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信州・北佐久と小県の温泉めぐり byやませみ


【第2回】 上田周辺


室賀温泉「ささらの湯」

  http://www.city.ueda.nagano.jp/norinka/m-top2.htm
  上田市上室賀1232-1 TEL/0268-31-1126
  木曜休 10-21時 400円(朝風呂6-8時 200円) 温泉スタンドあり

<掲示> 受付横に分析表掲示
  室賀温泉(H9.3)
  単純硫黄泉(Na-HCO3・Cl) 50.7℃ pH=8.99 湧出量記載なし(92年資料389 L/min)
  成分総計=333mg/kg
  Na=94.9(97.8) Ca=1.1 Cl=45.8(30.28) SO4=1.9 HCO3=104.6(40.14) CO3=28.8(22.54) HS=6.2
  H2SiO3=43.7 H2S=0.07 mg/kg (mval%)

のどかな山間の室賀集落の一角に建つ大型の公営施設です。正式名称は「上田市農林漁業体験実習館」。月並みのセンター系の不粋なコンクリ建築ではなく、渋い木調の棟がでこぼこに繋がっている様子は東北の湯治旅館のようです。温泉棟はいちばん上にあるので駐車場からはけっこう距離があります。16時までは温泉棟の入口が空いているので、常連さんはそちらへ直に乗り付けています。

学校の古材を使用したような暖かみのある内装で、湯小屋共同湯をでっかくしたような良い雰囲気があります。浴室は内湯と露天、サウナに水風呂。石組み浴槽のと木枠浴槽のが男女月替わりになっています。今月の男湯は石組みのほう。

3x8mほどの内湯には湯口から30L/minの熱い源泉が投入され、浴槽底にも注入・吸引口がいくつかあって全体が熱めに調整されています。システム上は半循環ですが、溢流量も多いので掛け流しとみて差し支えないかと思います。同サイズくらいの露天も似たような湯使いのようです。

湯口付近は透明で新鮮な湯で、明瞭なタマゴ風味の硫黄臭にやや強いつるすべ(3.5)がありますが、離れるとちょっと落ちます。薄いとはいえ個性がはっきりした泉質なので、誰でも「温泉に浸かった」という満足感を得られる佳品かと思います。日曜の午後だったのでけっこう混んでいましたがみなさん温泉のベテランらしくプラ篭の入浴セット持参の方ばかりです。いつもながら信州の人の整然とした入浴スタイルには感心します。(2002.9.8)


和風旅館のような温泉棟の入口

石組みのほうの内湯

露天の湯口付近は白い析出



千古温泉「千古温泉」
 
  真田町長字横尾6395 TEL/0268-72-2253
  20日休 10-20時 入浴のみ500円 素泊まり3500円・朝食付き4500円

<掲示> 玄関横に分析表掲示
  千古温泉源泉(H11.3)
  単純硫黄冷鉱泉(Na・Ca-Cl) 24.4℃ pH=8.6 湧出量記載なし 成分総計=568mg/kg
  Na=139.4(74.9) Ca=38.7(23.9) Fe(II)=0.7
  Cl=193.6(54.5) SO4=54.0 HCO3=60.4 CO3=4.2 HS=12.8
  H2SiO3=43.9 H2S=0.3 mg/kg (mval%)

四年振りの訪問になります。渓流にそって佇む秘湯風情は、上田の市街からちょっと離れただけとは思えないほどひっそりしています。浴室はちょっと改装して若干きれいになっている感じですが、狭いのは相変わらずです。すぐに湯気がこもってしまうので常連さんは窓を開放にして浸かっています。外の道から丸見えなので連れがたいへん驚いていました。女湯には簾がかかっているので窓を開けても大丈夫です。

4人入ればぎゅうぎゅうの小浴槽に、淡い緑色の加熱湯が20 L/minほど掛け流されています。湯口46℃といささか過加熱気味で、源泉にたっぷりある桃のような甘めの硫黄臭が、焦げた感じになって大部分飛んでいるのはちょっと残念です。泡付きも少なくなっています。浴槽内に黒い粉状物質がびっしり沈殿していて、足の裏やお尻が真っ黒になります。マンガンだと書いてありますが、たぶん硫化鉄でしょう。(2002.9.9)


道路が鋪装になりました

女湯のほうがきれいです



金原温泉「大田区休養村とうぶ」

  http://www3.ocn.ne.jp/~sorao/ootaku.htm
  東部町大字和字入山神6733-1 TEL/0268-63-0261 無休 11-20時(要確認) 入浴のみ650円

<掲示> 脱衣所に分析表掲示
  金原(かなばら)温泉(H9.4)
  Na−Cl・HCO3(低張性) 59℃ pH=7.89 湧出量記載なし 成分総計=2453mg/kg (mval%)
  Na=790.5(93.7) Ca=17.9 Al=7.7 Fe(II)=4.7
  Cl=967.8(76.7) SO4=12.3 HCO3=480.8(22.1) CO3=3.0 Br=3.1 HS=0.1
  H2SiO3=44.1 HBO2=93.3 CO2=10.4 mg/kg (mval%)

東京都大田区が運営するスポーツ研修保養施設です。すごいぞ大田区! 広大な敷地に、運動場・体育館・テニスコート・体験農場などが散在し、スキー場もあるようで羨ましい限りです。宿泊棟は世界的に有名な建築家の設計だそうで、緩い斜面に三日月を置いたような変わったスタイルです。

館内もまたモダンで、現代美術館かウルトラ警備隊の基地(?)という印象。うまく表現できませんが一見の価値はあるかと思います。浴場は棟の山手の端っこ、いちばん高いところにあります。平日の11時だったので宿泊客は全部引けて貸し切り状態でしたが、週末はほぼ満室なので夕方は不可になるかもしれません。

大きな内湯のみのシンプル構成で、脱衣所や洗い場も広くとられていて非常に清潔。浴室の片側全面ガラスで眺望は大きく開けていますが、下半分にフィルムが貼られていて浴槽内からは何も見えないのが残念です。建物が弧状なので向こうの客室から覗けてしまうせいですが、これはいささか設計ミスでしょう。

浴槽は3x10mの横長特大サイズ。10 L/minほどの湯口と1.5mおきにある多数の槽内注入口から大量に注がれ、窓際の側溝へ全面的に溢れ出しています。弱い吸引口が2カ所ありますが、あまり働いていないように思えます。こう書くと大量掛け流しのようですが、お湯はちょっとなまっている感じもするので、オーバーフロー式の循環なのかもしれません。

浴槽は緑褐色に染まっているので強い濾過はしていないようですが、源泉が熱いので加水はしているようです。淡黄緑色で透明、ほとんど無臭ながら温泉らしい淡い匂いはあります。カルキ臭は全くありません。微塩味と薄い重曹味、弱いつるすべ(2)という月並みな湯です。(2002.9.9)


お湯はこんな感じ




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