格といえるでしょう。

浴室は2カ所ですが、玄関ロビー奥にある「ランプの湯」が断然おすすめ。4人いるとストレスを感じるほどの狭い浴室なので、こちらに漬かりにくるお客はあまりいませんが、ここだけ鄙びた雰囲気があって好ましく思います。

1.5x2.5mの古い木製浴槽が、加熱湯と源泉冷浴に仕切られています。加熱槽のほうには30 L/minの加温湯と5 L/minの源泉が投入され、41℃くらいに調整。けっこうドバドバの湯量に見えますが、溢流はわずかで半循環になっています。青味のある半白濁(50cm)で、石灰臭のあるサラサラした浴感。温もり感はあまりなく、浴後は涼しさのほうが強く出てきます。登山後の身体にはなかなか快適な湯です。

お気に入りは隣の源泉浴槽。「飲泉水」と書かれたパイプ湯口から10 L/minくらい投入の掛け流しになっています。淡黄緑色透明の美しい湯で、重曹系ダシ味にほんのりタマゴ風味がとても美味しく、温泉というより上等の玉露を飲んでいるような気分。湯温は冷たいプールくらいなのですぐに身体が慣れ、無理せずに漬かれます。じっとしていると細かい気泡も薄く付き、ふわふわした感触になっていきます。加熱槽との交互浴がやみつきになるほど気持ちよく、浴後は芯からほかほか温まります。個性は控えめなのですが、いつまでも記憶に残る品のよい湯だと感じました。

宿泊者専用に新設した浴室は2階の一番奥で、展望は確かに良いのですが、半循環の加熱槽だけであまり面白味はありません。一般客向けでしょう。休憩所には立派な飲泉コーナーが設けられています。壁には以前の素朴な山宿時代の写真が展示してあり、こんな頃に来てみたかったと思うような鄙び風情です。旧施設はずっと谷の下の方に建っていました。温泉もそこから引き上げています。(2002.9.9宿泊)


池の平から遠望、中央の白い建物が高峰温泉

「ランプの湯」の大きいほうは加熱湯

源泉の冷浴槽はお気に入り



鹿沢温泉「紅葉館」
 
  群馬県嬬恋村田代681 TEL/0279-98-0421 無休 10-17時 入浴のみ500円

<掲示> 浴室前に分析表掲示(雲井の湯のみ)
  *鹿沢温泉・雲井の湯(H9.10) 
  Mg・Na・(Ca)−HCO3 44.5℃ pH=7.0 37 L/min 自然湧出 成分総計=1395mg/kg
  Na=127(39.2) Mg=69.8(40.7) Ca=53.7(19.0) Fe(II)=1.62
  Cl=35.6 SO4=0.95 HCO3=790(92.5) CO3=0.6 H2SiO3=226 CO2=79.7 mg/kg (mval%)

<資料より>
  竜宮の湯(H1.12) 
  Mg・Na-HCO3 35℃(使用位置) pH=6.9 自然湧出 蒸発残留物=0.72g/kg
  *)源泉より1.8km矢源沢橋横にて採水とあり、休暇村のあたりであろう。
  文献によれば鹿沢温泉は源泉3(利用2)で総湧出量486 L/min。
  この約9割が休暇村と新鹿沢に引湯され、残りを紅葉館で使用している。

谷間の道路脇に旅篭風の数棟の建物がひっそりと佇む。けっこう萎びた外観。総木造の古びた狭い廊下をギシギシ降りていく。湯小屋は母屋の一段下にあり、道路向かいにある源泉枡の直下であることがわかる。浴室まわりは入念に磨かれており、温泉を大事にしている姿勢が受け取られ好感。浴場は男女とも同じつくりで、仕切壁にあるレリーフも同じ。脱衣所に手書きの配置図が貼ってあり、浴槽(雲井の湯45℃)、打たせ湯(竜宮の湯35℃)とある。英文で書かれた入浴心得もあって国際的。

総木製の湯によく馴染んだ2x2mの深めの浴槽に、パイプ湯口から熱い源泉が40 L/minほど投入され、浴槽縁全体から豪快に溢れている。緑灰色半濁(50cm)の湯は鉄臭味がたいへん新鮮で、寿司屋のお茶みたいなちょっと苦めの大人の味。粘土っぽい土類臭もぷんぷん香る。このタイプの湯は個性があってとても好きなのである。

さらさらキシキシした感触で肌によく馴染む浴感。42℃のやや熱めなのですぐに温まってくるが、湯上がりはとても爽快でわりと早く冷め てしまう。打たせ湯はほぼ不感温度で、雲井の湯よりは成分がかなり薄く、弱い金気臭味がある。横ちょの冷たい湧水もうまい。狭いながらも合理的な浴室構成で、これ以上に何が必要かと思ってしまう。(2002.9.9)


左の黒っぽいのが浴舎、右端の囲いが源泉

きれいになった浴室入り口

男女同じつくりです 何のレリーフかな〜?




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